kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

Benoit「2020年1月の特選プランとお勧め料理」のご案内です。

田鶴(たづ)のすむ 沢べの蘆(あし)の したね溶け みぎは萌えいづる 春は来にけり  大中臣能宣(おおなかとみよしのぶ)

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 詠者は平安時代中期に活躍していた歌人。彼が、ある年の祝賀の屏風に添えた歌だといいます。沢のほとりに枯れた姿を残す蘆の群生。その株元を覆っていた雪や氷も溶けはじめ、水際には萌えいずる若草が、まるで春の陽射しに誘(いざな)われているようだ。新春を迎えた喜びと希望を、萌える若草に託し言祝(ことほ)いだのでしょう。

 ところで、「田鶴」とは、どんな鳥なのでしょうか?この答えと、Benoitでの自分の抱負を語らせていただきます。お時間のある時、以下よりご訪問いただけると幸いです。

kitahira.hatenablog.com

 

 綿々と繰り返される自然のサイクルは、寒暖乾湿の差を生み出し、我々に「四季」という概念を刷り込みました。日々の生活に大きな影響をあたえるものですが、あまりにも身近な存在だからこそ、その自然の機微を見過ごしてしまいがちです。しかし、草木は自然から諭されたかのように、芽吹き花開くのです。「旬」といことばは、「季節の食物が最も味の良い時」と辞書にはあります。さらに「旬」には、「10日間」という意味も。1年365日の中の、僅か10日間に食材は旬を迎えるのだと、古人は教えてくれているのでしょうか。見逃してはなりません。

 降り注ぐ太陽の陽射しが万物を育て上げ、四季折々の風はその土地土地に味わいをもたせる。その風のもたらした美味しさこそ「風味」であり、我々はここに「口福な食時」を見出すのです。そして、旬を迎える食材は、人が必要としている栄養に満ちています。そして、人の体は食べたものでできています。

 新春を迎えたとはいえ、まだまだ「寒の内」であり、晩冬の食材が旬を迎えようとしております。「美しい(令)」季節に冬食材が「和」する逸品に出会い、食することで無事息災に新年を過ごしていただきたい。この想いを込め、Benoit1月のお勧め情報をお送りさせていただきます。

 

寒中特別プランは1月末までです!

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 日頃より並々ならぬご愛顧を賜っている上に、さらにはこの長文レポートに目を通していただけている皆様の労に報いなければなりません。そこで、新春を祝し、特別価格でプリ・フィックスメニューをご案内させていただきます。期間は、ブログを読んでいただいた日より、2020131日までの平日限定。ご予約は、自分へのメール、もしくは以下のBenoitメールアドレスよりお願いいたします。もちろん電話でも、ご予約は快く承ります。

www.benoit-tokyo.com

 

ランチ

前菜x2+メインディッシュ+デザート

4,800円→4,300円(税サ別)

ディナー

前菜+メインディッシュ+デザート

6,100円→5,000円(税サ別)

ディナー

前菜x2+メインディッシュ+デザート

7,100円→6,000円(税サ別)

ランチ/ディナー

Champagne alain ducasse 1blle ※要予約

11,500円→6,000円(税サ別)

※プリ・フィックスメニューの料理内容は、当日にメニューをご覧いただきながらお選びいただきます。ご希望人数が8名様以上の場合は、ご相談させてください。

 

シャンパーニュalain ducasse」とは?

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 「プライベートシャンパーニュ」というと、既存のシャンパーニュにエチケットだけオリジナルのものを貼り付けたものをいいます。そう、中身はシャンパーニュを醸しているメゾンの既存品なのです。ところが、このシャンパーニュ「alain ducasse」は違うのです。記憶が定かでないほど時を遡った頃、このシャンパーニュの話を聞いた時、我が耳を疑ったのを鮮明に覚えています。

 「アラン・デュカスグループ専用にブレンドされ、醸造されたシャンパーニュであること。」

 シャンパーニュ造りは、ブドウ品種ごとにワインを醸し、年代(ヴィンテージ)違いも含め、ブレンドして瓶詰めしていきます。これに、ドサージュという甘いシロップを加え2回目の発酵に入ります。この2回目の発酵が、魅惑の泡を生み出し、最低3年瓶の中で熟成させることで、ガスがワインに溶け込むのです。そう、シャンパーニュには、最低でも4年の歳月が必要です。

 各シャンパンメゾンは、自分達の威信にかけてスタンダードのシャンパーニュを醸します。ある醸造責任者のコメントが忘れられません。「ヴィンテージシャンパーニュは、ブドウの出来が良かったときのみ醸せばよい。しかし、スタンダードのラインナップは、どんな年でも最高品質で醸さねばならない。これが一番苦労する。」と。これは、シャンパーニュに限ったことではありません。日本酒でも、本醸造が美味しくなければ、その蔵元の吟醸酒は購入しないでしょう。杜氏が一番気をもみ神経をとがらせるのが、スタンダードの「本醸造」です。お手頃の価格で、その蔵元の威信にかけて美味しさを醸さねばならないのです。

