kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

2023年1月 Benoit「特選 イベント」のご案内です。

冬は時雨から始まる…

 いえいえ、「2023年はBenoitから始まる」のです。さあ、特選イベントをご紹介させていただきます。

 

20231月はBenoit特選シャンパーニュで始まる…

 Gosset(ゴッセ)は、シャンパーニュで最も古い歴史を持ち、マロラクティック発酵(乳酸発酵、以下MLFと表記)を行わないスタイルを、創業から今にいたるまで、頑なに守り続けています。これぞ「ゴッセ流のシャンパーニュ」なり!

 このMLFとは、ブドウそのものがもっているリンゴ酸を乳酸に変える発酵の事で、アルコール発酵後に行われます。これを行わないと、熟成中に勝手にMLFが起こり、破裂や噴きこぼれの原因になり、意図しない品質へとかわります。往古は意味の分からない劣化?悪魔の仕業?などとされていたものの、MLFが解明されてからは、多くのワインメーカーはこのMLFを施すようになりました。リンゴ酸が乳酸に変わることで、まろやかな風味になります。

 では、なぜGossetは頑なにMLFを実施しないのか?こればかりはご当主に聞いてみないと分からないのですが、調べてみると…リンゴ酸があることで、長期熟成に耐える芯をもったワインが醸されます。それが、熟成によって得も言われぬ美味しさを内包するということを、彼らが識っているからなのでしょう。きっと「ブドウと畑の潜在能力を最大限に引き出し、表現できるから」と語るでしょう。

 畑は、Aÿ(アイ), Bouzy(ブジー), Ambonnay(アンボネイ), Le Mesnil-sur-Oger (ル・メニル・スュル・オジェ)という、ほぼグラン・クリュ区画の村のみ。収穫後は品種・村毎に全て分けて圧搾し、村毎にステンレスタンクで発酵。18℃で約15日間のアルコール発酵。マロラクティック発酵は行わない。約200種の原酒を12月にアッサンブラージュ。瓶詰めは翌年の3月~6月。瓶内熟成は、法の定められた15か月を大きく上回る48~60か月!ドザージュ8g/L…

 爽やかな白い花や、アーモンド、さらに柑橘などをも想起させる美しい香り。シャルドネ種とピノ・ノワール種が織りなす堅牢な骨格は、MLFを行っていないからこそのもの。そう、このボトルには彼らの想いが詰まっているのです。持ちうる五感をフルに使い、どれほどのものかをご堪能いただきたいと思います。2023年は、Benoitの料理と、シャンパーニュ「Gosset Grand Réserve」とのマリアージュをお楽しみください。

 

Champagne Gosset Grand Réserve brut

 17,500円(Benoitワインリスト価格) ➔ 9,900(税込・サービス料別)

 

 期間は、202315()から131()まで。本数に限りがあるため、予約はお早めにご検討ください。ご予約はもちろん、何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。に自分へメール(kitahira@benoit.co.jp)をお送りください。お急ぎの場合には、Benoitメール(benoit-tokyo@benoit.co.jp)より、もちろん電話(03-6419-4181)でもご予約は快く承ります。

※すでに特別価格でのご案内のため、Benoitのワイン割引はご利用いただけません。他のネットプランや割引の併用もできません。しかし、先にご案内しました「新春特別プラン」はご利用いただけます。

 

2023年の春は「フレンチでタンゴ」から始まる…≫

 人間の歴史を紐解いてみても、言葉という意思疎通のできるツールが無くとも、リズムを奏で、踊ることで神々と語り、感謝の気持ちを伝え、未来を占ってもらおう、もしくは導いてもらおうとしていることがわかります。力強くもリズミカルな太鼓の音に高ぶる気持ち、激しい舞を躍ることで神と一体化する儀式。神妙なる音楽に任せて、ゆったりと舞う巫女さんの姿には、尊厳の念を感じるものです。ほんの一例ですが、どちらも言葉を必要としません。

 神々への畏怖・畏敬の念から、愛情表現へと変わってゆくことは自然の流れであったはずです。そして、人々が切磋琢磨することで、至上の高みへ達した時、我々を魅了して止まない芸術となる。その一つが、「アルゼンチンタンゴ」です。そこで、「フレンチでタンゴ」と銘打って、皆様に音楽と舞の共演を、お食事も含め、五感を通してBenoitでお楽しみいただこうと思います。

