kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

2022年2月 Benoit 「新春特別プラン」「去りゆく食材と迎えし食材」のご案内です。

すぎぬるか 年の通ひ路 いかならむ (ひま)ゆく駒は あとだにもなし  守覚法親王(しゅかくほっしんのう)

 守覚法親王は、父を後白河天皇にもつ、平安時代後期から鎌倉時代にかけて活躍した皇族です。この歌意は、過ぎてしまったな~一年という時が通う路はどのようなものであろうか。「隙ゆく駒」は形跡を残さない…なんとなく分かるようで分からない歌なのですが、なかなかに奥深いものでした。

お時間のある時に、以下よりブログをご訪問いただけると幸いです。「隙ゆく駒」とは?気になりませんか…

kitahira.hatenablog.com

 

 時(とき)が「隙(ひま)ゆく駒」の如く駆け抜けてゆくように、春夏秋冬もまた迎えては去ってゆきます。そして、各季節に美味しさ極まる旬の食材も、我々を待ってくれるという優しは持っておらず、何食わぬ顔で過ぎ去ってゆく。

 Benoitでは、旧年12月から始まった冬食材が、とうとう1月末をもって終わりを迎えます。そして、2月4日に立春を迎えることもあり、春の食材がメニューに姿を現します。寒さ厳しい最中ではありますが、皆様がBenoitへお運びいただけることを、隙間をめいっぱい広げてお待ちしております。

 

初春特別プランのご案内です。

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 草木の花々は移りゆく季節の機微を捉え、順を追って咲き誇るもいずれは散りゆきます。食材も同じように「旬」という期間は限られたものであり、「待つ」という優しさはありません。そこで、全ての旬食材は無理でも、Benoitに少しだけ顔を向けてくれた食材で、「口福な食時」のひとときをお過ごしいただきたく、「初春特別プラン」と銘打って、皆様にご紹介させていただきます。

 

  初春特別プラン

期間:土日を含めた2022228()まで

ランチ: 前菜x2+メインディッシュ+デザート

6,000円→5,000円(税込/サービス料別)

ディナー: 前菜x2+メインディッシュ+デザート

8,600円→6,800円(税込/サービス料別)

 ご予約はもちろん、何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなく自分へメール(kitahira@benoit.co.jp)をお送りください。お急ぎの場合には、Benoitメール(benoit-tokyo@benoit.co.jp)より、もちろん電話(03-6419-4181)でもご予約は快く承ります。

 

 コロナウイルス禍によって、我々の日常が停滞したとしても、季節は巡り去ってゆきます。各季節には、旬を迎える食材があり、我々を待ってくれるという「優しさ」は持ち合わせていません。旬の食材でこしらえた料理の数々は美味しいばかりではなく、いま我々が欲している栄養をも持ち合わせており、「見過ごす」という選択は、あまりにももったいないものです。

 そこで、「去りゆく(131日までの)晩冬お勧め料理/デザート」と「迎えし初春(21日から)の特選食材/料理」と銘打ってご紹介させていただきます。

 

去りゆく(131日までの)晩冬お勧め料理/デザート

 もっと早くにご案内をしなければいけなかった…そう反省しながら、今更ではありますが1月末までの自慢の料理をブログにてご案内させていただきます。

kitahira.hatenablog.com

 

迎えし初春(21日から)の特選食材/料理

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 どうですか!この見事な食べっぷり。上野動物園にお住いのスマトラトラです。美しい毛並みに魅かれるのですが、お肉を嗜んでいる姿を間近で見ると、筋肉隆々とした体つきに恐怖すら覚えてしまいます。確かに大きな猫だといえなくもないですが、獲物を押さえる前足の先から肩までのなんとたくましいことか…肉を食らい、骨のまわりの肉を舐め削ぐ。最後は、ガリガリ、ボリボリと骨を喰らう。本能が食材を無駄にしてはいけないと訴えているのかもしれない。

 寅年だからこそ、肉食なり! …ネコ科なので、魚食もいいよ!

 

≪待望のオニオングラタンスープが登場です!