 そのシャンパーニュメゾンに、アラン・デュカスグループが依頼をし、ブレンド・熟成がオリジナルとなる、正真正銘の「プライベートシャンパーニュ」を造り上げたのです。それが、このシャンパーニュ「alain ducasse」なのです。快諾したのかどうかは定かではありませんが、この無理難題を引き受けてくださったのが、大手シャンパーニュメゾンの「LANSON」です。

 プライベートシャンパーニュとはいえ、仕上げたLANSONの評価に影響がでる危険性もあります。それでも、このシャンパーニュが、フランス国内はもちろん、世界各国のグループレストランに送り出されました。なぜでしょうか?答えは明瞭でした。「美味しいから」なのです。

 一般に販売しておらず、グループレストランのみでしか、お楽しみいただけません。そこで、今回1月末までの平日限定として、このシャンパーニュ「alain ducasse」を特別価格でご提案させていただきます。

11,500円→6,000円(税サ別)

※特別なシャンパーニュのため、ストック本数に限りがございます。ご希望の際には、ご予約時にお伝えいただけると幸いです。すでに特別価格なため、ワインの日では割引対象外となることをご了承ください。

 

Benoitに初登場「牡蠣(かき)」の前菜は、1月末までです!

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 カキは豊洲市場に届いた鮮度抜群のものを剥きます。そのため、産地は大きく分けて2か所から。カキ養殖激戦区である瀬戸内海の広島県と、東北のリアス式海岸が特徴の岩手県です。甲乙つけがたい美味しさを共に誇りますが、比較的多くBenoitに届くのは、岩手県のようです。山が海沿いにまでそそり立つリアス式海岸は、山のミネラル豊富な清らかな水が、海へ流れ込み、豊富な植物性プランクトンを育みます。そのプランクトンを食(は)む食(は)むしているカキが、美味しくないわけがありません。瀬戸内海の穏やかな海流が、牡蠣筏による養殖に適しているように、規模こそ小さいですがリアス式海岸の湾もまた然り。

 カキは殻から剥き、しんなりと甘さを引き立てるように熱を加えたポロ葱を、殻中に敷くようにのせます。生のカキ身をポロ葱の上にのせ、シャンパーニュを降り注ぎ、サバイヨンという卵黄を使ったほわほわのソースをかぶせるようにし、オーブンへ。卵の入ったサバイヨンが、焼き色がつくことで、まるで蓋のように。この中では、前述した「ふつふつと沸き起こるカキへの想い」が反映したかのように、シャンパーニュによってふつふつとカキが蒸しあげられてゆくのです。さらに、このサバイヨンの蓋がカキの旨味のスープを逃がしません。テーブルに供された時、芳しい香に魅せられ、口にした時には言葉を失うでしょう。生ガキも良いですが、フランスの伝統が生み出した「カキのグラタン」にこそ、カキの美味しさを最大限に引き出す逸品かもしれません。さあ、シャンパーニュや白ワインが呼んでいます。

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HUÎTRES gratinées au sabayon de Champagne

殻付き牡蠣のグラタン シャンパーニュ

 プリ・フィックスメニューの前菜の選択肢の中で、ランチは+1,000円、ディナーでは+800円にてお選びいただけます。しかし、入荷に限りがあるため、ご予約の際にご希望の数量をお伝えいただけると幸いです。

 

宮城県志津川港より「南三陸産マサバ」が届いています。

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 世界其処彼処に点在する漁場の中でも、やはり魚種が豊富な地域がある。その中でも群を抜いている、ノルウェー沖、カナダ・ニューファンドランド島沖のグランドバング、そして三陸金華山沖(きんかさんおき)が「世界三大漁場」と称されています。この金華山沖は、イワシ・サンマ・カツオ・マグロなあどの回遊魚の好漁場。この海域で育まれた旬の魚が、今回の特選食材です。

志津川漁港より南三陸のマサバ」

 親潮黒潮のぶつかり合う狭間は、素人では予知できぬ潮の流れを生み出します。さらに、リアス式海岸という独特の地形が織り成す複雑怪奇な海流の動向とくる。「天気晴朗なれども波高し」と。この海流の流れに右往左往するのは素人の船乗りなのだろう。玄人は波を読む。海際まで山々がせり出すリアス式海岸は、その山々が育んだ山の養分に満ち満ちたものが流れ出ていることになる。この環境下の中で育て上げた海産物が美味しくないわけがない。その山々の養分に満ちた海水と親潮が出会う。この海域に生きとし生けるものは、エサに恵まれ、海流の早さによって鍛えられることで、他地域には見られない筋肉質は個体へと成長してゆくのです。

