kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

2021 Benoit≪新春特別テイクアウトボックス≫を語らせていただきます。

 緊急事態宣言の発出により、今後しばらく外出を控え、ご自宅で過ごされた方が多いのではないでしょうか。ご家族皆様にBenoitへお運びいただきたくことは憚(はばか)れる昨今にあり、少しでもご自宅での「語らい」の場をこしらえていただきたく、新春特別テイクアウトボックスをご紹介させていただきます。Benoitでのお食事が、「口福な食時のひととき」であるならば、このテイクアウトは「口福のおすそ分け」とでもいいましょうか。

 新型コロナウイルス災禍が及ぼす皆様の心労は、並々ならぬものとお察しいたします。さらに、先日の緊急事態宣言を鑑みての営業時間変更と、ご迷惑をおかけしてばかりです。そこで、このテイクアウトボックスは特別価格でご案内させていただきます。皆様にはご自宅で少しばかりに調理とアレンジが必要になります。お弁当とは違い、この一手間が加味されることで、なおいっそう美味しくお召し上がりいただけるはずです。

 

≪新春特別テイクアウトボックス

提供期間 : 2021121()228()

最終受付 : 2021227()

価格 : 1名様セット 4,320(税別) ※何名様のご用意も可能です。

お受渡し時間 : 平日は11:3016:00 土日祝日は11:3019:30

申込方法 : 自分へのメール(kitahira@benoit.co.jp)をご利用ください。お急ぎの場合にはBenoitメールアドレス(benoit-tokyo@benoit.co.jp)より、もちろん電話(03-6419-4181)でもご予約は快く承ります。ご希望の商品と数量、お渡し時間をお知らせ下さい。メールでのご注文の場合は、受け取り希望日の前日16時までに送信をお願いいたします。こちらからの電話またはメールによる返信にて、受注確定とさせていただきます。

 

Menu

テリーヌ・ド・カンパーニュ

香川県ブロッコリーのヴルーテ

フランス産鴨モモ肉のコンフィ または 豚ほほ肉の煮込み

パン・ド・カンパーニュ 1/4

ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房のショコラ ブラウニー

※料理の画像はイメージです。ご自宅で少しばかりの調理が必要です。副材は含まれておりません。

 

 メニューは上記の通りですが、どれほど自慢で、どれほど美味しいのか、字面ではなかなか伝わらないものです。そこで、それぞれの料理を少しばかり以下にご紹介させていただきます。テイクアウトをご検討の方も、検討されていない方も、少しばかりお時間を割いていただけると幸いです。

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 フランス料理の定番であり、ビストロには欠かすことのできない前菜は、これを置いて他にはありません。「テリーヌ・ドゥ・カンパーニュ」です。多種多様なテリーヌがある中で、Benoitは粗挽きの肉肉しさが詰まっています。豚の肩肉をメインに、豚の背脂に鶏のレバーを加え、じっくりゆっくりとオーブンで焼いてゆきます。このままでも美味しいですが、Benoitのこだわりはここから。器に入ったまま粗熱をとり、塊のまま冷蔵庫で長き眠りにつくことになります。味わいが落ち着いてくるのに1週間ほど。まさに時がなせる美味しさなのです。

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 可能な限り、断面を空気に触れさせないようにするため、ご希望人数に合わせた大きなブロックでご用意いたします。冷たすぎると、テリーヌ本来の味わいが閉じこもってしまうため、お食事の前に冷蔵庫より出しておき、お召し上がりの直前に切り分けてください。ディジョンマスタードとの相性は抜群なので、ご用意いただくことをお勧めいたします。さらに、簡単なサラダを添えることで、前菜ひと品が完成します。

 

 旬の食材は待ってはくれません。「ブロッコリー」、皆様にとって馴染みの食材であるからこそ、美味しいものにこだわりたいもの。そこで、今回は香川県から直送です。香川県都道府県の中で、一番面積が小さいため、農産物県別ランキングではなかなか上位に県名が上がりません。しかし、八百屋さんやスーパーでは、彼の地のブロッコリーが所狭しと並んでいるのを目にするはずです。

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 香川県の讃岐平野が香南町に畑を有する河田薫さんの育て上げたブロッコリーは、鮮度抜群はもちろんのこと、シェフも絶賛する美味しさです。このブロッコリーのみで、緑鮮やかでなめらかなスープに仕上げました。余計なハーブや調味料などは一切加えない、それほどに河田さんのブロッコリーは、甘く味わい深いのです。

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 ご自宅で熱くすると風味が変ってしまうので、湯煎で温めていただきたいです。仕上げにオリーブオイルを少しだけ振りかけることで、よりいっそう美味しくお召し上がりいただけます。湯がいたブロッコリーを添えるのも良いかと思います。ブロッコリーは寒さ厳しい頃に美味しさが際立ちます。しかし、このスープの香りや味わいは、春が到来したのかというような錯覚すら覚えます。

 

 メインのお料理は、2種の中よりお選びいただきます。フランスのビストロ料理の代名詞的な存在が、この「鴨モモ肉のコンフィ」ではないでしょうか。これに対する「豚ほほ肉の煮込み」は、豚ほほという馴染みのない食材でありながら、これを知ってしまうと、もう牛ホホ肉には戻れないかもしれません。

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 鴨モモ肉は、美味しい食材でありながら、どうしても肉質が硬く、ただたんに焼くという調理方法では食べにくいものです。そこで、フランス伝統の技「コンフィ」を駆使して仕上げます。鴨の脂の中に落とし込んだモモ肉を、70℃ほどの温度を維持しながらゆっくりゆっくりと熱を加えてゆきます。ニワトリよりも肉肉しい、噛むほどに鴨モモ肉のコクのある旨味が口中に広がります。

