kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

特選食材

2022年10月11月 Benoitに集うキノコいろいろを前菜でいかがですか?

秋の味覚の代表ともいえる「キノコ」。ここまで国産の食材にこだわりを見せながら、どうしてフランス産を購入するのか?シイタケやシメジにように、風味豊かな個性的なキノコが国産にはあります。ことフランス料理との相性となると、どうしてもフランス産に…

2022年10月11月 Benoitの秋は栗で始まる…

秋を代表する食材の中で、料理とデザートで主役を担うことのできるものとして、和洋を問わず筆頭に挙がるのが「栗」でしょう。栗なる木の実を大きく分類すると3つに分けることができ、それぞれに美味しさが異なります。天津甘栗などで有名な「中国栗」、マロ…

2022年10月11月 Benoitお勧め料理「天草産真タコ」を少しでも多くの方に!可能な限り延長します

「タコの産地といえば?」という問いに、真っ先に思い浮かぶのが兵庫県の明石(あかし)ではないでしょうか。高品質なうえに、水揚げ量が日本一を誇ります。これほどのタコ銘産地でありながら、存亡の危機に晒された時がありました。今から50年以上も前のこと…

2022年夏 Benoitの特選食材「桃の時期の終わりを迎えて…」

かつて、野を分けんばかりの台風のことを「野分(のわけ)」と呼ばれていました。人が抗(あがら)うことのできない自然の猛威に加え、いつ来るとも分からない情報の無さは、古人をどれほどの恐怖へと陥れたことでしょうか。 今は天気予報の精度があがり、台風の…

2022年夏 Benoitの特選食材「桃についてつらつらと」

往古(おうこ)、古代中国では東西に仙境があると信じられていました。東の蓬莱(ほうらい)山と、西の崑崙(こんろん)山。この西の仙境に住んでいたのが西王母(さいおうぼ)と呼ばれている仙女最高位の神様です。この西王母は、崑崙山で不老長寿の桃を栽培してい…

2022年夏 Benoitの特選食材≪桃≫ 「山形県の滝口果樹園(タキグチフルーツガーデン)さん」のご紹介です。

桜前線と同じように、桃前線も北上してゆきます。Benoitが桃を購入させていただいている北限は山形県です。仙台市から国道48号を西へ西へと向かい、山形盆地に入ったところに将棋の駒で有名な天童市があります。標高はゆうに240mを超えるこの地で、滝口亮輔…

2022年夏 Benoitの特選食材≪桃≫ 「岐阜県の亀山果樹園さん」のご紹介です。

「飛山濃水(ひざんのうすい)」とは、見事なまでに岐阜県の地形を言い当てています。往古、彼の地には美濃と飛騨という2国があり、これが合併して岐阜県となります。もともと2国だったということは、あまりにも自然環境が違うことを示唆しているのでしょう。 …

2022年夏 Benoitの特選食材≪桃≫ 「香川県の大西さん」のご紹介です。

いく先も まだ遥かなる 山みちに まだき聞こゆる ひぐらしのこゑ 藤原輔尹(すけただ) この話を書きながら、ふっと思い浮かんだのがこの歌でした… シェフの力量はメニューに、ソムリエの実力はワインリストに、八百屋さんは取り扱っている野菜や果実に表れる…

2022年夏 Benoitの特選食材≪桃≫ 「熊本県の西川農園さん」のご紹介です。

「どうやって各地の食材を探してくるのですか?いつ現地に行っているのですか?」 皆様からこうよく質問をいただきます。確かに、ほぼほぼBenoitにいる自分が、地方へ赴くことは不可能であることを、皆様は知っているからこその問いなのでしょう。 皆様が驚…

2022年夏 Benoitの特選食材≪桃≫ 「和歌山県の豊田屋さん」のご紹介です。

悠久の時の流れを遡り、日本で最初に登場したであろう国家らしき「邪馬台国」。小学校で学ぶ日本の歴史に登場するこの名称を、知らない人はいないのではないでしょうか。いまだ謎のベールに包まれ、いったい日本のどこにあったのかすら、未解決。その有力候…

