暦の上では、「立春」を迎えたことで春が始まりました。陽気な春を思い浮かべますが、古人はこの時期を「三寒四温」だと教えてくれます。明治時代に太陰太陽暦からグレゴリオ暦へと改暦したこともあり、多少の季節の誤差があろうとも、今も昔もそう変わりはなく、寒暖の日々が交互に訪れてくるようです。しかも、今年はこの気温差が大きいような気もいたします。
≪季節のお話 「埋み火」とは?≫
かつて暖房器具が乏しい頃にあり、暖を取る方法は薪(たきぎ)を燃やすことでした。しかし、屋内では火災の危険が付きまといます。昔の日本は住居が密集しているため、一歩間違うと町自体が焼け野原となり消滅してしまう可能性すらありました。そこで、先人たちは、「炭」という画期的な逸材を発明したのです。
今回の季節の話は、「埋み火(うずみび)」について書いてみました。便利に快適になった今の生活によって、失ったものがそこにはある、そのような気がいたします。お時間のある時に以下よりブログをご訪問いただけると幸いです。
≪お勧め!フランス伝統料理とデザートが登場です。≫
パリの4区、サン・マルタンと名付けられた脇道の一角に、1912年にBenoitさんが店舗を構えました。そう、Benoitという店名は、創業者の名前です。彼はフランスの伝統料理に、さらに料理上手であったというマリー伯母さんのノウハウを加味することで仕上げられた料理の数々を世にはなってゆきます。美味しかったのでしょう、今なおその場所に健在であり、約110年という長い歴史を誇ることがその証なのではないでしょうか。
「Benoitほどビストロらしく、またパリらしい店はありません。味わい深い歴史と盛りだくさんの美味しさに溢れるこの店に私は特別な愛着を感じています。Benoitで感じられる心地よさと懐かしさは、いつの時代にもあり続ける食文化でありまた伝統でもあるのです。」と、アラン・デュカスも語っています。
同じ名を冠する東京のBenoitは、この本店に連綿と受け継がれてきた料理への想いを引き継ぎます。フランス伝統料理を踏襲しつつも、アラン・デュカスの料理哲学を追究し続けた料理の数々が、プリ・フィックスメニューに名を連ねているのです。その中に、フランスの古き良き伝統料理の代表ともいえる2つが、メニューに姿を現しました。
GRATINÉE À L'OIGNON
オニオングラタンスープ
ランチでは+1,000円、ディナーは+800円でプリ・フィックスメニューの前菜としてお選びいただけます。ご用意できる数に限りがあるため、予約の際にご希望数をお伝えいただけると幸いです。今期は3月31日(水)までのご用意です。
PARIS-BREST
パリ・ブレスト
ランチでもディナーでも、プリ・フィックスメニューのデザートとしてお選びいただけます。ご用意できる数に限りがあるため、予約の際にご希望数をお伝えいただけると幸いです。
オニオングラタンスープはお馴染みの料理。パリ・ブレストは画像から見るに特に華やかさはありません。しかし、今回のご案内をなぜ皆様にお送りしたのか。この2つのフランス伝統料理は、名称だけでは伝えきれないBenoitのこだわりが隠されているのです。お時間のある時に、以下よりブログをご訪問いただけると幸いです。
≪余寒特別プランのご案内です。≫
日頃より並々ならぬご愛顧を賜っている上に、自分よりご案内している長文レポートに目を通していただけている皆様の労に報いるため、「美しい(令)」季節に春食材が「和」する料理をお楽しみいただくことで、無事息災に日々を過ごしていただきたく、「余寒特別プラン」をご案内させていただきます。そして、岐阜県飛騨高山地方のカボチャ名人と称される若林さんより「飛騨の花もち」をいただきました。この花もちに託された若林さんの想いとは?併せてご紹介させていただきます。
≪北平のBenoit不在の日≫
私事で恐縮なのですが、自分がBenoitを不在にしなくてはならない2月の日程を書き記させていただきます。滞りがちだったご案内を充実させるべく、執筆にも勤しませていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
22日(月)
26日(金)
上記日程以外は、Benoitを優雅に駆け回る所存です。自分への返信でのご予約はもちろん、BenoitのHPや、他ネットでのご予約の際に、コメントの箇所に「北平」と記載いただけましたら、自慢の料理の数々を語りに伺わせていただきます。自分が不在の日でも、お楽しみいただけるよう万全の準備をさせていただきます。何かご要望・質問などございましたら、何気兼ねなくご連絡ください。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
今年の辛丑が始まりました。その「辛」の字の如く優しい年ではないかもしれません。しかし、時は我々に新地(さらち)を用意してくれている気がいたします。思い思いの種を植えることで、そう遠くない日に、希望の芽が姿をみせることになるでしょう。
「一陽来復」、必ず明るい未来が我々を待っております。マスク無しで笑いながらお会いできる日が訪れることを願っております。皆様のご多幸とご健康を、一刻も早い「新型コロナウイルス災禍」の収束ではなく終息を、青山の地より祈念いたします。
ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