kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

2021年Benoit 「年末のご挨拶」と「新春特別プランと特選シャンパーニュ」のご案内です。

 今年もまた、新型コロナウイルス災禍に翻弄され続けた一年であり、今なおこの災禍は収束の兆しがみえておりません。何が正しく、何が間違ってるのか手探りの中で、安心安全に過ごすことのみに費やした日々ではなかったでしょうか。皆様の、ご家族や仲間、すれ違う見知らぬ人々を想うからこその行動が、世界の国々とは違う、今の日本の現状を導いてきているのでしょう。皆様のご辛労は並々ならぬものだとお察しいたします。

 コロナ災禍の下、「営業してることへの罪悪感」すら感じることもありました。絶望の淵に立たされていた時、我々を励ましてくれたのが皆様からのお言葉でした。どれほど心に染み入り、励まされたことか。そして、この未曾有の災禍の中で、能天気とも思える自分からお送りしているBenoitのご案内を、拒否せず受け取っていただけること。さらに、時短営業や酒類提供中止などにより、食材や飲材の購入中止や変更を余儀なくされたにもかかわらず、生産者の方々からの温かいお言葉。目頭が熱くなる思いでおります。深く深く御礼申し上げます。

 新年を迎えるにあたり、皆様より賜りましたご温情は徒(あだ)や疎(おろそ)かにいたしません。そして、自分の本年の至らぬ行動を省み、倦(う)まず弛(たゆ)まず努力を続け、少しでも皆様のご期待のお応えできるよう最善を尽くすことをお約束いたします。皆様におかれましては、Benoitへの変わらぬご愛顧のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。

 降り注ぐ太陽の陽射しが万物を育て上げ、四季折々の風はその土地土地に味わいをもたせる。その風のもたらした美味しさこそ「風味」であり、我々はここに「口福な食時」を見出します。そして、旬を迎える食材は、人が必要としている栄養に満ちています。そして、人の体は食べたものでできています。「美しい(令)」季節に冬食材が「和」する逸品に出会い、食することで無事息災に日々を過ごしていただきたい。この想いを込め、今後もBenoitのご案内をお送りさせていただきます。

 

Benoit年末年始のご案内です。≫

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 2021年のBenoitは、12月31日(金)まで駆け抜けようと思います。30日までは通常営業ですが、31日は20時ラストオーダーの22時クローズとさせていただきます。ランチの営業は変わりません。

 迎えし2022年は1月1日から4日までお休みをいただき、心機一転5日(水)より、万全の準備をもって皆様をお迎えいたします。何かご要望・疑問な点などございましたら、何気兼ねなく返信ください。

 

新春特別プランのご案内です。

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 草木の花々は移りゆく季節の機微を捉え、順を追って咲き誇るもいずれは散りゆきます。食材も同じように「旬」という期間は限られたものであり、「待つ」という優しさはありません。そこで、全ての旬食材は無理でも、Benoitに少しだけ顔を向けてくれた食材で、「口福な食時」ひとときをお過ごしいただきたく、「新春特別プラン」と銘打って、皆様にご紹介させていただきます。

 

新春特別プラン

期間:土日を含めた2022131()まで

ランチ: 前菜x2+メインディッシュ+デザート

6,000円→5,000円(税込/サービス料別)

ディナー: 前菜x2+メインディッシュ+デザート

8,600円→6,800円(税込/サービス料別)

 

 期間は、メールを受け取っていただいた日より、2022131()まで。ご予約はもちろん、何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。に自分へメール(kitahira@benoit.co.jp)をお送りください。お急ぎの場合には、Benoitメール(benoit-tokyo@benoit.co.jp)より、もちろん電話(03-6419-4181)でもご予約は快く承ります。

 

特選シャンパーニュとともに、Benoitで口福なひとときを!

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 長い歴史の中で、シャンパーニュ・メゾンは買収と合併を繰り返してきました。そのため、今では多くのメゾンに出資者でもあるオーナー企業が名を連ねます。このような状況下にあり、ただひたすらに家族経営を続け、一切出資を受け付けず、自分達のスタイルを貫いている珍しいメゾンがあります。

A.R.LENOBLE (A.R.ルノーブル)

 「第一次世界大戦の直後、1920 年から 1度も資本が入った事がない。家族だけだから自分達独自 の考え方で全てを決められる」と、彼らはいう。

 現当主は 3 代目の「アンヌ」「アントワンヌ」兄弟。今もなお、家族経営ならではの独自の考えを貫いています。シャンパーニュの個性は「豊かさ」と「上品さ」のバランスだとアントワンヌは考えています。「高貴なシャンパーニュを造るには時間と自然環境 と忍耐力が必要。その全てが揃うことは非常に稀。 私達は全てを持っている。」と、言い切る。彼のシャンパーニュ造りに対し、「シャンパー ニュである前にワイン」であることを重視する。この言葉を裏付けるように、シャンパーニュの規定では最低熟成期間は 15 ヶ月。しかし、「A.R.ルノーブル」は最低 36 ヶ月も熟成させる。そして、泡が溶け込み開き始めたのを見極め、満を持して出荷される。

