kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

Benoit特選情報「2月ダイジェスト版」のご案内です。

 「木」へんに「冬」を添えると、「柊(ひいらぎ)」。一年中、緑濃く美しい葉が生い茂る常緑小高樹。ギザギザの葉と、その先端にあるちくりとするほどの棘の様な歯牙が、あまりにも特徴的でしょうか。そのため、防犯目的で垣根に植栽している方も多いと聞きます。多くの草木は、花を咲かす頃が季語となっているのですが、柊の花がなかなか珍しく、見かけたことがある方が少ないのでないでしょうか。いつ花開くか?ヒイラギの漢字が教えてくれるように、立冬のあたり11月前後です。そのため、柊の花の季語は初冬です。

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 柊の花が散って久しい今に至り、なぜ話題として取り上げたのか。2月3日の「節分」ですよ、皆様。柊の枝にイワシの頭を刺した「柊鰯(ひいらぎいわし)」。これを門戸に飾り、邪鬼を追い払う。今ではあまり見かけないですが、昔ながらの風物詩です。柊は「鬼の目突き」とも呼ばれ、なにやら神聖な想いが込められている樹のようです。純真無垢な子供たちが、親から伝え聞いたこの鬼退治の話を信じ、保育園や幼稚園で鬼と対峙する。「赤鬼や青鬼をこの葉で追い払うんだ」と真っ先に名前を覚えたこの樹を手に、果敢にも鬼に挑むも、あまり恐怖に涙をこぼしながら逃げ惑う節分の日。

 さて、先日迎えた「節分」は、季節の分岐点ともいうべきもので、年に4回存在します。天では、前に季節から次の季節への引継ぎが行われていうのでしょう。強烈な寒波に覆われ、都内でも降雪がありました。季節の引継ぎの最中だからこそ、不安定な天気になる。人間も季節の変わり目は健康を崩しやすいといいます。体の中で行われる季節に対応する防御力が不安定な天気ゆえに脆弱になってしまう。そこで、古人は全ての「節分」の頃に、注意喚起を促す意味も込め、「邪鬼が姿を現す」としたのでしょう。

 前述した「柊鰯(ひいらぎいわし)」も、「豆まき」も効果のほどは分かりません。しかし、「病は気から」という通り、気の持ちようで、多少なりとも避けることのできるものもあります。災いを招く鬼が来る、天候も体調管理も不安定な時期だからこそ、普段以上に気を付けなさい、そう先人は教えてくれているのです。科学的に何か証明できるわけではありません。ただ、全てが科学で証明できるわけではありません。ここはひとつ、童心に還るように柊を眺めてみてはいかがでしょうか。其処彼処で、庭木に、垣根に柊を植えている光景を目にします。植樹を決めた家主は、柊に防犯というよりも、きっと「邪鬼祓い」の想いを込めているはずです。

 このような想いの詰まった柊を探しながらの散策も一興ではありませんか。しかし、前述したように、不安定な天気に加え、寒暖の差が知らず知らずのうちに体力を奪ってゆくものです。十分な防寒対策をお忘れなきように。そして、寒さが身に染み入った際には、Benoitへ。病は気から、健康は食事から。旬の食材を使った自慢の料理の数々で、皆様をお迎えいたします。気の赴くまま、足の赴くままに、Benoitへ。万全の準備をもってお迎えいたします。

 

 2月3日の節分までが「寒中」、翌日は「立春」で暦の上では春が始まりました。寒が明けたとはいえ、まだまだ寒さが厳しい時期です。四季を愛する日本人気質とでもいうのでしょうか、手紙でのご挨拶では「寒中お見舞い」から、「余寒お見舞い」へ。三寒四温といわれる時期です。まだまだ続く寒さと上手にお付き合いいただきながら、旬を迎える食材を食することで、無事息災に春を過ごしていただきたい。旬の食材には、人が必要としている栄養に満ちています。そして、人の体は食べのものでできている。この想いを込め、Benoitの2月のダイジェスト版を、いまさらですが、作成いたしました。皆様にご紹介したい内容は、以下の15件です。

「特選食材/料理/デザート」のご案内 13件

「ミュージックディナー」のご案内 1件

「余談」 1件

 

≪フランスから黒いダイヤモンド「黒トリュフ」、削り納めのご案内です。≫

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 2019年新春を飾るBenoitの特選食材は、フランスから届いた黒いダイヤモンド、「黒トリュフ」です。独特の風貌に似合わず、シャリシャリとした食感と、何物にも代えがたいあの芳醇な香り。高級食材としての不動の地位を確立している所以が、ここにあるのでしょう。