Benoitミュージックディナー アルゼンチンタンゴ

日時:202337()8() 18:00より受付開始 18:30開演

料金:ダンススペース周辺のお席をS席、少し離れたA席をご用意させていただきます。

S席24,000(パフォーマンス・ワイン・お食事代・サービス料/税込)

A席19,000(パフォーマンス・ワイン・お食事代・サービス料/税込)

 

ダンサー:クリスティアン&ナオ

ピアノ:サッコ香織

バンドネオン川波幸恵

ヴァイオリン:専光秀紀

※昨今の不安定な環境下のため、開催日や出演者が変更になる可能性がございます。

 

 質問などございましたら、何気兼ねなくお問い合わせ、もしくは返信をお願いいたします。席数に限りがございます。当面の間、ご予約はメールのみとさせていただきます。北平宛(kitahira@benoit.co.jp)にご連絡いただけると幸いです。

 

≪さらなる高みを!「テーブルマナー講習会」≫

 

 其処此処で開催しているテーブルマナー講習会であれば、自分は皆様へご案内することはありません。

 講師である吉門さんとは、すでにBenoitで68回もこの講習会を開催しているのです。リピートされている方ばかりであり、あまりにもためになり面白いため、その方がご友人を誘う。それほどに内容が深いものなのです。

 吉門憲宏さんは、元日本航空国際線のキャビンスーパーバイザー(チーフパーサー)として世界の空を飛び続けた、飛行距離は地球450周を超えるほど。120万人もの旅客様と笑顔を交わしてきているのです。在職中は、定年退職になるまで飛行機に乗り続けたつわもの。日本文化の礼節を伝える民間外交でもある接客のプロとしての人生を歩んできた、だからこそ、多くの知見があるのです。

 先生との自分との出会いは、偶然だったのか必然だったのか…現職を退いてからは、アメリカでのMBA取得のための派遣される某大手企業のスタッフが、欧米の社交界に馴染めるようにとトレーニングをする講師を担っていました。その打合せの席なのか、無事に送り出したお礼のためだったのか、大手企業の人事の方々が選んだのがBenoitの一席だったのです。そのようなことは露知らず、自分がいつものように語るは語る…後日に知ることになるのですが…いやお恥ずかしい限りです。

 この出会いが、今も続いているBenoitで開催される「テーブルマナー講習会」を導いていたのです。全ての所作には理由がある。日本人が、ついついやってしまうことを、笑いを込めながら教えてくれる。毎度のように、会場はやっちまった~と「笑い」溢れている。このようなテーブルマナー講習会があったであろうか。もちろん、料理は自分が語りに伺わせていただきます。

 先日開催された講習会の中で、目頭が熱くなるお話を伺いました。自分が見失いつつある思いを、あらためて思い起こさせてくれたのです。日本人であることを誇りに思う…この感動秘話は後日に…キーワードは…

JA8101

 

世界基準の一流を学ぶ 「テーブルマナー講座」

開催日: 202319()祝日 & 219()

時間: 11:30より講義を始めます。 

11:10までにお運びください。終了予定は15時15分を予定しております。

料金: 16,000(サービス料/税込) ※お食事とワイン2杯を含みます。

※事前振込制です。ご希望の日程がございましたら、北平宛(kitahira@benoit.co.jp)にご連絡ください。質問なども喜んで承ります。この講習会に関しては、電話でのご予約は受け付けておりません。

 

≪冬は時雨から始まる…どういうこと?≫

 昨今では「冬は大寒波から始まる」ようで、気持ちの切り替えもままならぬうちに冬只中に入りこむようです。今では天気予報の精度が上がり、寒波の到来も予測できるようになりましたが、今年がこれほどまでの大雪をもたらすことは予想外だったのでしょう。難儀な生活を強いられている方々の、いちはやい日常の回復を、青山の地より祈念いたします。

 往古、季節の移ろいは、天気図ではなく自然の機微を読み取ることで悟っていたはず。春夏秋冬、肌に感じる気温によって判断できるものの、風流人はそれでは納得いかなかったのでしょう。季節の「はしり」を先んじて感じ取りたいと…そこで、京都の居を構える古人が着目したのが「時雨」でした。

冬は時雨から始まる

 なんと美しい言い回しでしょうか。どうやら、詠み人しらずのこの一首が発端であったようです。ということで、いつものごとく、少しだけ掘り下げてみました。

kitahira.hatenablog.com

 

 最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。

 「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。そう遠くない日に、マスク無しで笑いながらお会いできる日が訪れることを願っております。皆様のご健康とご多幸を、一刻も早い「新型コロナウイルス災禍」の収束ではなく終息を、青山の地より祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com