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徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

2024年4月 季節のお話≪催花雨≫とBenoitからのご案内です。

催花雨(さいかう)」

 生きとし生けるものに必要不可欠なもののひとつが「水」で、これは雨によってもたらされます。時に猛威を振るい、甚大なる被害をもたらすも、豊富な雨無くして自然豊かな日本はありえないもの。まして、日本人は農耕民族だからこそ、雨の大切さを身をもって知っている。そのため、往古より日本の雨には、敬愛の念をもって多くの愛称がつけられています。

 冒頭の「催花雨」は、まさにこの漢字のごとく、<花>咲くことを<催(もよお)>す<雨>のこと。では、この「花」と何か?

 昔々の万葉の時代には、古代中国文明の影響が強く、「花」といえば中国より渡来してきた「梅」のことでした。しかし、平安時代ともなると日本語の根幹をなす「ひらがな」が誕生することで、日本文化が興隆(こうりゅう)するのです。日本への回帰というのか、素晴らしき日本を再認識しようというのでしょうか。この時代から、「花」といえば日本固有品種である「桜(ヤマザクラ)」を指すようになったのです。

 古人は、春の予兆を感じつつも、まだまだのんびりしている桜の樹に、しとしとと降る雨が花咲くことを催促(さいぞく)していると見たのです。三寒四温という時期にあり、降り続ける雨には辟易としてしまうもの。しかし、この雨が待ち望む桜が笑うことを催促してくれていると考えると、降り続ける雨の光景も、まんざら悪いものでもない気がいたします。

(かすみ)しく このめ春雨(はるさめ) ふるごとに 花のたもとは ほころびにけり  藤原顕季(あきすえ)

 

 歌中に整然と並べられた技巧を凝らした言葉遊び、この31文字の中によくも組み込んだものかと感服するばかりです。「このめ春雨ふるごとに」とは、「はる」を繰り返して読むことで、<木の芽張る><春雨降るごとに>となるのだという。さらに、袂(たもと)とは、和服の袖、下に垂れ下がった場所のことをいう。袖に手を通すとき、進みゆく手に従って袂が膨らんでくる。その袖の綻(ほころ)びから、手の一部が見て取れる…花の「つぼみ」が、花咲くために膨らむことで、ほのかな隙間から花の片鱗を覗かせていることを表現しているのでしょう。

 「木の芽張る」が、まだまだしっかりと外皮で守られた「つぼみ」のことであれば、「莟(つぼみ)」と書きます。これが、「催花雨」たらん春の雨が降るたびに、今か今かと花に押されるかのように膨らんだ「つぼみ」となると、「蕾(つぼみ)」と書くのです。この莟から蕾へと移りゆく時(とき)の経過をも歌に込めているかのよう。

 さらに、「ほころぶ」には、「顔がほころぶ」や「口元がほころぶ」のように、自然と笑みがこぼれるという意味もあります。花が咲くことを「花笑(はなわら)う」という表現を使います。なんと的を射た、美しい表現だと思いませんか。この「花笑う」という表現があるからなのか、花笑う前の膨らんだ芽を「蕾がほころぶ」という。ともすると、蕾からほんの少しだけ花が姿を見せたときは、「花微笑(はなほほえ)む」といってもいいのでは?

 春の到来を教えてくれる霞がたなびく中で、まだまだ張っているように堅い「莟」であったものが、しとしとと春雨が降るたびにほころびはじめ「蕾」となってきたようだ。もう数日で花笑うのだろうな~…この光景を眺めていた藤原季通の表情も、ほころんでいたことでしょう。

 往古より、「春に三日の晴れなし」と言い伝えられているほどに、不安定な天気が春という時期なのでしょう。しかし、昨今の「春の雨」は、しとしとと降る「春雨」とは言い難いものです。さらに、三寒四温という時期ではありながら、この寒暖差も激しさを増しているきがいたします。思うに、体調を崩した地球が、自ら回復へと強引に調整しているのか?何はともあれ、皆様無理は禁物です。十分な休息と休養をお心がけください。そして、十分な防寒対策の元、「花大笑い(満開の桜)」をお楽しみください。

 

余談ですが…

 なぜ、我々日本人は、ここまで桜に心惹かれるのでしょう?そもそも、なぜサクラと呼ぶのでしょう?そして、「花より団子」という愛(いと)おしい表現は、どうして生まれたのでしょう?少しばかり紐解いてみました。お時間のある時に以下よりご訪問いただけると幸いです。

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Champagneの地からBenoitに集う、3人の若きアルチザン!≫

 シャンパーニュの世界では長らく大手メゾンが主役の座を誇示してきました。彼らがその存在を広く世界に認知させ、愛される特別な飲み物として確固たる地位を築き、シャンパーニュというブランドを確立してきました。この大手メゾンが台頭する中で、家族ぐるみという最小規模で粛々とシャンパーニュを醸し続けていた人々がいる。彼らは、なんのしがらみもなく、ただ自分が美味しいと思うものを追い求め続けことができた。それが、大手メゾンが表現することが難しい個性となり、それが他に類を見ない美味しさを導いてくることになるのです。ここ数年で、シャンパーニュも「造り手」に脚光が浴びるようになってきたことは、この美味しさに多くの人が気づいたことに他なりません。

 そこで、シャンパーニュの銘醸地として名高い3地域。それぞれの地に居を構え、職人的栽培醸造家と称される3人、のアルチザン、Pierre Paillard (ピエール・パイヤール) Antoine(アントワーヌ)氏に、Doyard (ドワイヤール) Guillaume(ギヨーム)氏、そしてCaze Thibaut (カゼ・ティボー) Fabien(ファビアン)氏がBenoitに集(つど)う。すでに世界のワイン評論家から一目置かれている彼らが一堂に会する機会など、そうそうあるものではりません。自分が語るのとはわけが違う、彼らの口から発せられる言の葉一枚一枚によって、彼らの醸したシャンパーニュの輝きが増すはずです。Benoit自慢の料理とともに、大いにお楽しみください。