 そこで、旧年より皆様から賜りましたご愛顧に感謝の気持ちを込め、Benoitの新春恒例イベント「フランス産黒トリュフの破格値での量り売り」を開催いたします。いつものプリフィックスメニューよりお好みのお料理をお選びいただき、目の前でご希望の分量(多少の誤差はお許しいただきたい)の黒トリュフを、160/1g(215日の販売価格)で削らせていただきます。参考までに、3gで十分堪能できるかと思います。可能な限り継続いたしますが、なにぶん農作物なので、ご予約の日程次第では、ご用意できない可能性もございます。ご理解のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。

 

Benoit伝統の逸品、「Notre PÂTÉ EN CROÛTE (パテ・アン・クルート)」が復活です。≫

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 「Benoit Paris」が、フランス で開業したのが107年前のこと。時代に翻弄されながらも、いまだ老舗の雰囲気と味わいは健在です。同じ名を冠する「Benoit東京」の歴史はまだまだ足元には及ばないものの、味への訴求に妥協はありません。本家のパリBenoitに習い、フランスの伝統を昇華させることを日々心掛けております。

2019年、待望の「Notre PÂTÉ EN CROÛTE (パテ・アン・クルート)」が復活いたしました。鶏・鴨・豚・仔牛肉、豚の背油、フォアグラにトランペット・ドゥ・ラ・モー(きのこ)を、食味良く丁寧に合わせ、生地で包んでゆっくりと焼き上げたものです。それぞれの奏でる味わいを、曖昧にならないよう心明けることで、口に運ばれるパテは、一口一口と表情を変えていきます。さらに、熱を加えることで肉よりしみ出でる旨みの肉汁を、生地が逃さないよう包み込む。これぞ、パテ・アン・クルートの最大の特徴でしょう。

プリ・フィックスメニューの前菜の選択肢の中で、ランチ+1,000円、ディナー800円にてお選びいただけます。

 

≪下関唐戸市場の「トラフグ」が、美味しすぎるので2月末まで延長です。≫

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 山口県下関を代表する海の食材は、異論の余地なく「トラフグ」です。美味なる食材であるにもかかわらず、随所に猛毒をもつため、日本人ですらうかつに手を出せない食材。シェフのセバスチャンに話を聞いたところ、地中海でもフグは生息しているようですが、「フグには猛毒がある」ことが周知されているため、調理されることはないようです。確かに、フレンチではきいたことがありません。

 今回、下関の唐戸市場に昭和24年に創業したフグの老舗「道中」さんによって競り落とされた鮮度の良いトラフグを、道中さん率いるフグの職人チームに捌いていただき、「身がき」の状態でBenoitに送っていただきます。これをシェフが「グジョネット」という揚げ物のようなスタイルに仕上げ、皆様のテーブルへ。フグの味わいを生かすように改良したタルタルソースとの相性は抜群。それと、トラフグの骨より引き出したコンソメスープもまた美味なり。和食とは一味も二味も違うトラフグの魅力を、Benoitを通して皆様にお楽しみいただこうと思います。

 ふぐ物語の第一話「下関よりふく来たる」をはてなブログにて公表しております。お時間のある時に、以下のURLよりご訪問いただけると幸いです。第一話?そう、只今第二話「唐戸市場物語」を執筆中、ご期待ください。

kitahira.hatenablog.com

 2019年2月末までの期間、プリ・フィックスメニューの前菜の選択肢の中で、ランチ+2,000円、ディナー1,500円にてお選びいただけますが、ブログにて特別価格をご案内しております。唐戸市場より直送するため数に制限がございます。そこで、ご希望の場合は、ご予約の際に「トラフグの前菜希望」とお伝えいただけると幸いです。Benoit史上初、いやアランデュカスグループで初となる「フレンチでフグ」の逸品をお楽しみください。

 

≪千葉県保田漁港より「ナナメノヒラメ」が直送されています。≫

 千葉県房総半島の先端から、少し内房に入ったところに「保田漁港」があります。東京湾への入り口に位置しているため、内房外房の豊かな漁場から、網で巻き上げられた魚、釣り上げられた魚と多くの種類が集められています。その中から、今回皆様にご紹介する魚は「ヒラメ」です。

 日本最大の漁獲量を誇る北海道が群を抜いていますが、千葉県は第6位と、なかなかの好位置に名を連ねます。房総半島の内房外房と最高の漁場に恵まれ、さらに都心に近いことで鮮度が抜群。その千葉県で、Benoitが白羽の矢を立てたのが、「保田漁港」です。ここで水揚げされるヒラメが、知る人ぞ知る「ナナメノヒラメ」。いったい何が「ナナメ」なのか?画像に見える斑点のような「目が七つ」あるからか?それとも性格が「ナナメ」なのか?

