2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧
コツコツコツ… 子供たちの楽し気な声が響く公園の中で、片隅の木立に立っていると、熟練の大工さんが細い木槌で樹を連打してるかのような音が耳に入ってきました。この澄んだ音色は、金属と金属が当たる音ではありません。いったい何の音なのか、意識して耳…
今から11年のさかのぼった2009年頃のこと。フランスで「Best of Chef」シリーズのレシピブックが刊行されました。10€という価格ながら、詳細な解説に幾枚もの写真が、素人の自分でも作れるのではないかという錯覚へと陥れる。1刊目は、BOCUSEさん。3刊目はRO…
コツコツコツ… 子供たちの楽し気な声が響く公園の中で、片隅の木立に立っていると、熟練の大工さんが細い木槌で樹を連打してるかのような音が耳に入ってきました。この澄んだ音色は、金属と金属が当たる音ではありません。いったい何の音なのか、意識して耳…
日本の四季は風にのってやってくる。この齢(とし)になって、少しばかり理解できるようになってきた気がします。秋晴れの昼下がり、心地良く吹き抜ける「涼風(すずかぜ/りょうふう)」に癒される。夕暮れともなると、肌寒さを覚える「冷風」となり、我々を得も…
たづねみる ふもとの里は もみぢ葉に これよりふかき 奥ぞしらるる 藤原俊成 日ごとに届く、北からの紅葉のお知らせ。都内ではまだまだと思いきや、ニシキギが鮮やかな紅葉の姿を見せてくれていました。周囲の樹々の葉が色濃い緑な上に低木なので、群を抜い…
秋の野に 人まつ虫の 声すなり われかと行(ゆ)きて いざ訪(とぶら)はむ 詠み人しらず 古人は、秋の音色を奏でるバッタのことを「虫」と表現しています。コオロギを筆頭に、マツムシやスズムシ、そしてキリギリス。どの虫がコオロギなのか?マツムシなのか?…
秋ふくは いかなる色の 風なれば 身にしむばかり あはれなるらん 和泉式部 朝晩の涼やかな風は、秋の訪れを実感させてくれます。この心地良く吹き抜ける涼風に何色を見出したのでしょうか。その風が心に染み入るようで趣深いものです、と和泉式部は書き記す…