 

アルチザンによるシャンパーニュの饗宴/競宴

開催日: 202446()

時間: 18:00会場 18:30スタート

料金: 25,000(サービス料/税込) ※お食事とワインを含みます。

※生産者が各テーブルに順次着席する ため、皆様には相席をお願することになります。個別のお席がご希望の際は、ご予約時にお伝えいただければ、喜んでご用意させていただきます。

 

 それぞれのアルチザンと、今回お楽しみいただくシャンパーニュのラインナップをブログに綴っております。どうしようとお悩みの方は、ぜひ以下よりご訪問ください。彼らに魅せられると同時に、今回のパーティーが、どれほど貴重であるかを知ることができると思います。

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≪テーブルマナーを知っていても、見初(みそ)むる心地のする講習会です!

 其処彼処(そこかしこ)で開催しているテーブルマナー講習会であれば、自分は皆様へご案内することはありません。

 日本人が、ついついやってしまうことを、笑いを込めながら教えてくれ、毎度のように「やっちまった~」と笑いが、部屋の仕切りとなるカーテンの隙間から漏れ聞こえてくる。このようなテーブルマナー講習会があったであろうか。だからこそ、皆様にご案内させていただくのです。

 

世界基準の一流を学ぶ 「テーブルマナー講座」

開催日: 2024

4月 8()/27()

5月 5()/26()

7月 20()/29()

すべてが単独での開催で、すべてに申し込む必要はありません。

時間: 11:30より講義を始めます。 

11:10までにお運びください。終了予定は15時15分を予定しております。

料金: 20,000(サービス料/税込) 食事とワイン2杯を含みます。

※ 7月29日(月)の開催のみ料金18,000円です。

※事前振込制です。ご希望の日程がございましたら、北平宛(kitahira@benoit.co.jp)にご連絡ください。質問なども喜んで承ります。この講習会に関しては、電話でのご予約は受け付けておりません。

 

 いったいどのような講習会なのか?吉門先生のご紹介を含め、ブログに詳細を綴っております。人生が変わるといっても過言ではありません。気になる方は、ぜひ以下よりブログを参照ください。

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北平のBenoit不在の日

 私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない4月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

kitahira.hatenablog.com

 

 バランスの良い美味しい料理を日頃からとることは、病気の治癒や予防につながる。この考えは、「医食同源」という言葉で言い表されます。この言葉は、古代中国の賢人が唱えた「食薬同源」をもとにして日本で造られたものだといいます。では、なにがバランスのとれた料理なのでしょうか?栄養面だけ見れば、サプリメントだけで完璧な健康を手に入れることができそうな気もしますが、これでは不十分であることを、すでに皆様はご存じかと思います。

 季節の変わり目は、体調を崩しやすいという先人の教えの通り、四季それぞれの気候に順応するために、体の中では細胞ひとつひとつが「健康」という平衡を保とうとする。では、その細胞を手助けするためには、どうしたらよいのか?それは、季節に応じて必要となる栄養を摂ること。その必要な栄養とは…「旬の食材」がそれを持ち合わせている。

 その旬の食材を美味しくいただくことが、心身を健康な姿へと導くことになるはずです。さあ、足の赴くままにBenoitへお運びください。旬の食材を使った、自慢の料理やデザートでお迎えいたします。

 

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最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。

一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。皆様のご健康とご多幸を祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com

2024年4月 「北平がBenoitを不在にする日」のご報告です。

 私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない4月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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 上記日程以外は、Benoitを優雅に駆け回る所存です。自分への返信でのご予約はもちろん、BenoitのHPや、他ネットでのご予約の際に、コメントの箇所に「北平」と記載いただけましたら、自慢の料理の数々を語りに伺わせていただきます。自分が不在の日でも、お楽しみいただけるよう万全の準備をさせていただきます。何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。

 「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。末筆ではございますが、皆様のご健康とご多幸を、青山の地より祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com

2024年 テーブルマナーを知っていても、見初(みそ)むる心地のする講習会のご案内です!

 徒然草兼好法師は、「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」と綴っている。「花は満開のときだけを、月は雲がないときだけを見るものであろうか、いやそうではない。」と喝破しているのです。この背景には、往古より「月は雲なきをのみ見る」ことを良しとし、切望していたということがあります。これに異議を唱えたのが、百人一首をご存じの方も多いのではないでしょうか、平安時代後期に活躍した藤原彰輔(あきすけ)がこう詠っています。

秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の かげのさやけさ  藤原顕輔(あきすけ)

 月を待ち望むも雲に覆われてしまい落胆している中で、わずかな雲間より「もれいづる」月かげ(月の光)に感嘆の声を上げ、「さやけさ」を覚えると詠っているのです。月を愛でることを切望していたからこそ、その思いは一入(ひとしお)だったことでしょう。そして、彼が正三位(しょうさんみ)という官位をもった歌人だっただけに、まるでたこの一首が投げかけた問いに、歌壇は騒然となったのではないかと思うのです。多くの共感を得るばかりではなく、反論され、異端と陰口をたたかれたことでしょうか。ただ、この歌によって、兼好法師のいう「月は隈なきをのみ見るものかは」という感性が胚胎したと考えても良いのでは…

 月に対してのこれほどまでの歌を遺した藤原顕輔を父に持つ清輔(きよすけ)が、薫陶を受けないはずはない。夜の帳(とばり)が下りてくるころ、東の山々へと視線を向けると、その稜線から姿を見せる月がある。上弦の月であれば、明るい中でしれっと昇ってゆく。下弦であれば夜遅くないと姿を見せません。この歌で詠われた月の姿は、きっと満月に近かったはずです。その月を目の当たりにして、彼はこう詠う…

