kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

徒然なるままに

2022年4月 「歴史を顧みながら熊本県天草への旅路≪後編≫」をお楽しみください。

熊本県天草諸島(以下「天草」と記載)は、県下屈指の柑橘の産地です。温暖な気候に加え、海面の照り返しや浜風、さらに島を形成する丘陵が適度な水はけを約束してくれる。柑橘の産地であることに大いに納得してしまうものです。だからこそ、Benoitは毎年のよ…

2022年4月 「歴史を顧みながら熊本県天草への旅路≪前編≫」をお楽しみください。

熊本県天草諸島(以下「天草」と記載)は、県下屈指の柑橘の産地です。温暖な気候に加え、海面の照り返しや浜風、さらに島を形成する丘陵が適度な水はけを約束してくれる。柑橘の産地であることに大いに納得してしまうものです。だからこそ、Benoitは毎年のよ…

2022年干支「壬寅(みずのえとら)」のお話です。

2022年の干支(えと)は、「壬寅(みずのえとら)」です。 むかしむかしのこと、お釈迦様が動物たちに「新年の挨拶に赴いた順番を十二支にしよう」と語ったのだといいます。そこで、動物たちは我さきにと、お釈迦様の下へと馳せ参じることになる。己をよく知る牛…

2021年9月 Benoit「エイとグルノーブルとの出会い」を考えてみました。

Aile de RAIE à la grenobloise, épinards juste tombés フランス産エイヒレのムニエル グルノーブル風 ほうれん草 2021年8月9月と月をまたぎ、ランチ・ディナーともにプリ・フィックスメニューの「シェフのお勧め」の枠内に名を連ねるメインディッシュです…

香川県さぬき市の旅物語・後編 ≪さあ、結願(けちがん)へ≫

長々と書いてきた今回の旅物語も、いよいよ後編です。香川県は歴史深い地だけに、多くの史跡や伝説があり、さぬき市に限定してみても、伝えきれるものではありませんでした。飯田桃園さんのご紹介でも登場した「讃留霊王(さるれいおう)」の「悪魚退治伝説」…

香川県ひうらの里≪飯田桃園さん≫のご紹介です。

県道3号線「志度山川線」は、海のほど近い「志度寺」から、香川県を縦断するように内陸を南下してゆきます。讃岐平野の特徴でもある、点在する丘陵や里山の数々。そのため、この県道は、時おかずして右の雲附山(くもつきやま)と、左の石鎚山(いしづちさん)の…

香川県さぬき市の旅物語・前編 ≪いざ!飯田桃園さんへ≫

香川県高松市の高松駅から高徳線へ乗り込もうと思います。この路線は、高松港から離れるように南西へ向かうも、古墳群の点在する石清尾(いわせお)山塊の麓(ふもと)に稜線に従うかのように向きを変え、進路は東に。 この山塊の東の麓には、約75haの面積を有す…

無事息災であることを祈念いたします。

おぼつかな をちかたびとや いかならん をやみだにせぬ 五月雨のころ 弁乳母(べんのめのと) 遠方人(をちかたびと)の実情がよく分からなく心配である。無事息災であろうか。「小止む」とは、「しばらくの間」という意。小止(おや)むことのない五月雨の頃だ…

「五月雨」は、なぜ「さみだれ」と読むのでしょうか?

関東「梅雨入り」を迎えました。雨が降り続いたかと思うと、一時の「梅雨の中休み」もあります。この梅雨前線の気まぐれに一喜一憂する日々を過ごされているのではないでしょうか。この梅雨時期の雨のことを、古人は「五月雨」と名付けました。そして、この…

「サクラマス」と「サケ」に想うこと。

「サクラマス」 知っているようで知らない魚なのではないでしょうか?鱒(ます)という大きな分類の中に、鮭(さけ)があるのかと思っておりました。飲食を生業としながら、この認識の甘さに大いに反省させられることになります。さらに、調べれば調べるほどに、…

「桃の花」に想うことをつらつらと。

「桃花源記(とうかげんき)」 古代中国の王朝である晋から、南北朝時代の宋にかけての時代(5世紀あたり)に活躍した詩人、陶潜(とうせん)が書き記した物語です。武陵(今の湖南省)の一漁夫が俗世間から離れた平和な別天地を訪れたという話。今でいう理想郷を語…

「タラのブランダード」のご紹介です。

Benoitが再開いたしました。そこで、今まで投稿に花々が続いていたので、久しぶりに料理のお話を復活させようかと思います。そして、この料理は、お家でぜひお試しいただきたいのです。 今回は、「タラのブランダード」というお料理です。横文字の名前だけに…

「ときわぎ」に想うことをつらつらと。

「ときわぎ」 聞き慣れないこの言葉ですが、今でいう常緑樹のことを指し示します。漢字で表記すると、「常盤木」。しかし、大和言葉だからこそ「ときわぎ」と書きたいものです。常緑樹は、ツンツンとしたイメージですが、この言葉からは何とも言えない柔らか…

「熊本県天草への旅心地」をお家でお楽しみください。≪後編≫

熊本県天草諸島(以下「天草」と記載)から、Benoitは旬の柑橘を購入していました、そして購入する予定でした。この地域の類稀なる環境は、得も言われぬほど美味なる柑橘が、季節を追うように多くの種類がたわわに実ります。12月から始まる「早生みかん」を先…

「熊本県天草への旅心地」をお家でお楽しみください。≪前編≫

熊本県天草諸島(以下「天草」と記載)から、Benoitは旬の柑橘を購入していました、そして購入する予定でした。この地域の類稀なる環境は、得も言われぬほど美味なる柑橘が、季節を追うように多くの種類がたわわに実ります。12月から始まる「早生みかん」を先…

