2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧
思ひやれ 真柴のとぼそ おしあけて ひとりながむる 秋の夕ぐれ 後鳥羽院 和歌に対する造詣が深く、同時代に藤原定家という天才に恵まれたこともあり、勅撰和歌集の編纂の勅令を下しました。この英断によって、優美を極めた「新古今和歌集」が今に遺ることに…
「景色」とは、四季を感じる自然景観のことだと、語源辞典「漢辞海」が教えてくれます。その中で、釈名(しゃくみょう/古代中国の賢人が書き遺した語源辞典)では、「景」とは「境である。明るく照らす場所に境限(=かぎり)があるから。」という。境限があるか…
万葉集の中に記載されている山上憶良の名句が、当時の野に咲き誇っている秋の花が何であるかを教えてくれます。そして、人々はこれぞ「秋の七草」だと賞賛したのです。 秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花 萩(はぎ)の花 …
旬の食材には、いま我々が欲している栄養に満ち満ちています。その食材を美味しく食べることで、人は笑顔になり「口福な食事」のひとときとなります。そして、その笑顔は体の内側から湧き出でる力となり、我々をウイルス災禍から守ってくれることでしょう。 …
萩の葉に かはりし風の 秋の声 やがて野分の 露くだくなり 藤原定家 2020年9月22日に「秋分」を迎え、朝晩の涼しさが増してきたように思います。今年の中秋の名月(旧暦8月15日)は、10月1日にあたるそうです。そう考えると、今は旧暦8月の最中(さなか)という…
7月になると問い合わせが入るBenoit東京の「魚のスープ」。マルセイユの代表料理ですが、Benoitではドロドロしいというよりも滑らかに仕上げています。「魚介」ではなく「魚」のスープは、ワインを使用せず、魚本来の美味しさを引き出す。エビ・カニ・貝類を…
行く先も まだ遥かなる 山みちに まだき聞こゆる ひぐらしのこゑ 藤原輔伊(すけただ) 山道を歩いていると、目的地にはほど遠いにもかかわらず、早くもヒグラシの声が聞こえてきたではないか。ヒグラシの寂しい声が山間に響き渡る。かなかなかな…独特の澄んだ…
長々と書いてきた今回の旅物語も、いよいよ後編です。香川県は歴史深い地だけに、多くの史跡や伝説があり、さぬき市に限定してみても、伝えきれるものではありませんでした。飯田桃園さんのご紹介でも登場した「讃留霊王(さるれいおう)」の「悪魚退治伝説」…
県道3号線「志度山川線」は、海のほど近い「志度寺」から、香川県を縦断するように内陸を南下してゆきます。讃岐平野の特徴でもある、点在する丘陵や里山の数々。そのため、この県道は、時おかずして右の雲附山(くもつきやま)と、左の石鎚山(いしづちさん)の…
香川県高松市の高松駅から高徳線へ乗り込もうと思います。この路線は、高松港から離れるように南西へ向かうも、古墳群の点在する石清尾(いわせお)山塊の麓(ふもと)に稜線に従うかのように向きを変え、進路は東に。 この山塊の東の麓には、約75haの面積を有す…