夜とともに 山の端(は)いづる 月かげの こよひ見初(みそ)むる 心ちこそすれ  藤原清輔

 煌々(こうこう)と光をはなちながら天高く昇ってゆく姿を目にし、あまりにも清らかな「月かげ(月の光)」であったからか、今宵に初めて出会ったかのような心地を覚えてくるようだ…と藤原清輔はいう。まさに「さやけさ」を感じるひとときではないかと思うのです。清らかで美しいと辞書に記載があるも、この「さやけさ」という言葉には、月の光のように、なにやら畏敬の念が込められた不思議な響きをはなっている気がするものです。

 我々にとって、月は子供の頃から知っている、馴染みの存在です。そして、毎月のように、いかなる形であれ目にすることができます。それにもかかわらず、あまりにも月かげ(月の光)が神々(こうごう)しいからなのでしょう、「見初(みそ)むる心地」がするという清輔の感慨に、大いに共感を覚えるものです。神々しく光を放つ月を見ると、なにやら畏敬の念を覚え、ついつい足を止めて見入ってしまう…妖怪「狼男」が誕生するのも分かるような気がするほどに魅せられるものです。

 

 

≪テーブルマナーを知っていても、見初(みそ)むる心地のする講習会です!

 其処彼処(そこかしこ)で開催しているテーブルマナー講習会であれば、自分は皆様へご案内することはありません。

 講師である吉門先生とBenoitで開催しているこの講習会は、ついに88回となりました。リピートされている方ばかりであり、あまりにもためになり面白いため、その方がご友人を誘う。それほどに内容が深いものなのです。しかし、Benoit主催ではないため、皆様が知る由(よし)もなく10年もの歳月が過ぎ去ることになるのです…

 この講習会を、ぜひにも皆様に紹介させていただきたく、Benoit枠を設けていただくことをお願いしたのが昨年のこと。吉門先生に快諾いただいたことで、今年より自分から皆様へご案内することが叶ったのです。90回近くも開催しているイベントなのに知らなかった…とは、このようないきさつがあったからなのです。

 

 いったいどのような講習会なのか?

 当日は、皆様にはBenoitのランチ営業前の11時10分から20分ほどにはお運びいただきます。挨拶をかわしながら席に着き、11時30分から12時10分まで吉門先生の話に耳を傾けていただきます。長いように思うのですが、参加された方の話では、笑いあり涙あり?で思いのほかあっというまの40分間のようです。

 ここで、いつもの料理説明を自分が行い、いざ実践の場へと移ります。テーブルマナー講習会は、ある意味「間違える場」でもあるので、気後れしてはいけません。遠慮なく間違い、気さくに指摘してくださる先生から大いに学びましょう!そして、先生が食事中だろうがなかろうが、気になる点や疑問点を気兼ねなく問うべし。少人数だからこそ、都度、質問に的確に答えてくれます。

 料理は、残念ながらいつものように選ぶことができません。自分がシェフと相談して決めさせていただくのですが…其処此処(そこここ)に、美しく食事をすることを邪魔するポイントが隠されています。皆様を思ってのことで、決して自分の性格が悪いからではありません…もちろん、陰でほくそ笑んでいることもありません。前菜→スープ→主菜→デザートと流れる料理/デザートに、スパークリングワインと白か赤ワインの2杯をお持ちいたします。もちろん、ノンアルコールドリンクもご用意しております。

 15時に終わる予定なのですが、1回とてこの時間で終わったためしはありません。、毎度のように、Benoitランチ終了の15時30分まで、話の盛り上がりが途切れることがないのです。これほどの長時間にもかかわらず、講習を終えられた皆様の表情に疲れは見えず、何かを感じ取ったかのような高揚感が、発せられる言葉の端端に表われている。

 

 どのような話の内容なのか?

 ナイフやフォークは外側から使いましょう…というような話がなくもないですが、吉門先生が伝えたい本質はそこではありません。すべての所作には「理由」があり、その理由を識(し)ることで身体が覚えてゆき、知らず知らずに美しさを身にまとうことになる。そして、それがその人の「品位品格」となってオーラを発するようになる。

 食事の席というのは、知っている人ばかりとは限らず、知らない人のときもある。そこは、栄養を摂る場所ではなく、語らいの場です。美しい所作が相手に共感を覚えさせる、そして内面からはなたれる品位品格が感動を覚えさせる。これが相手との距離を詰めることとになり、会話が弾む。そこに美味しい料理が加わることで「口福な食時」となる。知性あふれる言の葉が発せられる口が福を呼ぶのか、はたまた舌鼓(したつづみ)を打つほどの美味しい料理によって口中に福を感じるのか。この2つが相まったときの「ひととき」に、我々は幸せを感じるのではないでしょうか。

 自分が、学生さんのテーブルマナーの講師を依頼されたときに、吉門先生に相談いたしました。すると、先生からの第一声は…何にも増して「感謝」の気持ちを伝えることを教えてほしと。さあ、いったい何に対して?いつどのように?感謝を伝えればよいのか。1回でも吉門先生の講習を受けると、この答えが鮮明となるばかりか、テーブルマナーの真髄に触れたかのような、まるで「見初むる」心地を覚える…そして、「さやけさ」感じるオーラを放つ人間になる…はずです。

世界基準の一流を学ぶ 「テーブルマナー講座」

開催日: 202448()/27() 55()/26() 720() /29()

時間: 11:30より講義を始めます。 

11:10までにお運びください。終了予定は15時15分を予定しております。

料金: 20,000(サービス料/税込) 食事とワイン2杯を含みます。

※ 7月29日(月)の開催のみ、料金18,000円です。

※事前振込制です。ご希望の日程がございましたら、北平宛(kitahira@benoit.co.jp)にご連絡ください。質問なども喜んで承ります。この講習会に関しては、電話でのご予約は受け付けておりません。

 