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 志津川漁港の山内鮮魚店さんとの出会いがなければ、この特選食材がBenoitのメニューに登場することはなかったでしょう。この海域の海産物の美味しさは周知の事実。うねりゆく海流がこの海域を世界三大漁場となすと同時に、漁師さんにとって危険極まりない海域ともなす。山内鮮魚店さんの扱う魚介類は、漁師さんが命懸けで飼育や捕獲した海産物です。これを皆様が口にした時の、美味しいばかりではない想いの詰まった「感動」をお届けしたい、そう彼らは語ってくれました。

 旬を迎えるこの時期のマサバは、豊富なエサのおかげで脂肪が身にしっかりとのるだけではなく、我々にとっての栄養価が満ち満ちているのだとか。さらに、海水温が低くなることで、身が引き締まり美味しさが格段に良くなるといいます。Benoitへ届く魚体は、見事なサイズに加え、パンパンな胴回り。捌いているキッチンスタッフは、「脂の乗りも素晴らしいですよ」と話しています。これほどの鮮度の良いものが手に入るのであれば、とシェフが考えたのが、生食でした!生食?

 毎年話題になるのは、サバなどを生食することで起こる食中毒です。原因は「アニサキス」によるもの。もちろん、そんな危険なものをBenoitで皆様に供することはできません。では焼くのか?生とかいているが?ということなのです。この食中毒の対処方法は、60℃以上で1分以上加熱すること。と、もう一つ、-20℃で24時間以上凍らすこと。そう、Benoitでは後者の方法をとります。24時間以上凍らせた後に、旨味を逃がさぬようゆっくり解凍、営業直前に表面をバーナーで焙り香ばしさを加えた後に、すぐに冷やすことで中は生のまま。激しい海流にもまれにもまれ、さらに美味しいエサをたらふく食べた、南三陸のマサバの旨さ。これを損なうことの無いよう手間暇を惜しみません。

 ここにもうひとつの待っていた特選食材が登場です。熊本県オリジナル品種の早生温州ミカン「肥のひかり」です。天草の島島々をつなぐ道路は、「柑橘ロード」と呼ばれるほど、多品種が植栽されています。太陽だけに、さんさんと降り注ぐ陽射しに加え、美しい海面が、陽の照り返しを生み出すのでしょう。全国的に見れば生産量は少ないですが、シェフの絶賛するほど美味しいミカンです。マサバが先にブノワに届き、エスカベッシュがスタートするのですが、昨年末に「天草のミカン」が届くことで、一変しています。

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 「エスカベッシュ」という料理。スパッとした響きの心地よい名前の料理は、日本でいう南蛮漬けに似ています。ニンジン、タマネギ、セロリといった香味野菜と共に甘酸っぱいスープに漬け込むように仕上げます。しかし、脂がのりにのったマサバを焼いてしまうなどもったいない話であり、旨味を打ち消してしまうような甘酸っぱさなど言語道断。

 そこで、旬の食材を使って、冬らしい逸品に仕上げようと。サバとの相性が抜群の香味野菜の風味はソースとして生かしつつ、少しばかりにヴィネガーに心地良い柑橘の甘さとほろ苦さをアクセントに加える。そう、前述した熊本県のミカン「肥のひかり」が、ここに登場します。厚めにカットしたマサバの切身に、このソースを絡めるように。青魚特有の臭みなどどこ吹く風、香味野菜以上に、ミカンの風味がマサバの美味しさを一層引き立てるのです。

 鮮度抜群の宮城県三陸のマサバと熊本県天草のミカンが東京のBenoitで一堂に会し、ともに旬である冬ならではの味覚を我々に教えてくれる。旬のマサバを生でいただけるこの美味しさは、一食の価値あり。ディナーのプリ・フィックスメニューで、前菜の選択肢に入っています。ランチでご希望の方は、ご予約の際にお伝えいただけると幸いです。

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MAQUEREAU en escabèche

三陸産マサバのエスカベッシュ

 

福井県六条大麦」と冬野菜がCookpotの中で出会います。

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 アラン・デュカスが、その土地土地で育まれた旬の野菜を、いかに美味しく皆様に供するべきかと思案した結果、考案された器のことで、2010年の春に、世界に点在するアラン・デュカスグループのレストランで使われるようになりました。「このCookpad(クックパッド)とは何ですか?」とよく聞かれますが、レシピ集ではありません。