 この料理は、湯煎温めた後に、オーブントースターで焼くという、一手間を必要とします。湯煎だけでも美味しいのですが、やはり皮目に焼きをいれるほうが、香ばしい香りが食欲をそそり、パリっとした皮目とモモ肉との食感の違いが、美味しいばかりではない、さらなる「口福」へと導くはずです。

 サラダも良いですが、やはりフライドポテトを添えることでフランスらしさをお楽しみいただけるはずです。テリーヌ・ド・カンパーニュでも登場した、ディジョンマスタードとの相性は抜群です。

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 しかし、選択肢には「豚ほほ肉の煮込み」があります。豚ホホ肉は繊細な味わいなため、下ごしらえには白ワインを使用します。香味野菜とともに煮込んでゆきますが、1時間ほどもすると崩れ始めるので、ここで豚ほほ肉は避難です。旨味の煮出たスープは、煮詰めてゆき、とろみが出たところで、避難していた豚ほほ肉にまとわせ、冷ますことで味わいを馴染ませます。

 湯煎で温めることで、ナイフを必要としない、やわらかな豚ほほ肉をお召し上がりいただけます。画像では白いんげん豆の煮込みを添えています。ご自宅ではショートパスタを茹で、オリーブオイルと粉チーズをまぶしたものや、八百屋さんに並ぶ野菜を茹で、オリーブオイルを絡めたものなどが良いかと思います。

 豚のホホ肉とは、あまりにも馴染みが無い食材ですが、これを知ってしまうと、前述したように牛ホホ肉には戻れなくなるかもしれません。

 

 Benoitの料理で欠かすことができないものは、パンではないでしょうか。1種類しかないために、テイクアウトも同じ「パン・ド・カンパーニュ」をご用意させていただきます。しかし、Benoitのこのパンは、「ルヴァン種」と呼ばれる天然酵母がこしらえた種生地を使用します。この気まぐれな酵母を相手に、5日間かけてルヴァン種を仕上げ、別で小麦とライ麦の生地に小分けするようにして、翌日に焼き上げます。

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 培養酵母である、イースト菌などを使用すれば、簡単にパンを作ることができます。しかし、Benoitは、敢えて手間暇のかかる、さらに気まぐれ天然酵母ゆえに、その機微を見極める職人技を必要とする方法をとっています。なぜか?料理との相性抜群な、美味しいパンが焼きあがるからです。

 

 日本橋に堂々した工房を構える、「ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房」。ここからBenoitへ送られてくるのが、カカオ含有量75%のショコラです。心地よいほろ苦さにコク、得も言われぬ魅了する香り。このショコラをたっぷりと使い、アクセントにペカンナッツがごろごろと入ったブラウニーに仕上げます。

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 そのままでも十分に美味しいでが、オーブントースターで表面をかりっと焼いて、もしくは電子レンジで10秒ほど温めて、お召し上がりいただくと風味豊かなブラウニーをお楽しみいただけます。バニラアイスクリームを添えることで、デザートらしいひと皿に仕上がります。

 

≪新春特別テイクアウトボックス

提供期間 : 2021121()228()

最終受付 : 2021227()

価格 : 1名様セット 4,320(税別) ※何名様のご用意も可能です。

お受渡し時間 : 平日は11:3016:00 土日祝日は11:3019:30

申込方法 : 自分へのメール(kitahira@benoit.co.jp)をご利用ください。お急ぎの場合にはBenoitメールアドレス(benoit-tokyo@benoit.co.jp)より、もちろん電話(03-6419-4181)でもご予約は快く承ります。ご希望の商品と数量、お渡し時間をお知らせ下さい。メールでのご注文の場合は、受け取り希望日の前日16時までに送信をお願いいたします。こちらからの電話またはメールによる返信にて、受注確定とさせていただきます。

 

 さらに、Benoitシェフソムリエからのお誘いがございます。蔵元さんと直接交渉をすることで、輸入が実現した、Benoitでしか購入できないスパークリングワインを、新春特別テイクアウトボックスとともにお楽しみいただきたく、特別価格にてご案内させていただきます。

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Crémant de Bourgogne Cuvée Agnès  Vitteaut-Alberti  4,000(税別)

 このキュヴェ・アニエスは、スパークリングワインの専門家、ヴィトー・アルベルティが手掛ける最高傑作です。コート・ド・ボーヌとシャロネーズの両地区の葡萄シャルドネ種のみで醸され、瓶内熟成もシャンパーニュに匹敵する3年間。華やかな香りと凛とした酸味のバランスが秀逸、いついかなる時に飲んでも、納得していただける美味しさです。

※スパークリングワインの特別価格でのご提供は、2月7日までとさせていただきます。

 

 漢字検定準一級に属する難読漢字である「鴛(おし)」。さらに「鴦(おう)」という、これまた難読漢字が加わる「鴛鴦(えんおう)」とは、鳳凰(ほうおう)のように何やら空想世界に羽ばたく鳥なのでしょうか。この鳥を題材に源兼昌が詠った歌が心を打ちました。昨年は見過ごしていた一首ですが、今年は大いに輝きを放っています。

 詳細は、以下よりブログをご訪問いただけると幸いです。兼昌は、我々に何を語ろうとしているのでしょうか?

kitahira.hatenablog.com

 

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

 今年の辛丑が始まりました。その「辛」の字の如く優しい年ではないかもしれません。しかし、時は我々に新地(さらち)を用意してくれている気がいたします。思い思いの種を植えることで、そう遠くない日に、希望の芽が姿をみせることになるでしょう。

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 「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。マスク無しで笑いながらお会いできる日が訪れることを願っております。皆様のご多幸とご健康を、一刻も早い「新型コロナウイルス災禍」の収束ではなく終息を、青山の地より祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com