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 すでにご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、「ナナメノヒラメ」は「七目のヒラメ」という意味で、魚の模様でもなく性格でもありません。網の目が「七つ目」ということなのです。砂地にたたずんでいるヒラメの漁獲方法は、底引き網漁か刺し網漁です。前者は、袋状の網を海の底に這わせるように船で曳き上げる漁法。ヒラメに限らず。多くの魚が網にかかることになり、船上に揚がるまでの間に、多くの魚が押し合いへし合い、まるで通勤時の満員電車のような状態。さらに水面近くでは、網の袋状が小さくなるので、魚たちのストレスは計り知れません。その時に、お互いがぶつかり合ことで、傷つくことになるのです。対する、保田漁港で採用している刺し網漁は、網を海の底に沈めヒラメが網に絡まるのを待つ方法。底引き網漁にくらべ、ヒラメにとってはストレスフリーなのです。この刺し網の「目が七つ」といいます。素人の我々には分かりにくいのですが、簡単にいうと「網の目が大きい」ということなのです。この漁は、大物のヒラメを対象にした仕掛け網なのです。確かに効率は悪い、しかしストレスフリーの美しく美味しいヒラメを漁獲できるのです。

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 丁寧に船上に引き上げられた「ナナメノヒラメ」は、保田漁港の生簀にて心落ち着かせた後に、〆られます。有名な「関サバ」や「岬(はな)サバ」もそうなのですが、網にかかることで受けるストレスを、少しでも軽減するためにも、生簀に放たれるのです。そして、ヒラメはBenoitへ直送されます。画像から、どれほどの大きさかお分かりいただけるかと思います。このヒラメを捌いた時の断面の厚さは、まるでフッコ(小ぶりのスズキ)と変わらないのではと思うほど。

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 話は変りますが、ヒラメとカレイの見分け方を少し。目を上にして「左向きがヒラメ、右向きがカレイ」です。しかし、人間界同様、ヒラメの世界にもひねくれものがいるようで、右向きヒラメもいるのだとか。そこで、口を開いていただけると、カレイはイソメやゴカイなどを食す分、歯が細やか。対するヒラメは、魚食だからこそのキバキバしい歯を持っています。悩まれたときには口をあんぐりとさせ、ご確認ください。

 タラの食感がぷりぷりであるならば、ナナメノヒラメはブリブリです。さらに、あまりの鮮度の良さもあり、焼こうものなら身が弾けるのです。そのため、シェフ・セバスチャンは、中骨を付けたまま、分厚い切り身とし、表面の焼きをいれてから、休ませるようにゆっくりと熱を加えていきます。ポロっと身がほぐれ、見事なまでの弾力のある食感に、溢れんばかりのヒラメの旨味。バターに卵を加え、さらにヴィネガー酸味を小気味よくきかせ、ふんわりと泡立てるように仕上げたオランデーズソースが、ナナメノヒラメの美味しさを際立たせます。皆様を至福の時へとご案内いたします。

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 プリ・フィックスメニューのメインディッシュの選択肢の中で、ランチ・ディナーともに+1,200円にてお選びいただけます。保田漁港より直送するため数に制限がございます。そこで、ご希望の場合は、ご予約の際に「ナナメノヒラメ希望」とお伝えいただけると幸いです。

 

≪北海道より「アンコウ」が届いています。≫

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 「東のアンコウに西のフグ」とは、冬を代表する美味なる食材の代表をうたったものです。アンコウはつぶれたように平たく、表面ぬるっと触るとぶよぶよ。大きな「がまぐち」のような口には鋭い歯が並びます。深い海に生息しているからなのか、この独特の風貌は、およそ食材とは遠い存在かと思いきや、「東のアンコウ」と評されるほど美味。柔らかい巨体を自由に動かす筋肉部位は、見事なまでの身の締まりよう。画像は豚の棒フィレよりも大きなサイズ。一口淡白な味わいかと思いきや、旨味は抜群。さらにコラーゲンたっぷりといいます。

 厚めにカットしたアンコウの身を、蒸し焼くように熱を加えることで、旨味逃がさずぷりぷりの食感へ。ここへBourride(ブーリッド)にように仕上げたソースを合わせます。ブーリッドとは、Languedoc(ラングドック)地方Montpellier(モンペリエ)群の「Sète(セット)町」の伝統料理なのだといいます。魚の旨味を香味野菜とともに煮出すように仕上げた「Soup de Poisson(スープ・ド・ポワソン)」にニンニクマヨネーズのようなアイオリでのばす。今回はさらに、「あん肝」をこのソースに潰し入れることで、コクと肝の旨味を加え、日本の食材「アンコウ」と、フランスの伝統料理「ブーリッド」とを引きあわせ、相乗効果を生み出します。このマリアージュは一食の価値あり。

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 プリ・フィックスメニューのディナーのみ、魚料理の選択肢として追加料金なくお選びいただけます。前菜をトラフグで始めて、メインディッシュをアンコウへ。東西の冬の味覚をBenoitで食べ納める、これもまた一興なり。

 

