気がつけば、蝉の諸声(もろごえ)が止んでいる…
夏の盛りには、けたたましく鳴き声を上げていた、アブラゼミにミンミンゼミ。原宿駅から表参道へ向かうと、朝から青空に響かんばかりに諸声を上げていました。あまりにも暑い日中などは、この声に辟易(へきえき)してしまうものですが、昨年のように8月になっても蝉の初音を耳にしないと不安に感じるものです。今年は、梅雨明けを待っていましたと言わんばかりに元気な声を上げていました。
この夏を代表するこの季節の声が、気づくと止んでいました。
蝉に限らず、自然に生きる動植物は、その機微を的確の捉え、危機・困難を乗り越えていくようです。これを、野生の本能と表現するのでしょう。蝉も、小雨程度では動じないですが、大雨を察知すると鳴くことを止め、どこかに避難するのでしょう。樹々の間から漏れ聞こえた蝉の声が、ふっと静まり返った時は、やりやれ静かになったと安堵する気にはなれず、得も言われぬ不安に襲われるもの。しかし、それも束の間、雨が上がり陽射しが戻ると、待ってましたと諸声が上がります。
もうすでに、陽射しに誘われることもなく、蝉の声が止んでいました。コロナウイルス災禍が猛威を振るう中でも、季節は巡り去ってゆく。蝉は我々に雨ではなく、秋の到来を教えてくれた気がします。虫たちの諸声は、蝉のけたたましさから、スズムシやコオロギの涼やかな声へと引き継がれています。
≪初秋特別プランのご案内です。≫
草木の花々は移りゆく季節の機微を捉え、順を追って咲き誇るもいずれは散りゆきます。食材も同じように「旬」という期間は限られたものであり、「待つ」という優しさはありません。そこで、全ての旬食材は無理でも、Benoitに少しだけ顔を向けてくれた食材で、「口福な食時」ひとときをお過ごしいただきたく、「初秋特別プラン」と銘打って、皆様にご紹介させていただきます。
~ 初秋特別プラン ~
期間:土日を含めた2021年9月30日(木)まで
ランチ: 前菜x2+メインディッシュ+デザート
6,000円→5,000円(税込/サービス料別)
ディナー: 前菜x2+メインディッシュ+デザート
8,600円→6,800円(税込/サービス料別)
~ 営業時間のご案内 ~
ランチ: 11時30分から15時30分 (14時00分 ラストオーダー)
ディナー: 17時00分から20時00分 (19時00分 ラストオーダー)
※当面の間、昼夜ともに酒類提供を中止させていただきます。
≪ご友人やご家族で、Benoitの個室を貸切りませんか?≫
季節と同じように、誕生日や結婚記念日などの大切な記念日も巡ってきます。まして、結婚その日や還暦の日ともなると、人生の中では替えが利かないものものです。しかし、このコロナウイルス災禍下では大人数で集まることが憚(はなか)れるものです。そこで、個室を貸切っていただき、ご家族や仲間内で少人数のパーティーを楽しまれませんか?
Benoitの窓越しに西新新宿に眺め、美味しい料理に舌鼓をうち、ご家族ではたまた気心知れた仲間内で、騒ぐではない「語らい」のひとときを過ごしていただきたいと思います。秋の陽射しが射しこむランチもよし、夜の帳(とばり)が下りてゆくディナーもよし。平日はランチとディナー、土日祝日はディナーのみ、Benoitの個室貸切プランのご案内です。
~ 平日はランチ&ディナー/週末ディナー限定! Benoitの個室を貸切りませんか? ~
皆様が気になる価格: 営業補償ということで5万円(税込/サービス料別)!
期間: 9月30日(木)までのディナー限定
ご利用人数: 2名様より承ります。下記画像の少し大きめの個室なため、人数が多い場合はご相談させてください。
お時間: ランチは11:30~15:30まで (14:00 LO)
ディナーは17:00~20:00まで (19:00 LO)
ご予約はもちろん、何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなく北平までお問い合わせください。このメール(kitahira@benoit.co.jp)への返信、電話でも喜んで承ります。
ここで、ポイントとなる「営業補償」を説明させていただきます。営業補償料金はお部屋代ではなく、ご飲食代とお考え下さい。そのため、人数やご注文の量によっては、5万円を超えることになります。極端な例として、10人であればお一人様5,000円で、貸切ご飲食が可能ということではございません。料理の価格はいつものメニューと変わりません。
ランチでは、10,000円、ディナーでは15,000円をお一人様のご予算の目安にしていただけると、お飲み物も含めてお楽しみいただけます。もちろん、飲み物は少しで良いというのであれば、お一人様ご予算は下がります。全ての合計金額が、営業補償の金額以上となるよう、皆様にお願いさせていただきます。
≪「今宵はBenoitで!」 Benoitをまるまる貸切りませんか?≫
オリンピックは、Benoitが現状に甘んじることなく、倦(う)まず弛(たゆ)まず努力し続けねばならないことを教えてくれました。時間に制限はございますが、広々としたBenoitを全て貸切っていただき、悠々自適な「口福な食時」のひとときをお過ごしいただきたいと思います。
~ 平日ディナー限定! 今宵はBenoitで!まるまる貸切りませんか? ~
皆様が気になる価格: 営業補償ということで15万円(税込/サービス料別)!
