kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

Benoit特選食材「グリーンピース」のご案内です。

f:id:kitahira:20190327102802j:plain

 日本でもお馴染みの春食材の「グリーンピース」。ところが、缶詰の普及がこの食材への偏見を導き、好き嫌いの多い食材になってしまったことは否めません。しかし、鮮度の良いグリーンピースの美味しさは格別で、春にしか楽しむことができない旬の味わいです。

 国産の食材を愛する自分ですが、今回ばかりは驚きの美味しさを誇る、地中海の太陽をさんさんと浴びて育ったイタリア産に席を譲るしかありません。船便では間に合わないため、飛行機で運んできた逸品です。もちろん、品種が違うといえば違うのですが、あまりにも国産を凌駕する甘みのある美味しさは、一食の価値あり。生の鞘(さや)を口にすると、鞘の筋が口中に残るものの、春らしい甘さを堪能しながらポリポリと食べることができるのです。鞘がそれほどまでに美味しいということは、中の粒粒は言うに及ばずでしょう。

 

 グリーンピースそのものをお楽しみいただきたいので、余計なことはしない、その美味しさを十二分に引き出した、とろりとした緑美しいスープへと仕上げます。コクのある甘みに満ちた味わいは、過去何人もの「グリーンピース嫌い」の方々を「好き」へと導いた実績があります。しかし、粒のみで仕上げてしまうと、あまりにも豆の甘さが際立ってしまうため、ほんの少しの「鞘」を加えます。ハーブではなく「鞘」です。もともと同じものだからこそ、その相性は抜群であることは間違いありません。

 さらに今回は、さらなる美味しさを追求するがために、北海道のフレッシュチーズ、それもフランスのフロマージュ・ブラン「Brise de mer Faisselle (ブリーズ・ドゥ・メール フェッセル)」とのマリアージュをお楽しみいただこうと思います。以前にブログにてご紹介しました「Benoitデザート物語」

kitahira.hatenablog.com

 ここでは、フランスのエグゼクティブシェフチームとの新作デザートをめぐる息詰まる攻防?を書いてみました。料理を担うMatthias HAHN(マティアス)とデザートのJean-Marie HIBLOT(ジャンマリ)。彼らがBenoitに来た2日目の朝、実は自分が二人にこのフレッシュチーズを試食してもらったのです。そして、「美味しい」との評価を獲得。何かを画策していたわけではなく、ただ日本のフレッシュチーズを自慢しただけのつもりだったのですが。キッチンに入ったマティアスの一言、「今Benoitに、日本の美味しいフレッシュチーズがあるが、なぜ使わないのか?」。これが転機となったのです。このフレッシュチーズの詳細は以下を参照ください。

kitahira.hatenablog.com

 グリーンピースが完熟したものが「えんどう豆」。グリーンピースの前、まだまだ実がなりたての若さやの状態が「絹さや」です。まさに出世魚ならぬ出世豆なのです。未熟だから栄養が貧弱かと思いきや、このグリーンピースの栄養価はまさにエリート級です。豊富なビタミンB群は糖質や脂質の代謝を盛んにし抵抗力を、さらにビタミンCとの相乗効果で感染症から守ってくれます。特筆すべきはカリウムと食物繊維の豊富さです。便秘解消、生活習慣病の予防にも最適。まさに春の美容と健康のためにあるような食材です。

 プリ・フィックスメニューの前菜の選択肢の中で、ランチでは5月末まで(予定)、ディナーでは4月末まで(予定)、ともに追加料金なくお選びいただけます。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬
www.benoit-tokyo.com