≪ビストロ料理の王道、「鴨モモ肉のコンフィ」がランチに加わりました。≫

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 フランスのビストロ料理で、欠かすことのできない王道の逸品は、間違いなく「Cuisse de CANARD confite(鴨モモ肉のコンフィ)」ではないでしょうか。なぜBenoitのメニューに登場しないのかと不思議に思っていたのは自分だけではないはずです。そこで、ランチのみ、肉料理の選択肢としてプリ・フィックスメニューに、追加料金なく加わりました。

 ニワトリと違い、普通に焼くと固くなる食材です。そこで、鴨の油を使い、高温では揚がってしまうので、70℃といいう低温を維持しながら煮るように仕上げる、コンフィという伝統方法で調理していきます。鴨特有の旨味を逃がさず、ほろっとした食感を生み出し、仕上げに表面をパリっとオーブンで焼き上げます。そのままでも美味ですが、添えるディジョンマスタードとの相性は抜群、さらに、別でお持ちする鴨の旨味を凝縮したようなソースと合わせれば、三度もお楽しみいただけます。

 

≪フランスのラングドック地方の伝統料理、「カスレ」がディナーに登場です。≫

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 南フランスProvence(プロヴァンス)地方の左隣に位置している、Languedoc(ラングドック)地方。彼の地を代表する伝統料理といえば、異論の余地なくCassoulet(カスレ)です。簡単に言ってしまうと、お肉いろいろを白インゲン豆とともに煮込んでいった料理。では、カスレに使うのは何の肉なのか?実は、これほどの伝統料理にも関わらず、町々によってレシピが違うという困った逸品なのです。参考までに、我々がカスレの発祥の地だと主張している3つの街は、Castelnaudary(カステルノーダリー)、Carcassonne(カルカッソンヌ)、そしてToulouse(トゥールーズ)。

 どのレシピが正解か?全てが正解というカスレ。それでは困るので、Benoit東京では、Benoitパリの伝統を踏襲することにいたしました。仔羊の肩肉、鴨のモモ肉のコンフィ、プラチナポークのソーセージ、そして塩漬けにした豚バラ肉を塩抜きしたもの。全てを白インゲン豆と煮込んでいきます。それぞれの肉よりしみ出る旨味。これをインゲン豆が吸い上げる。肉が主役か?豆が主役か?という質問には、豆が主役ですと即答する逸品です。どこからどう撮ってもインスタ映えしない、Benoitらしい美味しい「茶色」の料理です。

 プリ・フィックスメニューのディナーのみ、肉料理の選択肢として追加料金なくお選びいただけます。フランスの歴史を感じながらいただく伝統の茶色の逸品。フランスのレシピより豆の量は1/2、安心してお楽しみいただけるのではないでしょうか。

 

≪北海道のフレッシュチーズ「Brise de mer Faisselle (ブリーズ・ドゥ・メール フェッセル)のご案内です。≫

 寒さ厳しい地、北海道から届く特選食材はフレッシュチーズ、それもフランスのフロマージュ・ブランに習い誕生した至高の逸品、「Brise de mer Faisselle (ブリーズ・ドゥ・メール フェッセル)」。フランスNormandie(ノルマンディー)地方からノルマンド種と呼ばれる牛5頭が、北海道の根釧地区に移住し、広大な地でのびのびと生活しているそうです。ストレスフリーで元気な牛たちのミルクが美味しくないわけがありません。そして、そのミルクで仕上げたフレッシュチーズは言うに及ばずでしょう。どれほど特選食材なのか?以下のブログに思いのたけを記載させていただきました。

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 仔牛も誕生しているようです。親子三代東京で生まれ育てば「江戸っ子」なのだといいます。ということは、もう数年も経てば「北海道の国産牛」のBrise de mer Faisselleが登場することに。

 さらに、このフレッシュチーズと抜群の相性を誇るのが、 長野県の茅野(ちの)市で信州ナチュラルフーズを営む青木和夫さんが手がけた「日本ミツバチの蜂蜜」です。狩猟解禁ともなると、ジビエを求め山深くに入り、イノシシやクマ・シカを追い求める日々。山を知り抜いた青木さん管理の下、山の恩恵を十二分に受け育まれた、いまや激減している日本ミツバチの貴重な蜂蜜です。

この日本ミツバチの蜂蜜とフレッシュチーズのセットを1,000円で昼夜問わずご用意しておりますが、このblogを読んでいただけた方には800円でのご案内です。フレッシュチーズの入荷数には限りがございます。ご予約の際に、「フレッシュチーズ希望」とお伝えいただけると幸いです。

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≪「Pulpe de CACAO(ピュルプ・ドゥ・カカオ)」がBenoitに届きました。≫

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 長らくこの飲食の業界に身を置いていますが、 この食材を口にしたのは初めてです。この名前を耳にした時も、味わいがどんなものか全く想像がつかなかったことはもちろん、ホロホロなのかペタペタなのかすら分からず。ただただ、試食した時、想像とのギャップに、さらにあまりの美味しさに言葉を失いました。それは、何か?