 1987年に、アラン・デュカスがモナコの「ルイ・キャーンズ」で取り組んだコースメニューが、野菜への敬意を込めた「ジャルダン・ドゥ・プロヴァンス(プロヴァンスの庭)」です。デュカス自らが、プロヴァンスを巡って見つけ出した至高の野菜をお楽しみいただくコース料理。Cookpotは同じエスプリに基づいて誕生したのです。いうなれば、彼の料理原点と哲学を象徴した逸品を仕上げるためのツールというのでしょう。世界各地にある、デュカスグループのレストランで、テロワール(土地特有の気候風土)の恵みと季節感のある料理に仕上げるための「器」であり、「料理名」でもあります。

 

 自然食品への回帰が叫ばれている昨今にあり、食文化を築き上げているフランスももちろん例外ではありません。フランスのアラン・デュカスグループのレストランでも「スペルト小麦」や「キヌア」などの食材が多用されています。もちろん、Benoitも例外ではありません。四季折々の食材が豊かな日本での食材探しが始まったのです。「国産」へのこだわりは、この「六条大麦」との出会いを導いてくれました。この特選食材の生産量日本一を誇るのが、福井県。そこで、その主産地である福井県の「大麦倶楽部」さんよりBenoitへ直送いただいております。

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 麦茶はもちろん、白米とともに炊き上げ食感と栄養を補う役割を担う「六条大麦」。もちろん、ビールや焼酎の原料となる「二条大麦」とは別品種です。二条種は穂を実らせたときの粒の配列が「2列」、ということは六条種は「6列」。六条大麦は二条種よりも小ぶりで、丸粒のプチプチとした食感は病みつきになりそうです。さらに、食物繊維を含めた栄養価も抜群であり、「グルテン」を含まないことも特筆すべきでしょう。

 この六条大麦は、生姜やマスタードシードとともに、野菜のブイヨンで炊き上げるように途中まで仕上げ、Cookpotの器に盛り付けます。冬ならではの根菜、紫・黄・オレンジ色のミニニンジン、黒大根などを、その特有の旨味を引き出すように熱を加え盛り付け、さらに紫ケールの厚みのある葉野菜の食感と美味しさを加えてからオーブンへ。からし菜を、コリアンダーやカルダモンとともに、野菜のブイヨンで煮詰めていったものを、ソースとして注ぎかける。それぞれの野菜の旨味が一堂に会する中で、少しばかりスパイシーなソースが食材を引き立て、我々の食欲を駆り立てるかのよう。

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COOKPOT d'orge et légumes de saison, condiment de feuilles de moutarde

クックポット六条大麦と野菜 からし菜風味

プリ・フィックスメニューの前菜の選択肢の中で、ランチは+1,000円、ディナーでは+800円にてお選びいただけます。

 

ホウボウとヒラメがメニューに加わります

 昨今の気候変動により、気温のみならず海水温の上昇が、思いのほか海洋生物に影響をおよぼしているようです。お世話になっている、海水温が上がり、海流が変わってきているため、今までのように投網すると流されるのだと、これは千葉県の勝山漁港の漁師さんの談。プロの漁師さんでも漁獲時期と量は読めないのだといいます。

 そこで、魚介類に関しては、産地を限定することで、漁獲無しといったご迷惑を皆様におかけしないよう、豊洲の力を借りつつ、美味しい料理を提案させていただこうとも思います。晩冬に登場するのは、日本でも馴染みの2魚種。ともに、海底で優雅にたたずんでいる美味なる魚です。

 

 方々(ほうぼう)さまようように、海底をゆっくり泳ぐからとも、日本の方々(ほうぼう)で水揚げされるからとも、ホウボウというお魚、もちろん諸説あり。美しい姿の風貌ですが、固い頭と骨を持っているため、家で捌くにはなかなかに難儀な魚です。白身で弾力のある身質をプリっと焼き上げた後に、ごつい頭や骨からブイヤベースのように旨味を煮出すように。それを煮詰めたものがソースです。ブイヤベースに欠かせない、ウイキョウとジャガイモとの相性は抜群です。これはランチのプリ・フィックスメニューに登場です。

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ROUGET GRONDIN, fenouil braisé au fumet de bouillabaisse

ホウボウのオーブン焼き ウイキョウとジャガイモ ブイヤベース風味

 

 目を向きにし、右向きカレイで左向きがヒラメと見分けます。ところが、魚河岸の方から衝撃の事実が、「たまに例外があるよ」と。悩んだ時には口の中を覗いて見た方が良いかもしれません。細かな歯が並んでいるのがカレイで、小魚やエビ・カニを食む食むしているだけに、細かな牙がぎっしり並んでいるのがヒラメです。

 お刺身でも焼いても、煮つけても美味しいヒラメを、表面をオリーブオイルで焼き色を付けた後に、オーブンを使って休ませながら、しっとりと旨味を引き出すように焼き上げます。魚から旨味をとったソースにトリュフを少々。この相性に間違いはありません。これは、ディナーのプリ・フィックスメニューに名を連ねます。

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Blanc de TURBOT, poireaux et pommes de terre, truffe noire

平目のオーブン焼き ポロネギとジャガイモ トリュフソース 

 

香川県小豆島の「島鱧」が1月末までです!