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 牛のすね肉から、じっくりと2日間かけて旨味を煮出すこのブイヨンこそが、Benoitのオニオングラタンスープの美味しさの決め手です。たっぷりのタマネギを飴色になるまで火にかけ、このブイヨンを注ぎ入れる…ほどよく煮込み、味を馴染ませるように冷やし休ませる。

 オーダーをいただいた後、スープを温め耐熱のスープボールへ注ぎ入れ、パンを浮かべ、グリュイエールチーズをパラパラと。そして、オーブンへ。チーズがとろけ、ふつふつとしたところで、皆様の元へと運ばれてゆきます。素材に何か奇をてらうわけではない、素材そのもの美味しさを十二分に引き出した、まさに時(とき)をなせる美味しさの極みとでもいうのでしょうか。

 このオニオングラタンスープが2月3月の限定でメニューに名を連ねます。下ごしらえに時間を要するため、大量に準備することができません。ご予約の際に、ご希望数をお伝えいただけると幸いです。

 ライオンの顔があしらわれたスープボール…今年はトラに見えなくもない…

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GRATINÉE À L'OIGNON

オニオングラタンスープ

 ランチとディナーのプリ・フィックスメニュー、前菜の選択肢としてランチ+1,000円ディナー+800円でお選びいただけます。

 

≪仔鳩がフランスから飛んできます!≫

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 この画像は日本のキジバトであくまでもイメージ画像です。今回の特選食材は、フランス南西部に位置してるLandes(ランド)県から、空港へ運ばれ、飛行機に乗って飛んでくる仔鳩です。とうとう、Benoitに仔鳩料理が姿を見せるのです。シェフの野口は、あえて「Pigeon(ハト)」ではなく「Pigenneau(仔バト)」を選びました。身質が柔らかい上に、優しい旨味に満ちているのです。

 丁寧に下ごしらえをし、胸肉ともも肉とを低温でゆっくりゆっくりと焼き上げます。このままでも十分に美味しさを堪能できます。しかし、フランスで伝統ある食材だからこそ、シェフはサルミソースというものを仕込みます。ハトを捌いたガラの部位から、じっくりと旨味を引き出すようにジュと呼ばれるソースをとります。そこへ、ハトのレバーを加えることで得も言われ美味しさが加わるのです。

 さあ、この機会にBenoitで仔鳩料理を!

PIGEONNEAU en cocotte, polenta crémeuse, sauce salmis

フランス産鳩のロースト クリーミーなポレンタ サルミソース

 ランチとディナーのプリ・フィックスメニュー、前菜の選択肢としてランチ+1,500円ディナー+1,200円でお選びいただけます。飛んでくる(飛行機で…)量に限りがございます。ご希望の際は、ご予約時にお伝えいただけると幸いです。

 

Benoitの初春を飾る、旬の特選食材は?

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 「風」は季節を導き、彩りばかりではなく、喜怒哀楽をも表現しているかのような美しい「風景」を我々に見せてくれます。そして、四季折々の「風」は国内各地方にその地ならではの「風土」を作り出すことになる。その多様な「風土」で育まれた食材は、同じ野菜であっても味わいに些細な違いがあり、それが「風味」となる。太陽の恩恵を十二分に受け、風味豊かに育ったものこそ、旬の食材です。

 自分の常套句でもある「旬の食材には、今我々が欲している栄養が満ち満ちている」ことに大いに納得です。一年中食したほうが良いとは思うのですが、季節が過ぎ去ってゆくように、旬も去りゆきます。さあ、グリーンピースとグリーンアスパラガスという春を代表する食材を、Benoitで「美味しく」「楽しく」摂りませんか?心身共に満たされることで、皆様が持ちうる免疫力を堅持することを約束してくれることでしょう。

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 2月と3月に、Benoitのメニューに彩りを与えるかのように届く旬の食材の数々。メールでは書ききれないため、ブログでご案内させていただきます。お時間のある時に、以下よりご訪問いただけると幸いです。

kitahira.hatenablog.com

 

Benoitで共に働いてくれる仲間を探しています。

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 Benoitは、ウイルス対策を継続しつつですが、賑やかなビストロらしい活気を取り戻すべく、スタッフの増員をすることにいたしました。皆様のお知り合いの中で、飲食の仕事にご興味のある方がいらっしゃったら、ご紹介いただけないでしょうか。ごの場でお願いすることではないことは重々承知しております。ご理解いただきますこと、なにとぞよろしくお願いいたします。

 

北平のBenoit不在の日

 私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない2月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

kitahira.hatenablog.com

 

 過ごしやすい日々ではありますが、まだ「寒中」です。厳しい寒さはまだまだ続くことでしょう。疲労・ストレスなどが原因で免疫力が下がっている時に、乾燥が加わると、コロナウイルスばかりではなく、風邪やインフルエンザにも注意が必要です。さらに、肌荒れやかゆみの原因にもなり、体感温度も下がります。健康のためにも、美容のためにも、程よい湿気お忘れなきように。そして、心の潤いも保ちながら快適にお過ごしください。

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 最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。

 「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。そう遠くない日に、マスク無しで笑いながらお会いできる日が訪れることを願っております。皆様のご健康とご多幸を、一刻も早い「新型コロナウイルス災禍」の収束ではなく終息を、青山の地より祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com