kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

2020年 干支「子(ねずみ)」のお話です。

 今年の干支のイメージ動物は、「カピバラ」にいたしました。※自分が動物を画像でご紹介すると、職業柄「食材」と思われがちなのですが、間違いなく食材ではありません。

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 2020年は、子(ねずみ)年です。お釈迦様への新年の挨拶に赴いた動物たちの順番が十二支となった、とはある一説のお話。己をよく知る牛は足が遅いことを理解しているために前日早いうちから出発し、一番先に門先に到着するも、その背に乗っていた賢いネズミがひょいと先に門をくぐる。順を追ってぞくぞくと主役が到着する中で、犬猿の仲といわれる両者の仲裁に入ったがためにニワトリは10番目。猫はなぜ登場しないのか?猫はお釈迦様への新年の挨拶の日を忘れ、ネズミに聞いたところ2日だと。翌日に事実を知った猫は怒り、これ以降ネズミを追いかけ続けるのだと。

 

 ネズミと人間との出会いは「ミッキーマウス」から、ではありません。人類が食物を貯蔵する知恵を得た時から始まり、いまだ継続している攻防の歴史なのです。弥生時代に登場する画期的な「高床式倉庫」は、湿気対策に床下を大きくとることに加え、母屋を支える支柱に見る「ねずみ返し」こそ、古代人が悩み考え抜いた末に導き出した妙技なのです。この大発明は、今なお進化を続け、其処彼処にその形跡を見て取れます。寺社仏閣や、船着き場などなど、時に電柱にも。なかなかの厄介者にもかかわらず、昔話やアニメにたびたびと登場する可愛げのある小動物です。

 

 ネズミ、ネズミと言いますが、何がネズミなのでしょうか?学術的には、「げっ歯目」の仲間をネズミと呼んでいます。特徴は、前歯に上下に2本ずつ計4本あり、一生伸び続けます。そのため、何か硬い物をガジガジすることで、前歯をすり減らさないと、自らの前歯によって食物の摂取ができなくなり自滅します。では、この「げっ歯目」にはどのような仲間がいるのでしょうか。「ネズミ科」である、野生の「アカネズミ」や家畜の「ハツカネズミ」が筆頭でしょう。絶滅危惧種にいるヤマネ科の「ヤマネ」も忘れてはいけません。リス科の「リス」や「プレーリードック」も仲間です。

 

 皆様の中には、「ウサギ」もネズミの仲間なの?という疑問がでていきているのではないでしょうか。ウサギを飼われている方は、前歯上下4本あることを知っています。しかし、ウサギはこの前歯の裏側に小さな歯が2本存在しているため、なんと前歯が計6本なのです。そのため、「げっ歯目」ではなく「ウサギ目」なのです。さらに、「ハリネズミ」。ネズミと名付けられていますが、「げっ歯目」ではないので、ネズミの仲間ではありません。

 

 動物園のふれあいコーナーであ馴染みも家畜の「モルモット」。これは「げっ歯目」なので、ネズミの仲間です。テンジクネズミ科に分類されています。この同じ科の中に、最大のネズミの仲間がいるのです。愛らしい姿で人気を誇るネズミ、「カピバラ」です。間違いやすいのですが「パ」ではなく「バ」です。野生のカピバラは、外敵であるジャガーピューマに襲われると、近くの水場に逃げ込みます。よく温泉に浸かってぬくぬくとしている光景を見かけるのは、この特徴からくるものです。

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 今年の干支「庚子(かのえね)」、この世相を表す「庚(かのえ)」には「水」がキーワードのなっているようです。干支「庚子(かのえね)」の詳細は「はてなブログ」に記載いたします。お時間のある時に、ご訪問いただけると幸いです。なぜ、「カピバラ」を選んだのか?ご理解いただけると思います。

kitahira.hatenablog.com

 

 ネズミらしき動物を見つけた際には、口を開かせ前歯を見ると分類できるようです。動物園のふれあいコーナーで口まわりに指を回そうものなら、間違いなく強靭な前歯で噛まれるために、お勧めいたしません。優しく触れ合うことだけにし、分類は専門家にお任せいたしましょう。噛まれた際には、何ためらうことなく病院へ。破傷風には重々ご注意ください。

 

いつもながらの長文を読んでいいただき、誠にありがとうございます。

末筆ではございますは、ご健康とご多幸を、青山の地よりお祈り申し上げます。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com