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 香川県小豆島(しょうどしま)。この近海のハモは、筋肉質で実が締まり、美味しいエビ・カニをたらふく食すことで、ハモ自らが旨味をもつことになるのです。そのハモがBenoitに届いています。島鱧(しまはも)とは、どのようなものか?「はてなブログ」に詳細を記載しております。お時間のある時に以下のURLよりご訪問いただけると幸いです。

kitahira.hatenablog.com

 美味しい島鱧を、Benoitのシェフはどうするか?もちろん、フランスではお目にかからないハモは、シェフのセバスチャンにとって初めてのこと。焼いたり煮たりと試行錯誤の末、ふっと脳裏に浮かぶフランス伝統の逸品、「リヨンのクネル」だ!フランスでは淡水に棲むカワカマスを使用します。我々には馴染みのないこの魚は、小骨が多く、取り除こうとは微塵にも考えたくないもの。そこで、フランス人は考えたのです、「骨ごとミンチにしよう」と。そして、リヨンが内陸の地ゆえにエビはいない。では、代わりにザリガニで濃厚なソースに仕上げ、カワカマスと合わせようとなるわけです。この発想と同じく、小骨の多いハモは、ミンチにし、団子に姿を変えます。しかし、味わいは雲泥の差ほどにハモが勝る。そこで、海には海のエビでソースを仕上げようと。誕生!「島鱧のクネルBenoit風」です。

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QUENELLES à la lyonnaise, bisque légère

香川県小豆島産 島鱧"のクネル リヨン風

プリ・フィックスメニューのメインディッシュの選択肢の中で、ランチは+1,000円、ディナーでは+800円にてお選びいただけます。

 

岐阜県明宝牧場の郡上クラシックポーク、ロース肉のロースト!今月末までです。

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 この「郡上クラシックポーク」どれほどの特選食材であるか、詳細を「はてなブログ」記載しております。お時間のある時に以下のURLよりご訪問いただけると幸いです。

kitahira.hatenablog.com

 生では食すことのできない豚肉でありながら、焼き過ぎると固くなり、美味しさも逃げてしまう。なかなかに気難しい食材でもあります。今回は、ゆっくりと時間をかけながら低温で焼き上げることで、噛むほどにジュワっとくる豚ロース本体の旨味をお楽しみいただきます。トリミングすることで余計な脂や筋は取り除き、残した脂身には、仕上げにディジョンマスタードを少々。さらには、ソースにはピクルスを加えることで、豚の旨味の凝縮した甘さえ感じるソースに心地よい酸味と食感を加えます。

Longe de COCHON finement panée, sauce charcutière

岐阜県郡上のクラシックポーク" ロース肉の香味焼き シャリュキトリーソース

プリ・フィックスメニューのディナーのみ、肉料理の選択肢としてお選びいただけます。ランチでのご希望は、ご予約の際にお伝えいただけると幸いです。

 

岐阜県奥美濃古地鶏」とフォアグラのマリアージュ、これも1月末までです。

 昔も昔の物語。天照大神を岩戸の中に身を隠し、世は闇の中へ。これは一大事と多くの神々が天照大神を岩戸から引き出すために、試行錯誤した様子が古事記に書き記されています。その時に、肌もあらわに踊った天宇受賣命(あまのうずめりみこと)は、芸能の神様として飛騨市河合町の鈿女(うずめ)神社に祀られています。その鳥居の下には「金の鶏」が埋められた。この鶏は天照大神を自ら「天の岩戸」を開けさせるため、気を引くために鳴かせたという「常世の長鳴鳥」だと。そして、この鶏こそ「岐阜地鶏(天然記念物)」の祖先であるという。岐阜県養鶏試験場が、この「岐阜地鶏」をもとに、「神代の味」の再現しようと研究を重ね、並々ならぬ努力の末に生み出したのが、「奥美濃古地鶏(おくみのこじどり)」です。

 雄大大自然のなかで、のびのびと育てあげられる奥美濃古地鶏。すべての生産者の鶏が、この名を名乗れるわけではありません。岐阜県では奥美濃古地鶏普及推進協議会を発足し、厳しい基準を順守する生産者のみに与えられるもので、定期的に調査を行うことで品質の維持に努めています。この徹底した管理のもとで育てられた鶏肉は、ほんのり赤みを帯びた歯ごたえのある肉質を生み出し、深みのある旨味に満ち満ちています。