「Pulpe(果肉) de CACAO(カカオ)」

 カカオフルーツはラグビーボールよりも一まわりほど小さな大きさで、画像のように樹から花梨のように実をつけます。外皮はご想像の通り、ガチガチです。この種(たね)は、発酵させ、さらに乾燥させることでチョコレートの原料になることは、すでに皆様ご存知のことと思います。今回は「種」ではなく「果肉」です。カカオの果実から5%ほどしか取れず、通常はチョコレートの風味を作る一要素として「種子」とともに発酵させてしまいます。その果肉がBenoitにブラジルから届いたのです。この希少フルーツの詳細は後日に皆様へお送りいたします。

 このカカオフルーツそのものの美味しさをお楽しみいただきたい。そこで、上記の「Brise de mer Faisselle (ブリーズ・ドゥ・メール フェッセル)」とともに、皆様にお楽しみいただこうと考えました。爽やかなフレッシュチーズとカカオピュルプが、お互いに美味しさを引き立て合う、まさに「未知なる世界へ誘(いざな)うマリアージュ」を皆様には体感していただきたいと思います。このセットは1,000円で昼夜問わずご用意しておりますが、このblogを読んでいただけた方には800円でのご案内です。フレッシュチーズの入荷数には限りがございます。ご予約の際に、「フレッシュチーズとカカオ希望」とお伝えいただけると幸いです。

 

≪「ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房のショコラ ブノワ風」が満を持してメニューに登場です。≫

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 2013年2月、アラン・デュカスの長年の夢であった「ル・ショコラ・アラン・デュカス」の工房がパリにオープンいたしました。彼の料理哲学は、素材を厳選し、その素材の持ちうる香りと味わいを十二分に引き出し、表現すること。そのため、カカオ豆の粉砕から、ショコラができるまで、全ての工程をショコラティエ(チョコレート職人)が手造りしています。

 この熱い想いを世界にも。そこで、アラン・デュカスが選んだ地が日本だったのです。2018年4月、東京日本橋の脇に、海外初の工房が登場したのです。

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 同じアラン・デュカスを冠する仲間が、近くで美味しいショコラを作りあげておきながら、Benoitが手をこまねいて見ているだけでは名が廃ります。そこで、日本橋の工房が軌道に乗った今、待ちに待ったショコラの逸品がBenoitに届いたのです。購入はカカオ含有率75%と45%のショコラブロックと、カカオ豆をローストして砕いたGrué de Cacao(グリュエ・ドゥ・カカオ)。このショコラを贅沢に使い、8年もの間、Benoitの重鎮のごとくメニューに君臨していた「BENOIT CHOCOLAT/CARAMEL(ショコラとキャラメルのブノワ風)」が、ついに変貌を遂げたのです。

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 食感の異なる4層は、下からアーモンドやヘーゼルナッツを加えて仕上げたプラリネをカリっと焼き上げたもの、さくっとショコラのビスキュイ、カカオの風味豊かながら甘さ控えめ濃厚なショコラにクリーム、ほのかに甘さを感じるように艶やかなショコラのシロップ。それぞれが異なる美味しさのヴァリエーションが、口中で奏でられる。さらに、一番下のカリっとしたプラリネの中には、2種類のパリパリとした食感がアクセントを加える。グリュエ・ドゥ・カカオは得も言えぬカカオのほろ苦さを、蕎麦(ソバ)の実は香ばしさをもたらします。ショコラは濃厚だが、全体的に甘さを抑えている分、風味豊かに軽やかささえ感じるように仕上げています。そして口休めに、蕎麦の実をふんだんに使ったアイスクリームを。

 Benoitはビストロなのか?これがビストロのデザートなのか?そのような疑問が脳裏をよぎる逸品に仕上がっています。最後の判断は、皆様ご自身で。ランチでもディナーでも、プリ・フィックスメニューのデザートの選択肢として、追加料金なくお選びいただけます。

 

≪長野県戸隠より、探し求めた最高の「蕎麦の実」がBenoitに。≫

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 新しいBenoitのショコラデザート が、満を持して今月からプリ・フィックスメニューに加わりました。「ル・ショコラ・アラン・デュカス」の工房からBenoitへ納品されたのは、昨年末でした。え?今までの1月ほど何をしていたのか?決してサボっていたわけではありません。シェフパティシエールの田中がフランスのエグゼクティブ・シェフパティシエと協議を重ね、レシピが固まりつつある中で、自分に対して指令が発せられたのです。デュカスショコラに相負けない逸品を探してほしいと。何を?