 講師である吉門憲宏さんは、元日本航空国際線のキャビンスーパーバイザー(チーフパーサー)として世界の空を飛び続けた、飛行距離は地球450周を超えるほど。120万人もの旅客様と笑顔を交わしてきているのです。在職中は、定年退職になるまで飛行機に乗り続けたつわもの。日本文化の礼節を伝える民間外交でもある接客のプロとしての人生を歩んできた、だからこそ、多くの知見があるのです。

 先生との自分との出会いは、偶然だったのか必然だったのか…現職を退いてからは、アメリカでのMBA取得のための派遣される某大手企業のスタッフが、欧米の社交界に馴染めるようにとトレーニングをする講師を担っていました。その打合せの席なのか、無事に送り出したお礼のためだったのか、大手企業の人事の方々が選んだのがBenoitでの一席だったのです。そのようなこととは露知らず、自分がいつものように語るは語る…後日に知ることになるのですが…いやお恥ずかしい限りです。

 幸いにも、この出会いが、今も続いているBenoitで開催される「テーブルマナー講習会」を導いたのです。日本人が、ついついやってしまうことを、笑いを込めながら教えてくれ、毎度のように「やっちまった~」と笑いが、部屋の仕切りとなるカーテンの隙間から漏れ聞こえてくる。このようなテーブルマナー講習会があったであろうか。だからこそ、皆様にご案内させていただくのです。

 

 

 バランスの良い美味しい料理を日頃からとることは、病気の治癒や予防につながる。この考えは、「医食同源」という言葉で言い表されます。この言葉は、古代中国の賢人が唱えた「食薬同源」をもとにして日本で造られたものだといいます。では、なにがバランスのとれた料理なのでしょうか?栄養面だけ見れば、サプリメントだけで完璧な健康を手に入れることができそうな気もしますが、これでは不十分であることを、すでに皆様はご存じかと思います。

 季節の変わり目は、体調を崩しやすいという先人の教えの通り、四季それぞれの気候に順応するために、体の中では細胞ひとつひとつが「健康」という平衡を保とうとする。では、その細胞を手助けするためには、どうしたらよいのか?それは、季節に応じて必要となる栄養を摂ること。その必要な栄養とは…「旬の食材」がそれを持ち合わせている。

 その旬の食材を美味しくいただくことが、心身を健康な姿へと導くことになるはずです。さあ、足の赴くままにBenoitへお運びください。旬の食材を使った、自慢の料理やデザートでお迎えいたします。

 

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最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。

一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。皆様のご健康とご多幸を祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com

きたる2024年4月6日(土)、Benoitにて≪アルチザンによるシャンパーニュの饗宴/競宴≫を開催します!

 「Artisan(アルチザン)」とはフランス語に語源をもち、手工芸で製品を作る職人のことを意味します。往年は、創造的な作品を生み出す「芸術家」と対比した言葉でした。しかし、芸術的な作品も、アルチザンの熟練の技なくして成り立たないと考えるようになると、この言葉は少しニュアンスを変えてきます。今では、工場などで大量生産されるものとの対比として使われるようになるのです。日本でいう「職人」や「匠(たくみ)」という表現が相ふさわしい気がいたします。

Champagneの地からBenoitに集う、3人の若きアルチザン!≫

 シャンパーニュの世界では長らく大手メゾンが主役の座を誇示してきました。彼らがその存在を広く世界に認知させ、愛される特別な飲み物として確固たる地位を築き、シャンパーニュというブランドを確立してきました。この功績は、他に類を見ないほどの成功を収め、シャンパーニュという名前は確固たる地位を獲得することになります。

 この大手メゾンが台頭する中で、家族ぐるみという最小規模で粛々とシャンパーニュを醸し続けていた人々がいる。彼らは、なんのしがらみもなく、ただ自分が美味しいと思うものを追い求め続けことができた。それが、大手メゾンが表現することが難しい個性となり、それが他に類を見ない美味しさを導いてくることになるのです。ここ数年で、シャンパーニュも「造り手」に脚光が浴びるようになってきたことは、この美味しさに多くの人が気づいたことに他なりません。

 確かに、資金面では大手メゾンには遠く及ばないために、大幅な設備投資などはできません。しかし、それでも創意工夫を繰り返しながら、少しずつ醸造設備を整えてゆきます。それよりも、アルチザンが着目したのは、ブドウ栽培のほうでした。ブドウを成長させるのは、太陽であり、その土地土地の土壌であり、そして寒暖差や適度な雨をもたらす気候です。どれほど資金をかけようとも、これらを変えることはできません。そして、人が手塩にかけて成長の手助けをすることで、ブドウは美味しい果実を実らせる。

 ワインは農産物であり、美味しいブドウ無くして、美味しいワインはで醸せません。家族経営だからこそ、目指すべきシャンパーニュの姿が皆に明確に共有される。そして、各々がそれを意識することで、栽培・醸造・熟成という各過程において、細部にまで目を遣(や)ることとなる。そう、「神は細部に宿る」のだ。妥協なく細かなところにも手を抜かないばかりか、弛まぬ努力を継続することが、個性となってシャンパーニュの中に表現される。

 シャンパーニュの銘醸地として名高い3地域。それぞれの地に居を構え、職人的栽培醸造家と称される3人、のアルチザン、Pierre Paillard (ピエール・パイヤール) Antoine(アントワーヌ)氏に、Doyard (ドワイヤール) Guillaume(ギヨーム)氏、そしてCaze Thibaut (カゼ・ティボー) Fabien(ファビアン)氏がBenoitに集(つど)う。すでに世界のワイン評論家から一目置かれている彼らが一堂に会する機会など、そうそうあるものではりません。自分が語るのとはわけが違う、彼らの口から発せられる言の葉一枚一枚によって、彼らの醸したシャンパーニュの輝きが増すはずです。Benoit自慢の料理とともに、大いにお楽しみください。

※以下敬称略

 