 今回は、奥美濃古地鶏の美味しさを十二分にお楽しみいただきたく、胸肉のみを使います。ぱさぱさになりがちなこの部位は、実は火加減さえ間違えなければ、鶏肉本来の美味しさが満ち満ちているのです。しっとりとした食感と、旨味を引き出すために、時間をかけながら低温で調理をしていきます。ここへ、スペインの港町の名を冠する「アルビュフェラ」というソースを絡めるのです。調べると、多くのレシピが登場します。しかし、一味も二味も異なる美味なるソースを、Benoitシェフ野口が仕上げました。ブランデーとマディラ酒で香りとコクを加え、そこへフォアグラを潰しこんだ、口当たり滑らかなソースを鶏胸肉に絡めるのです。

 「昔、アラン・デュカスのレストランで食べたアルビュフェラが、あまりにも美味しくて…」と語る野口が、皆様に提案する冬らしい美味なる逸品です。鶏肉の持つ、美味しさを損なうことなくしっとりと仕上げたこの逸品は、「神代の味」を十二分にお楽しみいただけるはずです。時代を超えた神々の世界へ皆様を誘(いざな)うでしょう。

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VOLAILLE de Gifu, légumes en beaux morceaux, sauce Albuféra

奥美濃古地鶏" 胸肉と冬野菜 フォアグラのアルビュフェラソース

プリ・フィックスメニューの前菜の選択肢の中で、ランチは+1,500円、ディナーでは+1,000円にてお選びいただけます。購入できる数量に限りがございます。ご予約の際に、ご希望数をお伝えいただけると幸いです。ご不便をおかけいたしますが、特選食材ゆえにご理解のほどなにとぞよろしくお願いいたします。

 

柑橘の季節が到来です!

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Coupe AGRUMES, granitéCampari

柑橘のクープ カンパリのグラニ

 Benoitのデザートの中で、クリームもバターも小麦粉も使用しない、唯一ともいえるデザート。プリ・フィックスメニューのデザートの選択肢の中で、ランチ・ディナーともに+500円にてお選びいただけます。

 西日本を中心に次々と姿を現す柑橘は、晩冬から初夏までの長きにわたり、我々の食生活に彩りと爽やかさを与えてくれる。多種にわたる品種は、果肉や果皮の色、味わいジューシーさの違いがあり、組みわせた時にこそ、柑橘デザートの本領を発揮します。柑橘と銘打ったものの、いったい何の柑橘が入っているのか、気になるところではないでしょうか。

 日照時間や快晴日数が国内屈指の宮崎県。県内の柑橘栽培が沿海部に集中している中で、今回は内陸の地、宮崎市から西へ進んだ東諸県郡の綾町から送っていただいています。ここは、町の約80%が森林で、名水百選にも選ばれる水源を有するなど自然豊かな環境に恵まれているうえに、すでに30年以上も前から町全体で有機農法に取り組んでいる地なのです。

 見た目に美しく効率よく大量生産をめざす飽食の時代に、まさに逆行するかのような行動に出たのが、当時の綾町の町長でした。彼の英断は、今でこそ当たり前の農法も、当時は賛否両論だったはずです。反発して町を出てゆく人もいれば、賛同して転入してくる人もいる。それでも、ひたに有機農法を実践し続けたことで、今の名声を得ることができたのです。

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 今、宮城県綾町から送っていただいているのは、「キンカン」です。ハウス栽培から路地物へと移りゆき、あまりある陽射しを、直に受けて育ったキンカンは別格です。皮ごと食べるものだけに、そのまま甘さ控えたシロップで煮込むように作ったコンフィは、これだけでも十分にお楽しみいただける逸品です。というスタイルに仕上げます。食感といい、甘さと心地良いほろ苦さのバランスが美味しさの秘訣。これだけでも十分に美味しい仕上がりです

 マサバ料理の中でご紹介させていただいた熊本県天草の柑橘ロード、ここがもうひとつの特選食材を育む地です。実は、このデザート用にミカンを探し、熊本県の極早生温州ミカン「豊福(とよふく)」と出会ったのが、昨年の10月のことでした。このミカンを試食したシェフ野口が、「美味しい」と絶賛し、料理に使うことを決断したのです。この出会いがなければ、今のマサバの逸品はありませんでした。

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 天草が柑橘ロードであることは、すでに「不知火(しらぬい)」の購入実績があったため知っていました。「きっとミカンも美味しいだろう」との予測の下での購入が、「こんなに美味しいミカンをも育む地だったのか!」へと考えが一変することになるのです。極早生から早生の「肥(ひ)のひかり」へ引き継がれるも、薄皮で甘みが豊かな上に心地良い酸味がある。瑞々(みずみず)しさのある美味しいミカンであることに変わりはありません。

 大玉の国産柑橘は、天草の不知火を待つことにし、今はグレープフルーツの助けをかります。シロップで低温調理を施したキンカンとグレープフルーツの果皮。フレッシュの果肉は、ミカンとグレープフルーツ。マルムラードはミカン。全てが甘さを極力控えることで、それぞれの果実がもっている食感や酸味に甘みを最大限に生かしながら組み立ててゆきます。さらに、カンパリソーダの大きな氷粒のかき氷のようなグラニテで覆いつくします。