「蕎麦(そば)の実」

 長野県の戸隠といえば、岩戸伝説で知られている通り、神話の里です。平安から鎌倉時代には、日本三大霊場として栄え、五穀断ち(難行苦行)の修験者たちの体力を支えたのが、栄養豊富な「蕎麦」だったといいます。この地に居を構え、自らも戸隠高原に蕎麦畑を所有し、信州内に契約している農家さんは多数にのぼる。国産の蕎麦の扱いに関してはプロ中のプロです。この時期にあり、画像の蕎麦の実を見ての通り、美しく緑がかった色合いは、鮮度の良さの証です。香り高く蕎麦本来の風味を損なっていない、美味しく食感の心地よさ。この逸品をBenoitへおおくりいただいているのが「おびなた」さんです。

 この「蕎麦の実」無くして、今回のBenoitのショコラデザートは成しえなかったことでしょう。

 

静岡県掛川から直送、「紅ほっぺ」がデザートに登場です。≫

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 栽培地域は、ほぼ日本全土を網羅し、新品種育成を目指し、各都道府県が鎬(しのぎ)を削る。美味なるものであれば、彼の地を代表する品種となります。しかし、この熾烈を極める戦いの中で、全国に名を馳せるにいたるものは、ごく僅か。毎年どれほどの新種が生まれ、淘汰されていったことか。それもこれも、誰しもが愛してやまない「イチゴ」だからなのでしょう。

 みずみずしく、しゃくしゃくの食感。心地良い酸味がイチゴの優しい甘さを引き立てる。甘いだけではない、イチゴの優劣はこのバランスによって決まるように思います。鮮度を維持することが難しいため、収穫は随時行わなくてはなりません。さらに、水分が多いからこそ輸送に耐え得ないフルーツでもあります。Benoitの席数を考えると、一農家さんからの購入では、イチゴの確保がかなり厳しいのです。

 シェフパティシエールの田中が、フランスとのやり取りの中で決まりつつあるレシピを知った時、あまりの驚愕に言葉を失いました。デザートに使用するイチゴの量、一人分がMサイズで約20粒ほど必要であること。さらに、イチゴの品質がそのままデザートの味わいに反映してしまうこと。つまり、高品質のイチゴを、定期的に過不足なく購入し続けなければなりません。

 この難問を、いとも簡単に解決へと導いてくれたのが、静岡県掛川市にて広大な農園を構えている「赤ずきんちゃんおもしろ農園」さんでした。Benoitへ送っていただく品種は、誰しもが知る静岡県を代表する「紅ほっぺ」。サイズ指定も購入量も、担当してくださった方の「大丈夫です」という一言に、どれほど安堵したことか。さらに、届いたイチゴの品質にはただただ脱帽するのみ。豊潤な香りをはなちながら、美しい輝かんばかりの赤い色、口中いっぱいに広がる豊潤な甘さに心地よい酸味、いかに丁寧に育てられた「紅ほっぺ」か。自分のみならず、パティシエチーム皆が「美味しい」と納得の逸品です。

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 紅ほっぺMサイズを、お一人様10粒分は半分にカットしてオオリーブオイルと塩少々。もう10粒分は、広島県大崎上島の岩﨑さんの瀬戸内レモンとともに、軽く火にかけザルの上に。ゆっくりと滴り落ちる紅ほっぺのジュース。ザルに残ったイチゴは、そのままマルムラードへ姿を変え、ジュースはオリーブオイルが加えられてソースへ。そのままを盛り付ける中に、心地良い酸味とほろ苦さを演出する瀬戸内レモンの皮のコンフィ。さらに爽やかなミルクの風味を生かしたフレッシュチーズのソルベを一番上に。イチゴの調理方法を変えることで、それぞれ違った魅力を引き出すように。

 皆様お察しの通り、「イチゴそのもの美味しさ」が、今回のデザートのポイントになります。だからこそ、彼の地を代表する品種を選び、その中でもこだわりの農園から直送しなければならなかったのです。違った表情をみせるイチゴに、レモンとソルベが加わり、オリーブオイルを加えたイチゴジュースをそそぐ。一つの器の中で、それぞれが奏でられた時、このデザートが皆様を「口福な食時」へと誘(いざな)うことになるでしょう。

プリ・フィックスメニューのデザートの選択肢の中で、ランチ・ディナーともに+1,000円にてお選びいただけます。

 

熊本県天草より「不知火」直送。パンデピスとのデザートは今月が最後です。≫

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 熊本県の天草の島々を横断する道のりは、別名「柑橘ロード」とも呼ばれ、周辺では多くの柑橘フルーツが植樹され、美味なる逸品を世に送りだしています。その中でも、画像のフルーツこそ、彼の地を代表する柑橘でしょう。「デコポン」と皆様お思いかもしれませんが、これは「不知火(しらぬい)」です。