アルチザンによるシャンパーニュの饗宴/競宴

開催日: 202446()

時間: 18:00会場 18:30スタート

料金: 25,000(サービス料/税込) ※お食事とワインを含みます。

※生産者が各テーブルに順次着席する ため、皆様には相席をお願することになります。個別のお席がご希望の際は、ご予約時にお伝えいただければ、喜んでご用意させていただきます。

ラインナップ

Pierre Paillard / Doyard / Caze Thibaut、各生産者から2種類ずつ、計6種

※各生産者のご紹介とともに、以下に記載いたします。

 ご予約はもちろん、何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。に自分へメール(kitahira@benoit.co.jp)か、もちろん電話(03-6419-4181)でもご予約は快く承ります。

 

< Pierre Paillard (ピエール・パイヤール) >

 シャンパーニュのMontagne de Reims(モンターニュ・ド・ランス)地区の南部に位置する村Bouzy(ブジー)といえば、シャンパーニュグランクリュで最もパワフルなピノ・ノワールを育(はぐく)む地として名を馳せる。Pierre Paillard(以下、ピエール・パイヤール)の所有する畑は、すべてがこの村にある。ブドウ栽培を生業とした1768年からその名を歴史に刻んでゆき、1946年についに醸造所を設立。今は8代目となるアントワーヌとカンタン・パイヤール兄弟を中心に、見事なまでのシャンパーニュを醸し続けています。

 ブジー村はピノ・ノワールグランクリュとして格付けさているだけに、作付面積の約9割がピノ・ノワール、残りにシャルドネが植栽されています。しかし、ピエール・パイヤールは、11haある所有畑の3割以上となる4haにシャ ルドネを植えている…彼の地で育まれたピノ・ノワールから醸された、しっかりとした骨格の濃密で表情豊かな果実味のあるワインに、フレッシュさとエレガンスをもたらすためという。類(たぐい)まれなる このシャルドネ高比率は、ピエール・パイヤールの中で連綿と引き継がれているのです。

 ブドウ栽培は20年前からリュット・レゾネ(減農薬農法)で行っており、自然の野草で覆わ れたブドウ畑では、ここ15年間、化学肥料を一切使っていない。ビオディナミやビ オロジックの手法も取り入れつつも、土壌とブドウの樹のバランスを保つことを最優先にしているため、ビオ認証にはこだわりはない。植樹の際は、クローンではなく、多少なりとも異なる遺伝子をもつ同一品種からなるマッサル・セレクションを採り入れていることは、栽培に苦労はあるものの彼らのワインに複雑さを与える一つの要因になっている。醸造は、区画と品種に分 けて行い、醗酵には主にステンレスタンクを使用するも、一部のワインにはコンク リートタンクも用いている。アルコール発酵後、全てのベースワインはマロラク ティック発酵を経て、澱とともに8ヶ月と長期間熟成させ、瓶詰後も最低42ヶ月という長きにわたり熟成する。

今回Benoitに姿を見せるのは、以下の2本です。

NV Les Parecelles(レ・パルセル)

 ブジー村に所有する複数の区画をブレンドして仕込まれたスタンダードシャンパーニュピノ・ノワール70%にシャルドネ30%というブレンド比率です。なぜシャルドネ種を植栽しているのか?この答えは、これらのシャンパーニュが教えてくれることでしょう。

2019  Blanc de Noirs Maillerettes(ブラン・ド・ノワール マイユレット)

 ブジー村の南西向き斜面の中腹にある、「レ・マイユ レット」という単一区画に1970年に植えたピノ・ノワールのみで醸される。彼らは、「レ・マイユ レット」とシャルドネが植わっている「レ・モトレット」を、≪母なる畑≫と呼んでいる。所有する畑に植樹する苗木には、前述の2つの畑から選ばれた枝を使用するからといいます。彼の地で育まれたピノ・ノワールの実力とはいかがなものなのでしょうか?

 

< Doyard (ドワイヤール) >

 シャンパーニュのCôte des Blanc(コート・デ・ブラン)といえば、シャルドネの聖地とも称されている地域。北のシュイィ村に始まり、南のル・メニル・シュール・オジェまで、特級畑がこれでもかと名を連ねています。ル・メニル・シュール・オジェから南に向かった先にあるのが、Vertus(以下、ヴェルテュ)村です。彼の地に、1927年から自社元詰めのシャンパーニュ造りを続けてき たのがDoyard (以下、ドワイヤール)です。

 ヴェルテュ村の畑は、最上の一級畑(プルミエ・クリュ)と称されており、北に位置する特級畑が東向きであるに対し、この村の辺りから南斜面へと変わってゆくため、太陽の恩恵を十二分に受けることができる。そのため、強固な酸や鋼(はがね)のようなミネラルが出すぎることはなく、温かみのある柔らかさが魅力のシャンパーニュに仕上がるという。

 2006年、ヤニーク・ドワイヤールから、息子であるシャルルへ引き継がれることで、ドワイヤールは更なる高みへと導かれることになります。土壌の活性化を促す「独創的ではない」ビオディナミが栽培の基本。ブドウ樹の仕立て方は、収量を抑えるために、 珍しいコルドンスタイル。ステンレスタンクと樽を併用する醗酵、長期瓶内熟成、低めのガス圧と少量のドサージュ…「自然が与えてくれる以上のものを作ることはできない」と彼は喝破する。

 シャルルの努力は着実に実を結ぶことになり、世界各国の著名なワイン評論家から称賛されるにいたります。しかし、2017年に彼は志半ばで夭逝(ようせい)するのです。深い深い悲しみの中で、父であるヤニークはワイナリーに戻り、弟のギヨームが兄の意思を引き継ぐことを決意します。身近にいたからこそ知りえるシャルルの並々ならぬ努力。その賜物ともいえるドワイヤールのシャンパーニュを、過去のものとしてはいけない。この思いを胸に、ヴェルテュ村に北に連なる特級畑を含める、11ha(90%がシャルドネ/10%がピノ・ノワール)から、彼らはシャルルにも劣らないシャンパーニュを醸し続けています。

