花すすき まねく袂(たもと)は あまたあれど 秋はとまらぬ ものにぞありける 藤原元真(もとざね)
いまでも其処此処に、秋らしい姿を見せてくれる「ススキ」。たわわに実る稲穂に似ていることからも、五穀豊穣を祝う意味でお月見や祭事では欠かすことのできない花です。誰しもが、名前を聞いただけで姿を思い浮かべることができるのではないでしょうか。その姿が、まるで着物の袂から、手を差し伸べて、手招きをしているようだと…さて、何を手招きしているのでしょう?
降り注ぐ太陽の陽射しが万物を育て上げ、四季折々の風はその土地土地に味わいをもたせる。その風のもたらした美味しさこそ「風味」であり、我々はここに「口福な食時」を見出すのです。そして、旬を迎える食材は、人が必要としている栄養に満ちています。「美しい(令)」季節に秋食材が「和」する逸品に出会い、食することで無事息災に秋を過ごしていただきたい。この想いを込め、Benoitの10月11月のダイジェスト版をご案内いたします。
以下にご紹介する料理やデザートは、それぞれにブログで詳細を書き綴っております。それぞれにURLを貼り付けさせていただきました。長文でいいから、いっきに読み進めたい方は、ノーカット版をご用意いたしました。以下よりご訪問いただけると幸いです。
≪晩秋特別プランのご案内です。≫
「秋はとまらぬものにぞありける」
秋が我々をそ知らぬ顔で過ぎ去るのと同時に、秋の食材もまた待ってはくれません。秋の味覚が恋しくなった際には、足の赴くままにBenoitへお越しください。深まり行く秋と歩調を合わせるように、旬の食材がメニューをもって皆様をお迎えいたします。
~ 晩秋特別プラン ~
期間:土日を含めた2022年11月30日(水)まで
ランチ
前菜x2+メインディッシュ+デザート
6,000円→5,600円(税込/サービス料別)
※前菜を1つにし、デザートを2つ選べるプランに変更できます。
前菜+メインディッシュx2+デザート
7,500円→6,800円(税込/サービス料別)
ディナー
前菜x2+メインディッシュ+デザート
8,600円→8,000円(税込/サービス料別)
※前菜を1つにし、デザートを2つ選べるプランに変更できます。
前菜+メインディッシュx2+デザート
10,000円→9,100円(税込/サービス料別)
その他にもケーキ付プランなどもございます。詳細は以下のURLよりBenoitの予約サイトを参照ください。ご希望日のご予約が取れない場合でも、まだお席が残っている可能性もございます。その時は、何気兼ねなく自分へ返信、もしくBenoitへご連絡(03-6419-4181)ください。ご要望や質問なども、喜んで承ります。
https://www.tablecheck.com/shops/benoit-tokyo/reserve
≪おぎ・はぎ・すすき…秋はとまらぬものにぞありける≫
秋はとまらぬものにぞありける…そうなのです、秋が我々をそ知らぬ顔で過ぎ去るのと同時に、秋の食材もまた待ってはくれません。足の赴くままにBenoitへお越しください。深まり行く秋と歩調を合わせるように、旬の食材がメニューをもって皆様をお迎えいたします。
その前に、駆け抜けてゆく秋を思い出していただこうと思います。
≪Benoit東京では初食材のマダコ!11月も少しだけ延長します。≫
Poulpe marinée, légumes à la grecque
天草産真タコと野菜のマリネ ギリシャ風
※11月末まで!? ランチのプリ・フィックスメニュー、前菜としてお選びいただけます。
この美味しさを少しでも多くの皆様にお楽しみいただきたいく、天草タコの前菜を“ランチ”プリフィックス・メニューにて11月も可能限り延長することしいたしました!
