kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

Benoit魚料理「ホウボウのオーブン焼き」のご紹介です。

「ホウボウ」

 気品ある優雅な姿で砂地を這うようにゆっくりと泳いでいる、水族館でもお馴染みの魚。大きな胸ビレの腹面には、なにやら脚らしきものが6本のびており、器用に砂地を歩くかのように、エサを探している。方々(ほうぼう)さまよい歩くようにおよぐらら…はたまた、日本全国方々(ほうぼう)で水揚げされるから…名前の由来には、多々諸説があるが、美味しい魚であることに変わりはありません。

 

 ホウボウは、フィレに捌き、表面をオリーブオイルで焼き色を付けた後に、オーブンでしっとりと熱を加えてゆく。この心地良い食感のある身質は、噛みしめるごとに美味しさを楽しめます。さらに、ごっつい頭と太い骨から旨味を煮出すように仕込んだ、まるでブイヤベースのようなスープは、煮詰めるようにしてコクを与え、テラっとホウボウにまとわせるように。身にたっぷりと旨味を内包しているため、スープよりもソースのほうがが良いとシェフはいう。

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 そして、もうひとつの特選食材を忘れてはいけません。玉ねぎでもない、セロリでもない、「ウイキョウ」なる野菜を添えます。我々には馴染みのない野菜ですが、プロヴァンス地方の魚介料理で欠かすことができず、このウイキョウなくして、スープ・ドゥ・ポワソン(魚のスープ)もブイヤベースも仕込むことはできません。この野菜を、フォンで煮たものと生のものとをお楽しみいただきます。

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 プリ・フィックスメニューのランチ魚料理の選択肢に、名を連ねます。ディナーでご希望の場合は、ご予約の際にお伝えいただけると幸いです。さあ、このホウボウとウイキョウのマリアージュは、皆様をプロヴァンス旅行へと誘(いざな)います。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com