期間: 9月30日(木)までの平日ディナー限定
ご利用人数: 人数は問いません。
お時間: 17:00~20:00まで (19:00 LO)
ご予約はもちろん、何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなく北平までお問い合わせください。このメール(kitahira@benoit.co.jp)への返信、電話でも喜んで承ります。
※あまりにも閑散とした雰囲気を回避するため、お食事のテーブル以外も通常のテーブルセットをさせていただきます。
La viande fait la chair, le pain fait le ventre et le vin même la danse.
「肉料理は体を作り、パンは空腹を満たし、ワインはダンスを踊らせる。」
旬の食材は、美味しく栄養抜群であるばかりで、我々を「待つ」という優しさを持ち合わせておりません。そこで、旬食材でこしらえた美味なる料理でお腹と心を満たし、レストランなので踊る(ダンス)ではなく、「心躍(こころおどる)る心地」なひとときをお楽しみください。
≪季節のお話 「立秋があるからかこそ気になる一首」≫
「涼しさ」というものを、体感的に感じるのか、実際の気温で感じるのか。冒頭で勝手な持論を書いてみましたが、なかなかに説得力があるのではないでしょうか。そうすると、同じ「涼しさ」という言葉でも、思い浮かぶ風景は少しばかり変わってきます。こう考えながら、藤原季経(すえつね)の一首を詠(なが)めてみると…つい気になってしまいます。季経が詠(うた)ったのは、「立秋」の前?それとも後?
≪9月お勧め料理「エイヒレのグルノーブル風」のご紹介です。≫
エイヒレとはその名の通り「エイの鰭(ひれ)」です。北日本で「かすべ」として親しまれている食材ながら、まだまだ周知されるにいたっておりません。しかし、フランスではエイヒレは馴染みの食材であり、ビストロでは欠かすことができません。。伝統料理として確固たる地位を確立している、「グルノーブル」というスタイルとは、いったいどのような料理なのでしょうか?
フランスのビストロ料理として欠かせない「エイヒレのムニエル」。我々日本人には馴染みのない食材である「エイ」、それがグルノーブルという調理スタイルで仕上げた逸品は、美味しいからなのでしょう、今なお多くの人々に愛され続けられている料理です。そもそも、グルノーブルとは何を意味しているのでしょう。そして、どうしてエイなのでしょう。皆様、気になりませんか?
≪特選食材「六条大麦」を使ったお勧め料理のご紹介です!≫
六条大麦の国内シェア約3割を有し、堂々たる全国1位の生産量を誇るのが福井県。6月初旬に麦秋を迎えた「六条大麦」がBenoitに届いています!さあ、この栄養価満点に旬の食材を、Benoitではどのような料理に姿を変えるのでしょうか?
≪季節のお話 「言の葉はあはれおよばぬ撫子の花」≫
平安時代の美的理念を表現する言葉に、風情がある、趣きがある、美しい、というような意味の「をかし」というものがあります。清少納言は、随筆「枕草子」の中でこの「をかし」をランク付けするように紹介していいます。その中で、「草の花は撫子(なでしこ)」と彼女は書き遺しました。
自分の「言の葉もあはれおよばぬ」ものですが、知っているようで知らないナデシコの花をご紹介させていただきます。
≪晩生のピーチ・メルバを楽しまずして、9月は終われません!≫
晩生(おくて)の桃を使ったデザート「ペッシュ・メルバ(ピーチ・メルバ)2021」をご案内せずして、自分は10月を迎えることはできません。そうなのです、皆様!このデザートの美味しさを楽しまずして、9月を終えることはできません。
≪ピーチ・メルバ2021の全貌を公開!≫
どれほど美味しいのかお伝えることはできませんが、どうしても皆様に2021年版ピーチ・メルバをお勧めしたく、自分の持ちうる言の葉を使い、それぞれのどのような「葉(パーツ)」であるのかを説明させていだきます。皆様には、それぞれの「葉(パーツ)」を知っていただき、どのような「樹(デザート)」であるかをご想像いただけると幸いです。
≪岐阜県の飛騨もも「亀山果樹園」のご紹介です。≫
今回の訪問先は、高山市の南に位置している久々野町に居を構える「亀山果樹園」さんです。標高750mの高冷地の大自然の中に2.5haの園地を有し、今は二代目園主の亀山忠志さんが陣頭指揮を執っています。甘く香り高い高品質の果実を皆様へお届けすべく、研鑽に励む日々。どのような果樹園なのか、少しばかり岐阜県を観光するようにご紹介させていただきます。
≪北平のBenoit不在の日≫
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない9月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。緊急事態宣言如何によって変更の可能がございます。ご不便をおかけいたしますが、ご容赦のほどなにとぞよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。
今年の辛丑が始まりました。その「辛」の字の如く優しい年ではないかもしれません。しかし、時は我々に新地(さらち)を用意してくれている気がいたします。思い思いの種を植えることで、そう遠くない日に、希望の芽が姿をみせることになるでしょう。
「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。そう遠くない日に、マスク無しで笑いながらお会いできる日が訪れることを願っております。皆様のご健康とご多幸を、一刻も早い「新型コロナウイルス災禍」の収束ではなく終息を、青山の地より祈念いたします。
ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