2022年6月7月 Benoit「特選食材」と「お勧め料理」のご案内です。

都会の喧騒の中でも、草木の花々は移りゆく季節の機微を捉え、順を追って咲き誇るもいずれは散りゆきます。今の時期では、ドクダミやアジサイ、甘い香りをはなつクチナシの花が、夏本番を迎えるまえの梅雨時期であることを我々に教えてくれます。そして、食…

2022年5月Benoit 惜春の想いを込めて≪特別プラン≫と≪迎えし食材≫のご案内です。

散る花の あかぬなごりの なぐさめに 心うつれと さける山吹 藤原宣子(せんし) 桜の開花期間は、一年との中でほんの1週間ほどのこと。今ではすっかり葉桜となり、花笑う姿は遠い過去の事のように思えるもの。強く待ち望むからこそ、散りゆく姿に虚しい寂しさ…

2022年4月5月 Benoit特選食材「熊本県の不知火と天草の柑橘いろいろ」のご案内です。

「柑橘」とは何とも便利な言葉で、食材としても大いに想像がしやすいものです。とはいえ、多種多様な姿に加え、味わいの違いがあるものです。少しばかり学術的な観点から分類してみると、柑橘属(ミカン属)の中に、ミカン類、オレンジ類、グレープフルーツ類…

2022年4月5月 Benoitお勧めデザート「イチゴ≪紅ほっぺ≫とバジルのヴァシュラン」のご紹介です。

Benoitのデザート年間スケジュールの中で、欠かすことのできない食材が3つあります。夏の「桃」に秋の「和栗」、そして春の「イチゴ」です。それぞれの時期になると、その食材の名前が其処此処に掲げられるため、皆様にはさほど驚きはないかと思います。今の…

2022年4月5月Benoit ≪花より団子特別プラン≫と≪限定シャンパーニュ≫さらに≪お勧め料理≫のご案内です。

3月中旬ごろだったでしょうか、神奈川県に住んでいらっしゃる方からメールをいただきました。ご予約希望の文面の中に、このような一文が、「先週末くらいから、まだ遠慮がちですが鶯(うぐいす)が鳴いてます。」と。 谷の戸を あけてやきつる 鶯の まだ里なれ…

2022年4月5月Benoit 「エイヒレとグルノーブルとの出会い」を調べてみました。

Aile de RAIE à la grenobloise, épinards juste tombés フランス産エイヒレのムニエル グルノーブル風 ほうれん草 2022年4月5月と月をまたぎ、ランチ・ディナーともにプリ・フィックスメニューの「シェフのお勧め」の枠内に名を連ねるメインディッシュです…

2022年3月Benoit 「北海道のサクラマスと佐賀県のグリーンアスパラガスがBenoitで出会う!」

北海道の雄大な河川で生まれた稚魚が、1年ほど母なる川で育まれた後に、川を下り大海原へと泳ぎ進みます。この時、川に居残る河川滞在型と海に向かう降海型に分かれるのです。サクラマスは降海型であれば、この種の滞在型はヤマメと呼ばれます。どうゆう理由…

2022年3月 Benoit特選食材「岩﨑農園の瀬戸内レモン」のお話です。

「Benoitでレモンは必要ない?」 自分が担当したテーブルのお客様のこの一言から、自分の柑橘への取り組みが始まったといっても過言ではありません。彼女は都内でパンの先生をしており、実際に彼女が使用している瀬戸内レモンが美味しいので、紹介させてほし…

2022年2月3月 Benoitお勧めデザート「瀬戸内レモンのタルト」のご紹介です!

広島県の大崎上島(おおさきかみじま)の風土は、瀬戸内海ならではの温暖な気候に加え、北の中国山地、南の四国山地が強風を妨げています。さらに、島ならではの穏やかな浜風や海面の照り返し。この風土で健やかに育まれた農産物は、間違いなく美味しいでしょ…

2022年2月 Benoit「迎えし初春(2月1日から)のお特選食材/料理」のご案内です。

コロナウイルス禍によって、我々の日常が停滞したとしても、季節は巡り去ってゆきます。各季節には、旬を迎える食材があり、我々を待ってくれるという「優しさ」は持ち合わせていません。旬の食材でこしらえた料理の数々は美味しいばかりではなく、いま我々…

