kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

Benoit≪惜秋特別プラン≫と≪デザートセット≫のご案内です。

秋の野に 人まつ虫の 声すなり われかと行()きて いざ訪(とぶら)はむ  詠み人しらず

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 古人は、秋の音色を奏でるバッタのことを「虫」と表現しています。コオロギを筆頭に、マツムシやスズムシ、そしてキリギリス。どの虫がコオロギなのか?マツムシなのか?スズムシなのか?今のような昆虫図鑑があるわけもなく、ただただその音色の違いで分けていたような感があります。鳴いてはいないが、虫の鳴き声の織りなす美しい音色を、古人は「虫時雨(むししぐれ)」と名付けました。迫力に違いこそあれ、ひとつひとつの音色は今も昔も変わりはないはずです。

 「秋の野」にゆかずとも、其処彼処(そこかしこ)で響き渡る「虫時雨」。どなたかのお家の庭であり、駐車場であり、もちろん公園であり、静まり返った夜半ともなると、都内でも十分に楽しむことができます。ここはひとつ、ただのうるさい「虫の鳴き声」とはせずに、美しく響く「虫の音色」として聞き耳を立ててみてはいかがでしょうか。

 

 冒頭の一句は、≪秋の野で人を待っているといわれるマツムシの声が聞こえてくるではないか。きっと自分のことだろう、いざ訪れん!≫と詠っています。マツムシは「待つ・虫」であると、古人はなかなかに粋なことをいう。

 マツムシは、我々の訪れを待っていたのでしょうか?きっと違う。マツムシは美しい音色に、ついつい我々が忘れがちな「時は過ぎてゆく」というメッセージを込めているのではないかと思う。虫時雨に気付くことで、秋過ぎてゆくことを察する。うかうかしてはなりません、「秋はとまらぬものにぞありける」と教えてくれているのです。

 向かう先は秋の野ではありません。いざ、Benoitへ訪(ろぶら)はむ!

 

≪惜秋特別プランのご案内です。≫

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 降り注ぐ太陽の陽射しと風が「風景」を生み出し、万物の成長を促します。風景は画一的(かくいつてき)ではなく、四季折々に加え土地土地に特別な「風土」をもたらします。そして、この風土によって育まれた味わいが「風味」です。風味が満ち満ちたものが旬の食材です。なのではないでしょうか。この旬の食材は、美味しいばかりではなく、いま我が欲している栄養をも持ち合わせています。

 人の体は食べたものでできています。「美しい(令)」季節の秋食材が「和」する料理の数々。これを美味しく食べることで、人は笑顔になり、体の内側から湧き出でる力となる。そして、我々をウイルス災禍から守ってくれることでしょう。さらに「口福な食時」のひとときが、どのようなものかを知ることができるはずです。

 そこで、日頃より並々ならぬご愛顧を賜っている上に、自分からのごご案内に目を通していただけている皆様の労に報いるため、≪惜秋特別プラン≫をご案内させていただきます。期間は、メールを受け取っていただいた日より、202011月末まで。ご予約は、自分へのメールをご利用ください。お急ぎの場合には、以下のBenoitメールアドレスより、もちろん電話でもご予約は快く承ります。

benoit-tokyo@benoit.co.jp

 

ランチ

前菜+メインディッシュ+デザート

4,500円→4,000円(税サ別)

前菜x2+メインディッシュ+デザート

5,500円→5,000円(税サ別)

前菜+メインディッシュx2+デザート

6,800円→6,000円(税サ別)

ディナー

前菜+メインディッシュ+デザート

6,800円→6,200円(税サ別)

前菜x2+メインディッシュ+デザート

7,800円→7,200円(税サ別)

前菜+メインディッシュx2+デザート

9,100円→8,200円(税サ別)

プリ・フィックスメニューの料理内容は、当日にメニューをご覧いただきながらお選びいただきます。ご希望人数が8名様以上の場合は、ご相談させてください。

 

 

≪平日限定 カフェ&デザートのセットを始めました!≫

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 平日限定で13:30より、カフェとデザートのセットサービスを始めさせていただきました。デザートはBenoit自慢のラインナップよりお選びいただけます。仕事の息抜きに、ご子息様のお迎え前に、表参道散策の最中に、甘い「口福」のひとときをお楽しみください。

 ランチ営業を行っているため、ご予約を承ることができません。皆様にご足労を賜りながら、お席がございませんとお伝えすることは心苦しいものです。そこで、お越しいただける際には、13:00過ぎにBenoitへご連絡をいただけると幸いです。お席の状況をお伝えさせていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

平日限定

13:30 16:00 (15:00 L.O.)

