2023-01-01から1年間の記事一覧
春秋の あかぬわかれも ありしかど 年の暮れこそ なほまさりけり 藤原兼実 春は春で、秋は秋で、なにやら満ち足りない気持ちで別れを惜しんだものですが、年の暮れこそが、どの季節が過ぎ去るときよりも、「飽かぬ別れ」をこれほどまでに感じ入ることはない…
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない2024年1月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。…
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない12月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 5日(…
徒然草で兼好法師は、「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」と綴っている。「花は満開のときだけを、月は雲がないときだけを見るものであろうか、いやそうではない。」と喝破しているのです。この背景には、往古より「月は雲なきをのみ見る」ことを…
夜とともに 山の端(は)いづる 月かげの こよひ見初(みそ)むる 心ちこそすれ 藤原清輔 往古より、「花」といえば春を意味します。数多(あまた)あるどの花のことなのか。かつては「梅(白梅)」でしたが、今では「桜」です。「桜」といえば、真っ先に思い描くの…
昔より なぞ長月の 今宵しも 曇らぬものと 空もしりけん 源俊頼 昔から、どうして旧暦9月の今宵(十三夜)に限っては、曇ってはならないと空は知っているのであろうか。もちろん、空が我々に都合よく雲を散らしているわけではありません。「中秋の名月」が、あ…
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない11月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 6日(…
草木の花々は移りゆく季節の機微を捉え、順を追って咲き誇るもいずれは散りゆきます。食材も同じように「旬」という期間は限られたものであり、「待つ」という優しさはありません。そこで、全ての旬食材は無理でも、Benoitの要望に応えてくれた逸材でこしら…
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない10月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 7日(…
まだ夜が明けぬ中、本州最西端の地に人が集まり出す。日中の陽射しによって温められた地表が気温を上げるも、陽のかげりとともに下降の一途をたどり、闇が深くなる頃には身震いするほどの寒さに包まれる。夜が明ける直前が一番冷え込むことになるが、この地…
草木の花々は移りゆく季節の機微を捉え、順を追って咲き誇るもいずれは散りゆきます。食材も同じように「旬」という期間は限られたものであり、「待つ」という優しさはありません。そこで、全ての旬食材は無理でも、Benoitの要望に応えてくれた逸材でこしら…
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない9月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 5日(…
往古、6月晦日に「夏越(なごし)の祓(はらえ)」という儀式が行われていました。1年の半分を終える時期に、災厄を祓い、心身を清め、向こう半分を無病息災に過ごすことができるよう祈願するもの。今でも6月末に、茅(ちがや)の茎で編み込まれた大きな輪を、神社…
Aile de raie à la grenobloise, blettes juste tombés フランス産エイひれのムニエル グルノーブル風 不断草のソテー ※ランチとディナーのプリ・フィックスメニュー、主菜として+1,500円でお選びいただけます。 2023年8月9月と月をまたぎ、ランチ・ディナー…
雄大な大海原を、まるで自らの優雅な時を謳歌するかのようにゆったりと羽ばたくかのように泳ぐマンタの姿は、海の中だからという理由以外にも、魅せられた者に得も言われぬ涼しさを与えるものです。このマンタ、正式名称は「オニイトマキエイ」といい、その…
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない8月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 5日(…
「品質と特徴が、特殊な地理的環境に起因する」という大原則のもとに、EU加盟国で批准されているのがAOP(原産地呼称保護)。この厳格な基準よりも少しだけゆるくしたものがIGP(Identification Géographique Protégée / 地理的表示保護)というもので、「生産地…
関門海峡を横切るように架かる瀬戸大橋。その山口県側の下関沿岸、橋のたもとから少し西側へ向かった先に、唐戸市場が開けています。そこでは、毎日のように近海で水揚げされた旬の魚介類が競り落とされ、地方に送られるばかりではなく、その場でも購入する…
東北地方以南の海藻生い茂る岩礁域を棲み処にしているイサキ。淡白な味わいの白身で、塩焼きで食べるというイメージをお持ちの方も多いと思います。しかし、旬の名産地のイサキともなると、この固定観念が覆ります。対馬海流や豊後水道でもまれにもまれ、豊…
「タコの産地といえば?」という問いに、真っ先に思い浮かぶのが兵庫県の明石(あかし)ではないでしょうか。高品質なうえに、水揚げ量が日本一を誇ります。これほどのタコ銘産地でありながら、存亡の危機に晒された時がありました。今から50年以上も前のこと…
夏野菜を代表するナス、ズッキーニ、パプリカをトマトで煮込んでいったプロヴァンス伝統料理です。家でも作りやすいこともあり、馴染みの料理でえはないでしょうか。とはいえ、ご家庭と同じでは「プロの調理人」ではないわけで、Benoitのプリ・フィックスメ…
夏至の初候(6月21日~6月25日頃)の七十二候は「乃東枯(なつかれくさかるる)」です。 古代中国の賢人が、四季の移ろいを暦に当てはめるように創ったのが「二十四節気(にじゅうしせっき)」という。1年を24に分けることで「立春」や「夏至」などの馴染みの言葉…
草木の花々は移りゆく季節の機微を捉え、順を追って咲き誇るもいずれは散りゆきます。食材も同じように「旬」という期間は限られたものであり、「待つ」という優しさはありません。そこで、全ての旬食材は無理でも、Benoitの要望に応えてくれた逸材でこしら…
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない7月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 6日(…
Soupe de POISSON(魚のスープ)といえば、南フランスの港町マルセイユの伝統的な漁師料理です。ブイヤベースとは違い、煮込んだ魚を食することをせずに、旨味をスープに出しきったもの。Benoitでは、魚そのものの美味しさをお楽しみいただきたく、エビ・カニ…
冷たいスープで火照った身体を内側から冷まし、食欲を呼び覚ます。かつてアメリカ合衆国で誕生したという冷製「ヴィシソワーズスープですが、どうも英語っぽくはないネーミングではないですか。それもそのはず、考案者であるシェフはフランスのVichy(ヴィシ…
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない6月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 3日(…
「ボーノポーク」は、イタリア語で美味しいという意味の「ボーノ」という言葉を冠し、なんとも軽々しい印象を受けますが、その実は、岐阜県の中濃ミート事業協同組合の威信にかけて育て上げた銘柄豚です。飼育地は、県内の瑞浪(みずなみ)市、山県市、揖斐(い…
サワラは「鰆」と漢字でかきます。やはり「春」と当て字に入るぐらいですから、春にこそお楽しみいただきたい旬の味覚。しかし、日本の近海を回遊している魚だけに年中水揚げがある魚…なぜ春なのか?この時期に産卵のために沿岸に近寄ってくるため、捕獲しや…
「タラのブランダード」というお料理は、横文字の名前だけに、なにやらさっぱり分かり難(にく)いものですが、これがまた美味なり。ヨーロッパでは、北欧を主として、塩をたっぷりとまぶし釘が打てるほどに乾燥させ保存性を高めたタラ、「Morue(モリュ)」と名…