kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

「妖怪眼鏡おやじ」誕生秘話

 Benoit「妖怪眼鏡おやじ」とは、知る人ぞ知る自分のニックネームです。子供の頃に…ではなく、2009年Benoitでのお話です。

 Benoitシェフが自らの思いのたけをこれでもかと詰めこんだ料理。最高の味わいのマリアージュを最高の品質で皆様のテーブルへ届ける、だからこそシェフ自らがキッチンの陣頭指揮を執る。独特の緊張感みなぎるこの空間は、多種多様の音に満ちているにもかかわらず、ある種の静寂感を感じる。時に怒鳴り声があがり、各ポジションからは仕上がるまでの所要時間を伝える数単語が連呼される。全てをまとめ、一つの作品に仕上げるシェフは、まさにオーケストラにおける指揮者そのものだ。一部の隙も許さない彼の料理スタイルに、畏敬の念をもつスタッフが集う。

 その日は、どんよりとした雲が厚く空を覆い、今にも雷雨となりそうな夜でした。シェフががデシャップ台(キッチンとサービスサイドを隔てる仕上がった料理を置く台)の前に立ち、つぶやいた…「何か、不穏な、気味の悪い・・・妖気を感じる・・・」。ただならぬ違和感を感じつつも、シェフはこれでもかという逸品を仕上げていく。まわりもシェフの一言に、動じることはない。さすが、シェフ率いるプロ集団だ。料理を盛り付けている、まさにその時、シェフは背後に、これまでにない妖気を感じ取った!何者だ?恐怖を感じつつも、キッチンを治める者としての使命からなのか?それとも興味本位からなのか?シェフは振り返った。

そこにいたのは、自分だった。

シェフはささやいた、「でたな、妖怪眼鏡オヤジ・・・」

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 ビストロBenoitは、ラ・ポルト青山というビルの10階と11階の2フロアを占有しています。皆様の入り口は10階で、階段上がって11階のお食事スペースに移動します。10階はほとんどをキッチンが占めているという構造なのです。そのため、サービスとキッチンとの間には、思いのほか気持ちの距離があるのです。皆様からオーダーを取っているようなサービススタッフが、キッチン前に行くことは、ほとんどないのです。今回のように自分がキッチン前に行くということは、確かに何かあったからこそキッチンへ出向いているのですが、妖怪は発していませんが、この一言「妖怪眼鏡おやじ」が誕生したのです。この名付け親こそ、今はBeige AlanDucasse東京で辣腕を発揮している、小島シェフです。

  かつて、小島シェフが困ったとき、「妖怪パワーでなんとかしてくれよ」と託されることも・・・しかし、妖気で何かできるわけでもなく、そもそも陽気はあるが妖気はない。もちろん何も解決しないことは言うに及ばず。この時にわかったことは、小島シェフは「人にニックネームをつけるのが得意」ということ。この特技は子供の時からのようです。そう次にニックネームつけられるのは、あなたかもしれない!