デザート+マドレーヌ+コーヒー

2,000円(税サ別)

※デザート内容は、ランチプリ・フィックスメニューを参照ください。一部追加料金の必要なデザートもございます。そして、コーヒーは、もちろん紅茶やハーブティーに変更可能です。

 

≪北平のBenoit不在の日≫

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 私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない11月の日程を書き記させていただきます。10月は滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

9日(月)

12日(木)

15日(日)

19日(木)

22日(日)・23日(月)

28日(土)

 上記日程以外は、Benoitを優雅に駆け回る所存です。自分への返信でのご予約はもちろん、BenoitのHPや、他ネットでのご予約の際に、コメントの箇所に「北平」と記載いただけましたら、自慢の料理の数々を語りに伺わせていただきます。

 皆様にお会いする機会を賜りながら、自ら放棄する無礼、ご容赦のほどよろしくお願いいたします。自分が不在の日でも、お楽しみいただけるよう万全の準備をさせていただきます。何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。

 

≪秋風の色は何色?≫

 黄葉・紅葉で彩られる「秋の色」は、深まりゆく秋を我々に教えてくれます。寒暖差が大きいほど美しく色づくのだといいます。この寒暖差は、秋という季節がもたらすもの。そして、秋は風が導いてくる。では、「秋風の色」は何色なのでしょう?季節のお話として、ブログに書き記しております。お時間のある時に以下よりご訪問いただけると幸いです。

kitahira.hatenablog.com

 

≪秋のお勧め料理・デザートのご紹介です。≫

 降り注ぐ太陽の陽射しと風が「風景」を生み出し、万物の成長を促します。風景は画一的(かくいつてき)ではなく、四季折々に加え土地土地に特別な「風土」をもたらします。そして、この風土によって育まれた味わいが「風味」です。風味が満ち満ちたものが旬の食材です。

 秋が我々をそ知らぬ顔で過ぎ去ってゆくのと同じように、秋の食材も我々が楽しむまで待ってくれるという「情け」は持ち合わせていないようです。「秋はとまらぬものにぞありける」であれば、秋に旬を迎える食材もまた、「とまらぬものにぞありける」。11月の特選食材とお勧めの料理・デザートのご紹介です。

kitahira.hatenablog.com

 

 「憂愁(ゆうしゅう)の秋」かと思いきや、「幽愁(ゆうしゅう)の秋」とも表現します。辞書には「憂愁=幽愁」と記載があります。憂愁は、「悩み苦しむこと、悲しみ」とある。では、幽愁は「心の奥底の憂い、悲しみ」なのだと。分かったようで分からない、同じような気もします。

 両者に共通する「愁」は、「愁(うれ)い」とも読み、思い悩むことを意味します。「憂」もまた「憂(うれ)い」と読み、同意です。そうすると、憂愁は、ダブルで思い悩むことで苦しい、日々の生活の中で起きうる人間関係や、金銭関係などで苦しみながら思い悩むこと。「幽」には奥深いという意があります。そうすると、自分ではどうすることもできない自然の摂理への、手の届かないどうしようもないことへ思い悩むことなのか。こう考えると、過ぎ去る秋への想いは、「幽愁」こそあい相応しいのでしょう。

 Benoit特選食材で仕上げた美味なる料理の数々を逃してしまうことは、憂愁なのか幽愁なのか?ここは、皆様の判断にお任せいたします。よく見ると、「愁」の字は、秋に心と書いています。思い悩むことが多いのが秋なのかもしれません。

 ここはいっそのこと、足の赴くままにBenoitへお越しいただき、愁うことなく旬の食材をお楽しみいただく。そうすれば、憂愁でも幽愁でも、どちらもお構いなしという、全て万事解決となることでしょう。皆様との再会を、愁うことなく心待ちにしております

 

 「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。そう遠くない日に、マスク無しで笑いながらお会いできる日が訪れることを願っております。皆様のご健康とご多幸を、一刻も早い「新型コロナウイルス災禍」の収束ではなく終息を、青山の地より祈念いたします。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com