≪飛騨高山の伝統野菜「宿儺(すくな)かぼちゃ」なり!≫
Velouté de potiron et fromage frais “
宿儺かぼちゃ"のスープ リコッタチーズ
※ランチのプリ・フィックスメニュー、前菜としてお選びいただけます。
岐阜県の飛騨高山地方に、神様の名前を冠した野菜「宿儺(すくな)かぼちゃ」なるものがあります。圧倒的な流通量の西洋カボチャの中で、量こそ少ないですが確固たる地位を得ている伝統野菜です。今なお栽培されて言える理由は、美味しいからの他なりません。
≪Benoitの秋は栗で始まる…≫
Velouté de châtaignes, garniture mijotée
フランス産栗のスープ
※ディナーランチのプリ・フィックスメニュー、前菜としてお選びいただけます。
秋を彩る食材の中で、料理と前菜で活躍するのが「栗」です。Benoitではフランス栗と和栗を使い分けてメニューに組み込みます。そう、フランス栗をたっぷりとつかった「栗のスープが始まりました!」…ディナー限定です。
≪ヨーロッパから「キノコいろいろ」、飛行機に乗ってBenoitへお越しいただきました!≫
Vol-au-vent de pintade et champignons
ホロホロ鳥とキノコのパイ詰め“ヴォローヴァン”
※プリ・フィックスメニューの前菜として、ランチ+1,500円/ディナー+1,200円でお選びいただけます。
Benoitのパティシエが3日間かけてこしらえた、まるでお菓子の「パイの実」のような生地。※もちろんチョコレートは入りません。焼き上げてからキュジニエの手に渡り、丁寧に下ごしらえされたヨーロッパ産キノコと鶏肉と出会う…そして、フランス伝統料理がそこに姿を見せる!
≪Benoit自慢のテリーヌなり!≫
Terrine de campagne, pain toasté
テリーヌ・ド・カンパーニュ
※ランチのプリ・フィックスメニュー、前菜としてお選びいただけます。
Terrine de gibiers, pain toasté
ジビエのテリーヌ
※ディナーのプリ・フィックスメニュー、前菜としてお選びいただけます。
Terrineとは、数多(あまた)あるフランス料理店の中でも、特にビストロを冠する店では欠かすことのできない料理ではないでしょうか。Benoitではランチとディナーで別のテリーヌをご用意しております!
≪今秋は旬の美味なる魚をムニエルでいかがですか?≫
Pavé de cabillaud à la meunière, pommes de terre écrasées
タラのムニエル じゃがいものエクラゼ
※ランチのプリ・フィックスメニュー、主菜としてお選びいただけます。
Carrelet à la meunière, pommes de terre écrasées
カレイのムニエル じゃがいものエクラゼ
※ディナーのプリ・フィックスメニュー、主菜としてお選びいただけます。
フランス料理店で魚料理名に、「ムニエル」という言葉が度々姿をみせます。「舌平目のムニエル」などは、いかにもフランスっぽい料理であり、音の響きではないでしょうか。この「ムニエル」とは調理方法のこと。
さあ、今秋はBenoitで旬を迎える魚で、フランス伝統料理をお楽しみください!
Calamars au plat, aubergine confite
「食味のケンサキ、味のアオリ」とは美味しいイカを表したもの。夏場の西日本が剣先イカであれば、冬は東日本のアオリイカなり。自分が新潟出身だからこそ、声を大にしてお伝えしたい。どれほど美味なるイカがBenoitに直送されていることか!
≪秋ナスは嫁に食わすな…!?≫
なんという時代錯誤的で傲慢な物言いか…と思いきや、実のところ全く違った意味でした。
もちろん、Benoitで美味しくお召しあがりください。
≪幻の酢ミカン「直七」が、幻ではなくなる?≫
むか~しむかしのことじゃ…
土佐のある港町に快活な魚屋がおったそうな。毎日のように新鮮な魚を仕入れては行商に出かける日々をすごしていた。
とある時に、スダチのようで違う、面白い柑橘があることを知る。そこで、その魚屋はその柑橘をもって売りに出る…
「新鮮な魚はいいかが?さらに絞ると魚の美味しさを引き立てる柑橘もあるよ~」と言っていたかは定かではないが…
≪ボーノ(美味しい)という名を冠したボーノポーク?!≫
Cochon de Gifu aux lentilles vertes du Puy
岐阜県産“ボーノポーク” ソーセージ/コンフィ/ソテー レンズ豆の煮込み
※ランチのプリ・フィックスメニュー、主菜としてお選びいただけます。
Longe de cochon de Gifu rôtie, gratin de potiron
岐阜県産“ボーノポーク”ロース肉のロースト 宿儺カボチャのグラタン
※ディナーのプリ・フィックスメニュー、主菜としてお選びいただけます。
岐阜県の銘柄豚「ボーノポーク」…その名の通り、間違いなく美味しい…美しくサシが入るからこそ、焼きに職人技を要求してくる。Benoitでは同郷の宿儺かぼちゃとともに…さてどんな料理に姿を変える?