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 カンパリは、カンパリオレンジやカンパリグレープフルーツなどのカクテルがある通り、柑橘との相性が合わないわけがありません。まさに、食感のあるカンパリと柑橘のカクテルが完成するのです。オーケストラでいう指揮者がパティシエであるならば、各楽器のパートが奏でる音色は個性ある柑橘の風味であり、打楽器のアクセントはリキュールのカンパリなのでしょう。各々が美味しさの旋律を奏で、紡がれた時、得も言えぬマリアージュをお楽しみいただけるはずです。皆様には春ならではの「口福な食時」なひとときをお約束いたします。

 

岩﨑農園さんの「瀬戸内レモン」とヘーゼルナッツのスフレ、今月末までです。

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 広島県、瀬戸内海に浮かぶ離島「大崎上島(おおさきかみじま)」。サンサンと降り注ぐ陽光に温暖な気候という恵まれた環境の中、飽くなき探求心と努力を積み重ね、類まれなる品質のレモンを育て上げているのが、岩﨑さんご一家です。陽射しばかりでなく、愛情もたっぷり受けて育ったレモンは、まろやかな酸味が特徴で、そのまま食すると皮のほろ苦さと相まって、なんと美味しいことか。すっぱさに顔をしかめる必要はありません。さらに、摘んだそのままを届けていただくため、表皮のワックスを取り除く必要もありません。

 まだ少し緑色がかっていますが、これからゆっくりと美しい輝かんばかりの黄色に変わっていきます。レモン同士をこすった時に、透きとおった爽やかな香りは、すでに十二分おたのしみいただけます。そのまま目を閉じると、遠く潮騒(しおさい)が耳に届き、レモン畑から一望できる瀬戸内海に浮かぶ島々の美しさが脳裏に浮かぶ。

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 さて、自分がBenoitで仕事を始めてこのかた、実は一度として「スフレ」を皆様にお勧めしたことがありません。理由は簡単なもので、一口二口は美味しいと思うも、食感変わらず味わいの変化もなく、飽きてしまうからです。「スフレ」という魅惑的な名前も、毎度の如く色褪せてゆくのです。しかし、今期は違います。自分の中でお勧めすべきでデザートへとBenoitシェフパティシエールの田中が仕上げてきたのです。その大きな要因が、今回の特選食材「瀬戸内レモン」なのです。

 ビスキュイ・ジョコンドという、通常はたっぷりのアーモンドを使うビスキュイ生地を、今回はたっぷりのヘーゼルナッツで焼き上げます。このしっとりと香ばしいビスキュイを器の底におき、瀬戸内レモンもマルムラード、その上にはヘーゼルナッツを加えたスフレ生地。そして、オーブンへ。これほどまで、ヘーゼルナッツを加えることは、風味が濃くなり飽きやすくなる。しかし、ジョコンドとレモンのマルムラードの食感の違いに加え、心地良いレモンの酸味とほろ苦さが、一口一口に違いをもたらし、この絶妙なバランスは飽きがくることなく、ぺろりと一つを完食してしまう。

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Soufflé aux NOISETTES

ヘーゼルナッツのスフレ

 「寒くなってきたから、熱々のスフレ。」ではない、「岩﨑さんの瀬戸内レモンを待っていたから、お勧めのスフレ。」なのです。プリ・フィックスメニューのデザートの選択肢の中で、ランチ・ディナーともに+500円にてお選びいただけます。

 

静岡県掛川の赤い宝石、イチゴ「紅ほっぺ」がBenoitに届きました!

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 誰しもが愛してやまない「イチゴ」。みずみずしく、しゃくしゃくの食感。心地良い酸味がイチゴの優しい甘さを引き立てます。甘いだけではない、イチゴの優劣はこのバランスによって決まるように思います。鮮度を維持することが難しいため、収穫は随時行わなくてはなりません。さらに、水分が多いからこそ輸送に耐え得ないフルーツでもあります。Benoitの席数を考えると、一農家さんからの購入では、イチゴの確保がかなり厳しいのです。

 この難題をいとも簡単に解決に導いてくれ、昨年Benoitの春デザートを席巻したのが、静岡県掛川市にて広大な農園を構えている「赤ずきんちゃんおもしろ農園」赤堀さんが育んだ「紅ほっぺ」でした。一度も滞ることなく、Benoitへ「紅ほっぺ」のみを送り続けていただいています。サイズ指定も購入量も、担当してくださった方の「大丈夫です」という一言に、どれほど安堵したことか。さらに、届いたイチゴの品質にはただただ脱帽するのみ。豊潤な香りをはなちながら、美しい輝かんばかりの赤い色、口中いっぱいに広がる豊潤な甘さに心地よい酸味、いかに丁寧に育てられた「紅ほっぺ」か。自分のみならず、パティシエチーム皆が「美味しい」と納得の逸品です。