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 ラベルに書いてある「Mag17」の「Mag」とはマグナムボトル(1.5L)でリザーヴワインを保存するということを意味します。「A.R.ルノーブル」では、木樽+ステンレスタンク+マグナムボトルでリザーヴワインを管理。マグナムボトルでリザーヴワインを保存することにより、フレッシュ感、若々しさがあり、それでいて複雑味を犠牲にしない。ただし、一本ずつボトルを開栓する作業を繰り返すとても大変な作業であるため、現在はボランジェ社とルノーブルの2社のみが実践する希少な製法です。

 

Champagne A.R.LENOBLE intense Mag17  6,800(税込・サービス料別)

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 リンゴや梨、黄色い果実の香りなどが感じられ、凛としたミネラルがあるシャンパーニュ。なによりも、このボトルには彼らの想いが詰まっています。持ちうる五感をフルに使い、どれほどのものかをご堪能いただきたいと思います。2022年は、Benoitの料理と、シャンパーニュ「A.R.ルノーブル」とのマリアージュをお楽しみください。

 期間は、メールを受け取っていただいた日より、2022131()まで。本数に限りがあるため、予約はお早めにご検討ください。ご予約はもちろん、何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。に自分へメール(kitahira@benoit.co.jp)をお送りください。お急ぎの場合には、Benoitメール(benoit-tokyo@benoit.co.jp)より、もちろん電話(03-6419-4181)でもご予約は快く承ります。

※すでに特別価格でのご案内のため、Benoitのワイン割引はご利用いただけません。他のネットプランや割引の併用もできません。しかし、先にご案内しました「新春特別プラン」はご利用いただけます。

 

Benoitで共に働いてくれる仲間を探しています。

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 いまだ終わりを見せないコロナウイルスとの闘い。その災禍にありながらも、我々は日常を取り戻そうと日々模索しています。Benoitは、ウイルス対策を継続しつつですが、賑やかなビストロらしい活気を取り戻しつつあると感じています。そこで、皆様にご満足いただけるビストロとなるように、新しいサービスとキッチンの仲間を探しております。

 皆様のお知り合いの中で、飲食のサービスの仕事にご興味のある方がいらっしゃったら、ご紹介いただけると幸いです。ごの場でお願いすることではないことは重々承知しております。ご理解いただきますこと、なにとぞよろしくお願いいたします。

 

 これからは徐々に陽脚が伸びてくるのですが、古来より「畳の目ほど」と表現するほど微々たるもの。「冬至、冬なか、冬はじめ」というだけあり、本格的な寒さはこれから。木々は余計な体力を使わないよう冬籠りの準備中、まさに「山眠る」光景です。

 古人は、冬に陽射しが降り注ぐ日を、恋しいからでしょう「愛日(あいじつ)」と呼んでいます。春秋左氏伝の「冬の日は愛すべし」からできた言葉のようです。冬は太陽が天高くまで昇らず、陽射しが低い角度で部屋の奥まで差し込むため、寒々しい中に暖かい「陽だまり」ができています。屋外でも、日当たりの良いところでは陽だまりが。

 まだまだ、今年にやり残したことがあるかと思いますが、ここはひとつ節目をつけ、「日向ぼっこ」で太陽の恩恵を十二分に享受いたしませんか。陽だまりでほっこりと温まるひとときは、何か心まで満たされる気になってしまいます。今年一年の自らを省みる時、暗闇よりも「陽だまり」のほうが、間違いなく明るい未来を見出すことができるはずです。さらに、愛日には「時を惜しむ」や「親に孝行する日々」という意味もあるようです。「陽だまり」が導く「家族の絆」が心の拠り所となり、この乱世の波を乗り切る活力となることと信じております。

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 樹々は葉を落とし、草は冬枯れし、閑散とした光景の公園と思うも、其処此処(そこここ)で常緑樹が緑濃い葉を茂らせている。花こそ少ないが、不思議と赤い樹の実が目につく。冬の公園はもの静かなものと思いながら…この時期は、我々が年越し準備に忙しいように、公園の中もなかなかに忙しいご様子。

 2021年の最後を飾る「季節のお話」は、多忙を極める年の瀬は、今も昔も自然界も変わらない…ということを書いてみました。お時間のある時に以下のURLよりブログをご訪問いただけると幸いです。

kitahira.hatenablog.com

 

 最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。

 今年の辛丑が終わりを迎えようとしています。その「辛」の字の如く優しい年ではありませんでした。しかし、時世は我々に新地(さらち)を用意してくれていた気がいたします。思い思いの種を植えることで、そう遠くない日に、希望の芽が姿をみせることになるでしょう。

 「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。そう遠くない日に、マスク無しで笑いながらお会いできる日が訪れることを願っております。皆様のご健康とご多幸を、一刻も早い「新型コロナウイルス災禍」の収束ではなく終息を、青山の地より祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com