≪京都の地鶏「丹波黒鳥」をご堪能ください!≫
Fricassée de volaille de Kyoto légèrement crémée, légumes en beaux morceaux
“丹波黒どり”のフリカッセ クリーム風味 季節野菜
※ランチのプリ・フィックスメニュー、主菜としてお選びいただけます。
Volaille de Kyoto comme un coq au vin, pâtes fraîches
“丹波黒どり"のオーブン焼き“コック・オ・ヴァン”風 フレッシュパスタ
※ディナーのプリ・フィックスメニュー、主菜としてお選びいただけます。
フランスの調理方法である「フリカッセ」と、伝統料理の「コック・オ・ヴァン」。京都の地鶏「丹波黒鳥」でこしらえる前者はランチで、後者はディナーで登場です。さて、Benoitではどのような料理へ仕上がっているのでしょう?
≪ジビエを代表する食材「エゾシカ」がメニューに名を連ねます!≫
Noisettes de chevreuil rôties, garniture d’automne, sauce poivrade
蝦夷鹿のロースト 秋野菜と果実 ソースポワヴラード
※プリ・フィックスメニューの主菜として、ランチ+1,500円/ディナー+1,200円でお選びいただけます。
空高く馬肥ゆる秋…いやいや、鹿もまた同じこと。さあ、Benoitのメニューに、北海道を駆け回っているから「エゾシカ」が姿をみせました!
≪遠藤農園のリンゴ「紅玉」だからこその美味しさです!≫
Pomme au four
山形県産りんごのオーブン焼き
※プリ・フィックスメニューのメインディッシュの選択肢として、ランチ・ディナーともに+800円でお選びいただけます。一日にご用意できる数に限りがございます。ご希望の際は、ご予約時にご希望数をお伝えいただけると幸いです。
しれっとプリ・フィックスメニューに登場してる「リンゴのオーブン焼き」。この字面からでは伝わらなほどの特選食材であり、手間暇をかけてこしらえているデザートです。毎年のように秋にBenoitのメニューに姿を現します…なぜか?
美味しいから…この一言に尽きます!
≪知る人ぞ知る熊本県「やまえ栗」がBenoitのデザートに!≫
Mont Blanc à notre façon
※プリ・フィックスメニューのデザートとして、+1,000円でお選びいただけます。
栗の産地として、茨城県は国内トップを誇る生産量、長野県小布施や岐阜県中津川は、そうそうと納得してしまうほどの美味しい栗菓子をこしらえております。しかし、都内にいると西日本の情報が入ってこないもの…やはりあった!出会いましたよ!
≪北平のBenoit不在の日≫
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない11月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
日ましに秋めく今日この頃。目に見える季節の移ろいの加え、秋風は秋の薫りも運んできます。ここはひとつ、文明の利器を遠慮し、五感を利かせて秋を探してみるのも一興ではないでしょうか。そして、秋の味覚が恋しくなった際には、足の赴くままにBenoitへお越しください。深まり行く秋と歩調を合わせるように、旬の食材がメニューをもって皆様をお迎えいたします。
最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。
終息の見えないウイルス災禍です。皆様、油断は禁物です。十分な休息と睡眠、「三密」を極力避けるようにお過ごしください。「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。そう遠くない日に、笑いながらお会いできることを楽しみにしております。
皆様のご健康とご多幸を、一刻も早い「新型コロナウイルス災禍」の収束ではなく終息を、青山の地より切にお祈り申し上げます。
ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