2022年1月 Benoit「去りゆく(1月31日までの)晩冬お勧め料理/デザート」のご案内です。

風が季節を導き、彩りばかりではなく、喜怒哀楽をも表願しているかのような美しい「風景」を我々に見せてくれます。そして、四季折々の風は国内各地方にその地ならではの「風土」を作り出すことになる。その多様な「風土」で育まれた食材は、同じ野菜であっ…

2022年1月 Benoit特選食材「薫農園さんのブロッコリー」のご紹介です。

今回は自然の機微に依り従いながら、丹精込めて野菜を育て上げている一人の女性、香川県香南(こうなん)町「薫る農園」の園主、河田薫さんのご紹介です。 「うふふ」と、園芸を楽しむとはわけが違い、農作業という力仕事をこなし、自らが園主としいて切り盛り…

2021年10月11月 Benoit≪特選食材≫のご案内です。

ゆく川の 流れは絶えずして しかも もとの水にあらず ~方丈記~ 鴨長明 時の流れもまた絶えることはなく、毎年のように季節は巡ってくるものの、今年の秋は昨年の秋ではありません。そして、「旬」もまた過ぎ去るのみで、待ってくれるという「優しさ」を持…

2021年9月Benoit 晩生のピーチ・メルバを楽しまずして9月は終われません!

絵にかきて おとるのみかは 言の葉も あはれおよばぬ やまとなでしこ 松永貞徳 絵で花の美しさを表現することに加え、言葉でもまったく実物には遠く及ばない…おっしゃる通りでございます。言葉巧みに料理以上に過剰表現をしてしまうと、それは詐欺師というこ…

2021年9月Benoit 岐阜県の飛騨もも「亀山果樹園」のご紹介です。

秋ちかう 野はなりにけり 白露の おける若葉も 色かはりゆく 紀友則 秋を迎えようとする晩夏、早朝に涼しさが増すことで白露が落とすその若葉も色衰えてゆく。と、秋の野を美しく詠んだものかと思いきや、深い言葉遊びが隠されていました。すでにご存じの方…

2021年9月 Benoitお勧め料理「エイヒレのグルノーブル風」のご紹介です。

残暑お見舞い申し上げます。 まだまだ暑い日々が続きますが、朝晩は思いのほか風に涼しさを感じるものです。そういえば、この「涼しい」やら「涼風(りょうふう)」というのは、夏の季語になっています。そして初秋ともなると、「初涼(しょりょう)」や「新涼(…

2021年9月 Benoit「エイとグルノーブルとの出会い」を考えてみました。

Aile de RAIE à la grenobloise, épinards juste tombés フランス産エイヒレのムニエル グルノーブル風 ほうれん草 2021年8月9月と月をまたぎ、ランチ・ディナーともにプリ・フィックスメニューの「シェフのお勧め」の枠内に名を連ねるメインディッシュです…

2021年8月 Benoit「六条大麦」を使ったお勧め料理のお案内です。

残暑お見舞い申し上げます。 「立秋」を迎えたからこそ、なにかと「秋」を探してしまうもの。しかし、まだまだ暑い日々が続く中で、なかなか秋の風情には出会えないものです。「秋は名ばかりか…」と思いつつ、けたたましく耳に響く蝉時雨(せみしぐれ)に導か…

2021年8月 Benoit特選食材「福井県特産 六条大麦」のご紹介です。

「福井の麦秋は過ぎ、おかげさまで刈取りも6月頭に終わりました。」と、株式会社大麦俱楽部の重久弘美さんのメッセージをいただきました。立秋を迎えたものの、秋(季節)はいまだ感じませんが、麦の秋(実り)はすでに収穫を終えてます。そう、新米ならぬ「新麦…

2021年7月 Benoitお勧め料理「清流美どりのバスケーズ」のご紹介です。

暑中お見舞い申し上げます。 連日のように猛暑な日々が続きます。暑いからこそ夏であり、夏が暑いからこそ秋が待ち遠しい…とは思うものの、この暑さは度を越しているでしょうか。外出の際は、木陰での休息も良いものです。心地よい風を感じながら顔を上に向…