今回Benoitに姿を見せるのは、以下の2本です。

NV Cuvée Vendémiaire Brut(キュヴェ・ヴァンデミエール・ブリュット)

 ヴェルテュ1級畑とコート・デ・ブランの4つの特級畑のシャルドネのみで仕込まれた…と記載がありました。なぜ、特級畑よりも先に、1級畑を紹介しているのか?このあたりに、彼らの醸すシャンパーニュへの想いが込められているのでしょうか。真相は、ご本人に聞いてみるしかないでしょう。

2018 Cuvée Clos de l’Abbaye(キュヴェ・クロ・ド・ラベイ)

 ヴェルテュ村にある南東向きの0.5haの区画に、1956年植樹されたシャルドネのみで醸されたシャンパーニュです。樹齢68年にもおよぶ、還暦を超えたVileiies Vignes(古樹)が成す果実はいかほどのものか?なぜ、特級畑でヴィンテージシャンパーニュを仕込まなかったのか…真相はご当主の口から語られることでしょう。

 

< Caze Thibaut (カゼ・ティボー) >

 Vallée de la Marne(ヴァレ・ド・ラ・マルヌ)は、Montagne de Reims (モンターニュ・ド・ランス)や Côte des Blanc (コート・デ・ブラン)と並ぶシャ ンパーニュ重要産地の一つです。この地区は、植栽されているブドウ品種の約7割をピノ・ムニエが占めています。特に西に向かうにつれて谷間の幅が狭まり冷気 が溜まりやすくなるため、遅霜のリスクを避けるためにも、発芽が遅く早熟なムニエ が栽培に適しているのだという。また、東側に比べて粘土の表土が厚く、ふくよかで 重厚感のある味わいとなるのだと。

 彼の地で、Épernay(エペルネ)から西に20kmほど離れたChâtillons-sur-Marne(シャティヨン・シュール・マルヌ)村に居を構えるのが、Caze Thibaut (以下、カゼ・ティボー)です。カゼ・ティボーの歴史は、現当主ファビアンの祖父が1953年に ワイナリーを設立したところから始まります。祖父は自ら元詰めでシャンパーニュ を造っていたが、ファビアンの父は自分では造らず全てのブドウをネゴスに販売していたという。大手が台頭している時代であることを考慮すると、賢明な判断だと思います。しかし、ファビアンは祖父が醸していた時代を懐古するのです。この衝動を抑えることができず、父から引き継いだ2009年 に自身のワイナリーを立ち上げたのです。

 ファビアンは畑の状態を見て、まずは土壌 を改善するべきだと判断した。自然の力を尊重すべきとの考え方から、化学物質を使用せず有機肥料や堆肥を使って土壌を活性化させ、微生物の育つ健康的な土壌造りを行った。3年かけた土壌改良の結果、畑に生えている植物を見てファビアンはやっとこの畑のあるべき姿になったと感じたという。そう、彼のシャンパーニュの初リリースは2018年のこと。

 カゼ・ティボーはマルヌ川右岸に位置する点在する15の区画の、2.6haほどを所有しています。畑の管理はほぼ手作業で、殺虫剤や農薬は使用せず、オーガニック栽培を徹底しています。自然酵母によるアルコール発酵、MLFは全てオー ク樽を使用する。それも、114L、228L、350Lの3種類のサイズを使い分けるという。「土壌への敬意、ワ インへの情熱によってこの土地の個性を表現する」、このファビアンの言葉がすべてを物語っている。

今回Benoitに姿を見せるのは、以下の2本です。

NV Crayères(クレイエール)

 2021年は、ベト病の蔓延により収量が激減しました。そこで、Vin de Réserveを使いシャルドネピノ・ムニエブレンドで仕上げてきた、貴重なシャンパーニュです。初の試みでありながら、納得のいく品質であったため、今回のラインアップに登場です。

2017 Millésime(ミレジム)

 ヴァレ・ド・ラ・マルヌの右岸のシャティオン・シュール・マルヌ村のゴーギ ユーズという区画のピノ・ムニエ100%で作られるブラン・ド・ノワール。これこそが、彼の追い求めるシャンパーニュの姿なのかもしれません。最上のピノ・ムニエで醸されると、いったいどのような美味しさとなるのでしょうか?

 

アルチザンによるシャンパーニュの饗宴/競宴

開催日: 202446()

時間: 18:00会場 18:30スタート

料金: 25,000(サービス料/税込) ※お食事とワインを含みます。

※生産者が各テーブルに順次着席する ため、皆様には相席をお願することになります。個別のお席がご希望の際は、ご予約時にお伝えいただければ、喜んでご用意させていただきます。

 ご予約はもちろん、何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。に自分へメール(kitahira@benoit.co.jp)か、もちろん電話(03-6419-4181)でもご予約は快く承ります。

 

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最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。

一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。皆様のご健康とご多幸を祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com

2024年3月 「北平がBenoitを不在にする日」のご報告です。

 私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない3月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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 上記日程以外は、Benoitを優雅に駆け回る所存です。自分への返信でのご予約はもちろん、BenoitのHPや、他ネットでのご予約の際に、コメントの箇所に「北平」と記載いただけましたら、自慢の料理の数々を語りに伺わせていただきます。自分が不在の日でも、お楽しみいただけるよう万全の準備をさせていただきます。何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。

 最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。

 「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。末筆ではございますが、皆様のご健康とご多幸を、青山の地より祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

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2024年1月「寒中のご挨拶」と「Benoitからのご案内」です。

寒中お見舞い申し上げます。

 

