kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

2022年10月11月 Benoitに集うキノコいろいろを前菜でいかがですか?

 秋の味覚の代表ともいえる「キノコ」。ここまで国産の食材にこだわりを見せながら、どうしてフランス産を購入するのか?シイタケやシメジにように、風味豊かな個性的なキノコが国産にはあります。ことフランス料理との相性となると、どうしてもフランス産に軍配があがるのです。

 さあ、冬本番を迎えるに前に、ぜひとも味わっておかねばなりません。フランスからプルーロット(ヒラタケの仲間)、ピエ・ブルー(シメジの仲間)、マッシュルーム。イタリアからカルドンチェッロ(エリンギ茸そっくり)です。上の画像の右端の真っ黒のキノコは、トランペット・ドゥ・ラ・モー(「死のトランペット」という名前ですが毒キノコではありません)は、今期は収量が激減しており、入荷できた際には料理の中で姿を現します。

 今回は、ヴォローヴァンというフランス伝統の料理に仕上げます。「パイの実」というお菓子を想い描いていただきたい…Benoitのさくさくミルフィーユのノウハウで仕上げたパイの実の生地を重ね、中をくり抜き、休ませた後に香ばしく焼き上げます。そして、地鶏である名古屋コーチン(※ホロホロ鳥の入荷がとまりました)のモモ肉をぷりっと焼き、前述したキノコを加え、ちゃっちゃっと熱を加えてゆくと…芳しい香りをはなつようになる。そこで、クリームを少々…

 鶏モモ肉のキノコクリームソース、これだけでも美味しい。これをパイ生地に詰めてゆきます。ナイフを入れるとしゃりしゃりっと音を奏でながら生地を切り、鶏肉やキノコ、旨味の煮出たクリームソースを絡ませてお召し上がりいただきたい。色こそ地味ですが、どっしりと食べ応えのある“前菜”です!

Vol-au-vent de pintade et champignons

ホロホロ鳥とキノコのパイ詰めヴォローヴァン

※プリ・フィックスメニューの前菜として、ランチ+1,500円/ディナー+1,200円でお選びいただけます。

 

 日ましに秋めく今日この頃。目に見える季節の移ろいの加え、秋風は秋の薫りも運んできます。ここはひとつ、文明の利器を遠慮し、五感を利かせて秋を探してみるのも一興ではないでしょうか。そして、秋の味覚が恋しくなった際には、足の赴くままにBenoitへお越しください。深まり行く秋と歩調を合わせるように、旬の食材がメニューをもって皆様をお迎えいたします。

 最後まで読んでいいただき、誠にありがとうございます。

 終息の見えないウイルス災禍です。皆様、油断は禁物です。十分な休息と睡眠、「三密」を極力避けるようにお過ごしください。「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。そう遠くない日に、笑いながらお会いできることを楽しみにしております。

皆様のご健康とご多幸を、一刻も早い「新型コロナウイルス災禍」の収束ではなく終息を、青山の地より切にお祈り申し上げます。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬

www.benoit-tokyo.com