 不知火とデコポンは、これほどまでに酷似している姿にもかかわらず何が違うのか?実は同じといえば同じもの。「不知火」の品種の中で、JAが定めた糖度と酸度をクリアしたものが「デコポン」です。では「デコポン」が優良品種なのか?そうとも言えますが、そうでないとも言えます。この2つの名称を、数値によって分けることは、我々消費者には分かりやすく、斬新な試みだと思います。だからといって「不知火<デコポン」ではありません。消費者から見れば、デコポンの方が品質に安定感がある。しかし、不知火の中には、デコポンを凌駕する品質のものもある、ということです。

 熊本県の天草は、「不知火」発祥の地。数々の失敗を繰り返し、自然の辛酸を舐め、淘汰され、生み出された品種です。彼らには不知火を世に生み出したプライドがある。だからこそ、中途半端な不知火は出荷いたしません。天草の柑橘を購入し始めたのは3年前。これほど暖秋暖冬の影響下で、毎年安定感のある「天草の不知火」の美味しさには、ただただ驚くばかりです。熊本県産「デコポン」も市場にあります。ここで、ひねくれものの自分がふと思う。「不知火」発祥の地でもある熊本県天草で、「デコポン」を名乗る理由が見つからない。言い換えると、熊本県産で「デコポン」名乗るには、何か理由がある。不知火として勝負する自信がないためにデコポンの名を利用するのか?何はともあれ、天草の不知火は美味であることに間違いはありません。

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 この不知火をアルザスの伝統の焼き菓子である「パン・デピス※」と組み立てます。コショウ・生姜・チョウジ・ナツメグを絶妙なバランスで 絶妙なバランスでブレンドされた、フランスを代表するキャトル・エピス。さらに蜂蜜にオレンジとレモンと加え、パウンドケーキのように焼き上げたもの。独特な風味ながら、なんとも懐かしさのある味わいに仕上がります。このパン・デピスでアイスクリームを、そして小さなクルトンを。キャラメルをまとったアーモンドをパラパラと。忘れてはいけない「不知火」は、フレッシュはもちろん、皮のコンフィにマルムラードの3種へ姿を変えます。※アルザスの伝統菓子だと思っていたら、実はチンギス・ハーンが、ヨーロッパまで遠征したときの「置き土産」。兵士たちの携帯食なのだとか。いつもフランスの伝統や文化を教えて下さる、フランス人のお客様よりお教えいただきました。目から鱗が落ちることばかり。

 なんともバラバラな味わいで、混沌としたデザートに仕上がっているのではないか、そう危惧される方も多いのではないでしょうか。特にパン・デピスの風味を想うと、疑問しかなかったのが自分です。以前の「栗とレモン」もそうでしたが、「百聞は一見に如かず」ならぬ「一食に如かず」です。パン・デピスの独特な風味が、なんと不知火のマルムラードと皮のコンフィとの相性は抜群です。なんと言葉にしたらよいのか分からないほど。ただ、ありあまる陽射しの恩恵を授かって育まれた「熊本県天草の不知火」の果皮、味わいのコクと濃密さがなければ、成り立たないマリアージュであることは、一口瞭然です。個性あふれるそれぞれのパーツが奏でる食感と味わいが、パティシエによって一つの作品に仕上げられた時、驚きとともに見事なまでの「美味しさのハーモニー」を、我々に教えてくれることになるでしょう。

 プリ・フィックスメニューのデザートの選択肢の中で、ランチ・ディナーともに+800円にてお選びいただけます。不知火とパン・デピスの組み合わせは、2月末までのご用意です。3月からは、不知火は継続しますが、と同郷のパール柑がBenoitの届くため、姿を一変した柑橘デザートが登場いたします。

 

≪ミュージックディナー「三味線プレイヤー 史佳」のご案内です。≫

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 津軽三味線の楽曲の原型は新潟県にあるといいます。それがためなのか、初代高橋竹山師の竹山流津軽三味線を正しく継承していこうと「新潟高橋竹山会」が誕生し、今は二代目会主の高橋竹育さんが100名近い会員を束ねています。その高橋竹育さんを母にもち、さらに師匠として9歳より三味線の世界に入りました。音の響きを大切にする「弾き三味線」を得意とし、古典を大切なベースとしながらも、伝統芸能の枠を超えた新しい「ニッポンの音楽」を求め、国内外の演奏活動・公演活動を行っている三味線プレイヤー「史佳 Fimiyoshi」さん。2019年10月5日にカーネギーホールでの演奏が決まっています。その前にBenoitで奏でます。前哨戦?いえいえ、史佳さんは本気です。

Benoitミュージックディナー 「三味線プレイヤー 史佳Fumiyoshi ≫」

日時:2019612()18:30より受付開始 19:00開演

会費:18,000(パフォーマンス・ワイン・お食事代・サービス料込、税別)

※ご予約を受け付けております。電話もしくは、Benoitへメールにてご連絡をお願いいたします。質問などございましたら、何気兼ねなくお問い合わせ、もしくは返信をお願いいたします。