 波乱の幕開けとなりました。能登半島地震という天災に加え、羽田空港衝突事故という人災が起こりました。尊い命が失われたことに深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様が健康を損なわずに日々を過ごされることを、そして、被災地にてご尽力くださっている自衛隊・警察・消防やボランティアの皆様が、無事息災に業務を遂行されることを祈念いたします。

 そして、羽田空港衝突事故では、日本航空機に乗客乗務員約380名が乗機しておりましたが、一人も犠牲者をだしませんでした。これは「奇跡」ではなく、日本航空添乗員さんの厳しい訓練の賜物だと考えています。感動を覚えると同時に、感謝の気持ちが絶えません。今後、詳細が明らかになると思いますが、彼らの危機管理を大いに学ばせていただきます。

 

 旧年中は並々ならぬご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。新年を迎え、皆様より賜りましたご温情は徒(あだ)や疎(おろそ)かにせず、倦(う)まず弛(たゆ)まず研鑽の日々に努めます。「観梅の心、観桜の目」を忘れることなく、少しでも皆様のご期待にお応えできるよう、万全の準備をもってお迎えいたします。何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。皆様が、そして皆様のご家族ご友人の方々が、幸多き年となりますよう、青山の地よりお祈り申し上げます。

 

 新暦では12月から翌年2月までが冬という季節。しかし、今までは、北海道や東北地方での大雪のニュースを目にするものの、都内は温かい陽射しによって冬という実感がわかなかったものです。その関東地方も、「大寒」を迎えることで、ようやく、身震いするような寒さを覚えるようになりました。もしや、都内でも「霜」を見ることができるのか?

野べよりや 冬はきぬらん 草の葉に おく白露の 霜となるかな 源師時(もろとき)

 この歌に出会ったとき、源師時のように「露」が凍えて「霜」となるものだと考えていました。ところが、「露」と「霜」を調べれば調べるほど、これほどまでに奥深いもので、自分がいかに浅はかな考えであったかを痛感することになるのです。そして、彼が詠った「なる」は、「露が凍えて霜になる」という意味ではない気がしてきたのです。大いに悩み考えたがために、2024年最初の長文レポートがこれほどまでに遅くなりました。言い訳がましいのですが、その理由をブログに綴ってみました。お時間乗のある時に、以下より訪問いただけると幸いです。

 なぜ霜が降ると表現するのか?「霜がつく」では、おかしくはないが、「をかし(趣がある)」くない

kitahira.hatenablog.com

 

 「霜」というのは、美しい自然現象ですが、こと農産物の栽培者にとっては厄介極まりないもので、霜や凍ることで起きる被害を「凍霜害(とうそうがい)」といいます。冬に旬を迎える野菜や果樹は、この寒さに抗(あがら)うかのように、糖類やアミノ酸類などを合成・蓄積して細胞内部の溶質濃度を高めて細胞内が凍りつかないように準備するといい、これこそが、冬ならではの美味しさです。しかし、何事にも限度というものがあります。

 寒さが「冬の味覚」を導くも、その寒さが限界を超えてしまうと、一夜にして今までの苦労が水泡と帰すことになりかねません。だからと言って、大寒波の訪れに対し何か対策がとれるのかというと、ベランダの植木鉢とは違って、広大な農園では移動もままならず、何かを施すとしても限られたものです。

 生きとし生けるものとって欠かすことのできない陽の恩恵を享受し、抗うことのできない自然の厳しさを甘受する。農を生業とすることの難しさがここにある。だからこそ、無事に収穫を迎えることができたときの喜びは一入(ひとしお)なもの。彼らが丹精込めて育て上げた野菜や果実を手にした時の我々の笑顔、さらに食したときに「口福」を覚えたとき、彼らの労が報われることになる。そして、我々は「いただきます」と感謝の気持ちを持つことで、彼らの労に応える。

 「農」の世界に魅せられ、就農を決意し、馴染みのない地に赴いた若者がいる。地元ではなく、香川の土地や雰囲気が気に入ったからということで、彼は讃岐平野を選んだ。今、Benoitの届く見事なまでのブロッコリーは、彼の地で彼が手塩にかけて栽培した逸品なのです。

 ブロッコリーは今が旬であり、多くの産地で育まれたものが所狭しと野菜売り場を占めています。どこで育ててもブロッコリーブロッコリーと思うことなかれ。なぜBenoitが、送料をかけてまでも大東さんのブロッコリーを購入しているのか…美味しいからに他なりません。なぜ美味しいのか?自分が尊敬してやまない鹿庭さんの力を借りて詳細をブログに書き綴ってみました。

kitahira.hatenablog.com

 

 鹿庭さんとは誰?ということで、以前に彼をご紹介したブログをご案内いたします。お時間のある時にご訪問いただけると幸いです。このブログで登場する大西さんのキウィが、もしかしたら2月からのデザートに…

kitahira.hatenablog.com

 

2024年の干支「甲辰(きのえたつ)」のお話です。

 むかしむかしのこと、お釈迦様が動物たちに「新年の挨拶に赴いた順番を十二支にしよう」と語ったのだといいます。そこで、動物たちは我さきにと、お釈迦様の下へと馳せ参じることになる。己をよく知る牛は足が遅いことを理解しているため、前日からすでに出発します。一番先に門口(かどぐち)に到着するも、その背に乗っていた賢いネズミがひょいと先に門をくぐる。順を追ってぞくぞくと主役が到着する中で、犬猿の仲といわれる両者の仲裁に入ったがためにニワトリは10番目。猫はなぜ登場しないのか?猫はお釈迦様への新年の挨拶の日を忘れ、ネズミに聞いたところ2日だと。翌日に事実を知った猫は怒り、これ以降ネズミを追いかけ続けるのだとか。

 古代中国の賢人が「十二支」を周知してもらうため、それぞれの漢字に身近な動物をあてがったといいます。今年の十二支「辰」に、彼らは「竜」の意味をあてました。他の十二支には、馴染みの動物が姿を現すにもかかわらず、架空の動物「竜」とは?中国皇帝の象徴であるやら、存在を信じられていた動物であるなど諸説ある中で、何か「竜」である理由があるのではないかと思うのです。そこで、今年の干支「甲辰」を、語源辞典片手に読み解こうと試みます。※自分は占い師ではありません。