完熟キンカン「たまたま」がたまたま教えてくれたこと。

フランスのレストランはどのような組織になっているかということを少しばかり書いてみようと思います。耳慣れた言葉の中に「ソムリエ」や「パティシエ」があり、特にソムリエはそれだけが独り歩きをしている感すらあります。もともとはワインを専門にするサ…

2020年「座れば牡丹」に想うこと

「立てば芍薬(しゃくやく) 座れば牡丹(ぼたん) 歩く姿は百合(ゆり)の花」 この時期になると、八重桜の美しさについつい心奪われ、忘れがちなのがボタンの花です。日本人は桜に、中国では牡丹に想いを馳せるよう。「百花の王」と称され、唐代の詩人である王叡…

2020年 ウイルス災禍克服へ「西行の想いと釈尊の教え」 に思うこと

憂き世には とどめおかじと 春風の 散らすは花を 惜しむなりけり 西行 人生は苦そのもの「苦諦(くたい)」である、と釈尊は弟子に語りました。「諦」は「あきらめる」ではなく、仏教の観点からは、「真理を見極めること」を意味します。厭世の想いから「人生…

2020年「桜の花」に想うこと

世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし 在原業平(ありわらのなりひら) 世の中に、まったく桜がなくなれば、いつ花開くのか待ち焦がれたり、風が花を散らさないかと気を揉んだり、散れば散ったで惜しんだりと、心を煩(わずら)わせることも…

「式子内親王と藤原定家の梅の歌」に想うこと

「式子内親王と藤原定家の梅の歌」について、つれづれなるままに書てみました。 季節の話題に「梅の花」を選び、ご紹介したのが3月12日のこと。これほどの荒れた天候であれば、桜の開花も遅れるのではないかと、高を括(くく)っていた自分は、桜が花開いたと…

Benoitの「新型コロナウイルス対策」について

ながめつる けふは昔に なりぬとも 軒端の梅は われをわするな 式子内親王 新古今和歌集より 後白河天皇の第三皇女、平安時代後期の激動を生き抜いた式子(しきし)内親王。京都の皇居を中心に、うごめく権謀術数の数々。病弱でありながら、斎院(さいいん)とし…

古典「平家物語」を少しばかり

めづらしや 垣ねにうゑし すはえぎの 立ち枝に咲ける 梅の初花 源仲正(なかまさ)詠 梅の樹は、主幹となる、太い本体となる幹から梢(こずえ)と呼ばれる細い枝を垂直に天を目指すかのように多く伸ばします。それも思いのほか多く。そのため、剪定をしなければ…

「山内鮮魚店さん物語」のご案内です。

素人なために右往左往と失敗を繰り返しながら、日本各地に眠る「特選食材」探しを始めて5年ほどになるでしょうか。タッチパネルに触れることで発注が終了する昨今の時代にあり、アナログですが必ず「人との出会い」があり、これが特選食材を導いてきたのだと…

「2020年新春のご挨拶」Benoit北平

田鶴(たづ)のすむ 沢べの蘆(あし)の したね溶け みぎは萌えいづる 春は来にけり 大中臣能宣(おおなかとみよしのぶ) 詠者は平安時代中期に活躍していた歌人。彼が、ある年の祝賀の屏風に添えた歌だといいます。沢のほとりに枯れた姿を残す蘆の群生。その株元…

2020年干支「庚子(かのえね)」のお話です。

今年の干支は「庚子(かのえね)」です。 古の賢人は、毎年の世相を分析し、時代時代を表現する漢字一文字をあて、後世に伝えようとしました。その英知の結晶が「干支」です。甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)…と続く「十干(じっかん)」と、馴染みの子(ね)・丑(う…

2020年 干支「子(ねずみ)」のお話です。

今年の干支のイメージ動物は、「カピバラ」にいたしました。※自分が動物を画像でご紹介すると、職業柄「食材」と思われがちなのですが、間違いなく食材ではありません。 2020年は、子(ねずみ)年です。お釈迦様への新年の挨拶に赴いた動物たちの順番が十二支…

令和元年「年末のご挨拶」 Benoit北平

令和元年、皆様より並々ならご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。本年「己亥(つちのとい)」は、時世の勢いが人世を後押しする力強い年だったような気がいたします。人世もまた成熟の極みに達したことで、時世の波をとらえた皆様は、今までの努力が人世…

「郡上八幡への旅路」のご案内です。

もみぢ葉の ながるる竜田 白雲の 花のみよし野 おもひわするな 常縁(つねより) 室町の時代、今の千葉県にあたる下総(しもうさ)国に勢力を誇った豪族、千葉氏がいました。その一派が、東荘(とうのしょう)という荘園の荘官になったことから東(とうの)姓を名乗…

「Benoitと郡上八幡とのただならぬご縁」の物語です。

Benoitと岐阜県郡上八幡との並々ならぬ関係とは、いったいどういったことなのでしょうか?裏金がまわっているなどという野暮では決してありません。江戸時代に端を発した、壮大な歴史ストーリーが絡んでいました。郡上市の明宝牧場の代表である田中成典さん…

特選食材「郡上クラシックポーク物語」のご案内です。

「春のはじめだったために雪が深く、粉雪という動くものを透かして見ているせいか、悲しくなるほど美しかった。」司馬遼太郎 街道をゆく・二より 「日本でいちばん美しい山城があるはずだと登ったのは~」と司馬氏。登る最中で出会った山城の姿を仰ぎ見て、…