≪史佳Fumiyoshi プロフィール≫

kitahira.hatenablog.com

 

 

≪余談ですが、2019年の「干支」のお話です。≫

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 古代中国の賢人の英知の結晶でもある「干支」。なぜこの漢字なのか?もちろん、自分は占い師ではなく、漢字の語源から読み解いてみたものです。添付の画像は、今年早々に撮影したものです。そして、ブログの中には昨年の初夏の画像。なぜ「ユズリハ」を干支の話で選んだのか?この理由も理解していただけるはずです。

kitahira.hatenablog.com

https://kitahira.hatenablog.com/entry/2019/01/04/1

 

 四季折々の移りようは、風に運ばれてくる芳しい薫りによって、感じとることもできます。初春は梅も捨てがたいですが、やはり、ジンチョウゲでしょう。夏はクチナシ。秋にいたっては金木犀(きんもくせい)と銀木犀(ぎんもくせい)であることは、誰しもが納得いただけると思います。この秋を代表する芳しい香りは、芳香剤のようで好みが分かれるところです。しかし、芳香剤に使用されるほど愛される香でもあるのです。この花が終わりを告げたと思っていた頃に、同じような香りがそよいでいる。その方向へ歩を進めてみると、そこで柊の花を目にすることができるでしょう。咲き遅れた銀木犀かと思ったほどそっくりな花の形と香り。しかし、その葉の姿は、間違いようのないほど特徴的な柊です。「香」が導いてくれたこの出会いは、多くのことを教えてくれました。柊は金木犀と同じ仲間のモクセイ科。だから、花の形も似ていれば香もそっくりなのです。

 芳しい香り漂わせる花開く頃と、2月の節分のちょうど半ば頃でしょうか。ヒイラギが脚光を浴びる時を迎えます。12月のビックイベント、クリスマスです。赤い実を成し、とげとげの葉の飾りを其処彼処で目にしたのではないでしょうか?キリスト教徒にとって、ヒイラギはキリストが磔にされたときのいばらの冠であり、刺さり流れ落ちたキリストの血が赤い実なのだと言い伝えられています。サンタクロースの色合いに、コカ・コーラ社が影響したとはいえ、冬でも緑美しい葉と赤い実は、まさにクリスマスカラーそのもので、欠かせない飾りなのでしょう。さて、なぜ「柊」を「ヒイラギ」と書いたのか?

 クリスマスに飾られる樹は、セイヨウヒイラギと呼ばれています。柊(以下ヒイラギ)とセイヨウヒイラギは似ていますが、ヒイラギは前述したようにモクセイ科、ところがセイヨウヒイラギはモチノキ科と別種なのです。ヒイラギもセイヨウヒイラギも、枝の節ごとに葉をつけます。ところが、ヒイラギは対性とよばれ2枚ずつ、セイヨウヒイラギは互生で1枚ずつ。ヒイラギは黒っぽい地味な実ですが、セイヨウヒイラギは真っ赤な実を付けます。クリスマス時期によく見かけるイミテーションのセイヨウヒイラギの飾り物ですが、実は赤いですが葉の付き方がヒイラギになっているものを多く見かけます。製作者が混同してしまったのでしょうか?ちなみに、パンダのぬいぐるみで尻尾が黒いものを見かけますが、実際は白。思い込みというものの怖さでしょうか。

 さらに、セイヨウヒイラギはEuropean hollyと英語で書きます。モチノキ科の植物を英語圏ではhollyというようなのです。ということは、hollywoodは「モチノキ科の樹」のことで、アメリカのハリウッドに自生しているから地名として名を残しているのか!と思いたくなりますが、葉のギザギザと赤い実はモチノキ科のhollyと似ていますが、hollywoodはバラ科です。愛らしさが似ているからついつい同じ仲間のように呼んでしまっているようです。そういえば日本人も、美しく美味しい魚を~鯛(たい)と。アマダイもイトヨリダイも、およそタイ科に属さない別品種。確かに、言葉が先で分類学は後世の産物であるとは理解しつつも。ああややこしや、ややこしや。

 

立春」を迎えましたが、まだまだ「余寒」です。皆様、無理は禁物、十分な休息と睡眠をお心がけください。疲労・ストレスなどが原因で免疫力が下がっている時に、乾燥が加わると、風邪ばかりではなくインフルエンザにも注意が必要です。さらに、肌荒れやかゆみの原因にもなり、体感温度も下がります。健康のためにも、美容のためにも、程よい湿気お忘れなきように。心の潤いも保ちながら、快適にお過ごしください。

いつもながらの長文を読んでいいただき、誠にありがとうございます。

末筆ではございますは、ご健康とご多幸を、イノシシ(風水では無病息災の象徴)が皆様をお守りくださるよう、青山の地よりお祈り申し上げます。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」北平敬

www.benoit-tokyo.com