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20241Benoitは、ちょっと贅沢なシャンパーニュで始まる…

2012 Champagne Drappier Grande Sendrée

26,000(税込・サービス料別)

期間は、2024229()まで

※すでに特別価格でのご案内のため、Benoitのワイン割引はご利用いただけません。

 本数に限りがあるため、予約はお早めにご検討ください。ご予約はもちろん、何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。に自分へメール(kitahira@benoit.co.jp)か、もちろん電話(03-6419-4181)でもご予約は快く承ります。先にご案内しました「新春特別プラン」とご検討いただけると幸いです。

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GH Mumm メーカーズディナー開催決定!≫

 4年に一度の来たるうるう年の特別な一日、2月29日にG・H Mummシャンパーニュディナーを開催いたします。

 プレステージでもある 「Cuvée Lalou」はもちろん、日本人画家の藤田嗣治氏の名を冠した「Rosé Foujita」など、G・H Mummの真髄を感じられるラインナップをご用意。アンバサダーを務めるクリストファー・シュビヤー氏を迎え、大いにG・H Mummの魅力を大いに語っていただきます。

 を、Benoitで、5種類の豪華シャンパーニュとお食事と共にお楽しみ下さい。ご参加をお待ちしております。

GH Mummメーカーズディナー

開催日: 2024229()

時間: 18:30会場 19:00スタート

定員: 50名様 (相席をお願いする場合もございます)

料金: 22,000(サービス料/税込) ※お食事とワインを含みます。

 

ラインナップ

Grand Cordon / RSRV4.5 / Cuvée Lalou / Rosé Foujita / Ice Extra

 

ご予約はもちろん、何かご要望・質問などございましたら、自分へメール(kitahira@benoit.co.jp)で、何気兼ねなくご連絡ください。もちろん、電話(03-6419-4181)でも快く承ります。

 

≪さらなる高みをテーブルマナー講習会≫

 食事の席というのは、知っている人ばかりとは限らず、知らない人のときもある。そこは、栄養を摂る場所ではなく、語らいの場です。美しい所作が相手に共感を覚えさせる、そして内面からはなたれる品位品格が感動を覚えさせる。これが相手との距離を詰めることとになり、会話が弾む。そこに美味しい料理が加わることで「口福な食時」となる。知性あふれる言の葉が発せられる口が福を呼ぶのか、はたまた舌鼓(したつづみ)を打つほどの美味しい料理によって口中に福を感じるのか。この2つが相まったときの「ひととき」に、我々は幸せを感じるのではないでしょうか。

 其処彼処(そこかしこ)で開催しているテーブルマナー講習会であれば、自分は皆様へご案内することはありません。

 テーブルマナーを知っていても、「見初(みそ)むる」心地になる、そのような講習会のご案内です。

世界基準の一流を学ぶ 「テーブルマナー講座」

開催日: 2024210()/25() 318()/24() 427()

時間: 11:30より講義を始めます。 

11:10までにお運びください。終了予定は15時15分を予定しております。

料金: 20,000(サービス料/税込) 食事とワイン2杯を含みます。

※ 3月18日(月)開催のみ料金18,000円です。

※事前振込制です。ご希望の日程がございましたら、北平宛(kitahira@benoit.co.jp)にご連絡ください。質問なども喜んで承ります。この講習会に関しては、電話でのご予約は受け付けておりません。

 

 年始の羽田空港衝突事故は、奇跡ではなく日本航空添乗員さんの厳しい訓練の賜物です。しかし、多勢に無勢というもので、乗客の皆様のマナー無くして、今回のような乗客乗務員約380名が無事に脱出できることはなかったことでしょう。前半のテーブルマナー講座の中で、日本航空で35年間現場に立ち続けた吉門先生に少しだけ語っていただこうと思います。

 「飛行機事故に遭遇した場合、安全に機外に脱出するために知っておかなければならないこと」

 

北平のBenoit不在の日

kitahira.hatenablog.com

 

 バランスの良い美味しい料理を日頃からとることは、病気の治癒や予防につながる。この考えは、「医食同源」という言葉で言い表されます。この言葉は、古代中国の賢人が唱えた「食薬同源」をもとにして日本で造られたものだといいます。では、なにがバランスのとれた料理なのでしょうか?栄養面だけ見れば、サプリメントだけで完璧な健康を手に入れることができそうな気もしますが、これでは不十分であることを、すでに皆様はご存じかと思います。

 季節の変わり目は、体調を崩しやすいという先人の教えの通り、四季それぞれの気候に順応するために、体の中では細胞ひとつひとつが「健康」という平衡を保とうとする。では、その細胞を手助けするためには、どうしたらよいのか?それは、季節に応じて必要となる栄養を摂ること。その必要な栄養とは…「旬の食材」がそれを持ち合わせている。

 その旬の食材を美味しくいただくことが、心身を健康な姿へと導くことになるはずです。さあ、足の赴くままにBenoitへお運びください。旬の食材を使った、自慢の料理やデザートでお迎えいたします。

 

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最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。

一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。皆様のご健康とご多幸を祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com

2024年2月 「北平がBenoitを不在にする日」のご報告です。

 私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない2月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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 上記日程以外は、Benoitを優雅に駆け回る所存です。自分への返信でのご予約はもちろん、BenoitのHPや、他ネットでのご予約の際に、コメントの箇所に「北平」と記載いただけましたら、自慢の料理の数々を語りに伺わせていただきます。自分が不在の日でも、お楽しみいただけるよう万全の準備をさせていただきます。何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。

 

最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。

一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。末筆ではございますが、皆様のご健康とご多幸を、青山の地より祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com