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 このイチゴが、早々にデザートに名を連ねました。軽やかに焼き上げたタルトの中に、柚子(ゆず)を加えたカスタードクリームを絞り込みます。その上に、イチゴのマルムラードをたっぷりと。このマルムラードも、既製品のピューレなどは使用せず、可愛い姿の「紅ほっぺ」を、なんのためらいもなく潰してゆくのです。この光景を目にした時には、ため息が漏れることでしょう。さらに、「紅ほっぺ」の粒を、縦半分にカットしたものを、ぎっしりと詰め込んでゆきます。仕上げに、カリカリと黒こしょうを削りふります。そして、柚子のシャーベットとともに。

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Tarte aux FRAISES

イチゴ紅ほっぺのタルト

昨年はレモン、今年は柚子をたずさえて、タルトとしてBenoitに登場です。プリ・フィックスメニューのデザートの選択肢の中で、+800円にてお選びいただけます。

なぜ、柚子なのか?実は数年前からシェフパティシエールの田中から希望を打診されていたのです。しかし、柚子の前に探さなければならなかったのが、イチゴだったのです。幾度となく失敗を重ね、半ば諦めかけていた昨年に運命の歯車がかみ合ったのです。赤ずきんちゃんおもしろ農園の赤堀さんとの出会いです。昨年にイチゴ問題が解決したことで、今期とりかかったのが柚子探しでした。運命とはおもしろいものです。一歩でも踏み出すと、今まで見過ごしていたものが見えてくるものです。出会いました、一級品の柚子と。

 

主役はイチゴだけではない!岐阜県の関市「上之保ゆず」と恵那市「笠置ゆず」。

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 岐阜県のほぼ中央に位置する名刀を叩き上げることで有名な関市。この地を縦断するように流れるのが長良川、その支流の津保川の最上流部に位置しているのが、上之保(かみのほ)村です。総面積の実に89%が山林で占められているといい、北西には女夫(めおと)山、南東には岳(だけ)山という山々に囲まれる。この類稀なる環境は、柑橘栽培に適しており、昔からゆずが庭先に植えられていたようで、今でも県下一の柚子生産量を誇ります。

 上之保に負けず劣らず高品質の柚子を育む地が、県南東部に位置する栗でも有名な恵那市。この地の北西部に位置している笠置(かさぎ)町です。北には笠置山が聳(そび)え、南には木曽川が流れ、ニホンカモシカが姿を見せることもある、自然豊かな地です。ここもまた、昔から県下有数の柚子の産地なのです。

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 山から吹き下ろす適度な風が、樹の疫病などを防ぐと同時に夏陽射しの中で果実が熱せられるのを防ぐ役割をなす。川は適度な水分を保有するのと同時に、照り返しが、陽射しの弱い時期の手助けとなる。柑橘の宝庫でもある、熊本県天草や愛媛県宇和島が山と海であるならば、岐阜県は山と川である。この類稀なる環境が美味しい柚子を育むと伝承していったのが、上之保と笠置であるのでしょう。

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 恵まれた自然環境を活かした、無農薬栽培を頑なに守り続け、もちろん仕上げの表皮へのワックスなどは皆無。見事なまでの美しく、芳しい香りを放つ上之保のゆず。もちろん、ゆず特有の酸味はあるものの、他地域よりも柑橘の甘みがある気がします。この岐阜県の柚子が、東京のBenoitで、静岡県のイチゴと出会います。

 

Benoitシェフに野口貴宏が就任いたしました!

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 Benoitの新たな試みとして、昨年末に野口貴宏が帰参いたしました。以前にBenoitのシェフとして辣腕をふるっていたのですが、いっとき離れることで、アラン・デュカス内で研鑽に励んでおりました。この間に「アラン・デュカスが今の時代に表現したいフランス料理」を肌身で感じたようです。時代に求めに応じて変えていかねばいけないと語っています。皆様、進化するBenoitに、ご期待ください。

 

 過ごしやすい日々が続くなかで、6日に「寒の入り」をいたしました。日増しに寒くなってゆくことでしょう。疲労・ストレスなどが原因で免疫力が下がっている時に、乾燥が加わると、風邪ばかりではなくインフルエンザにも注意が必要です。さらに、肌荒れやかゆみの原因にもなり、体感温度も下がります。健康のためにも、美容のためにも、程よい湿気お忘れなきように。そして、心の潤いも保ちながら、快適にお過ごしください。

 

いつもながらの長文を読んでいいただき、誠にありがとうございます。

末筆ではございますは、ご健康とご多幸を、青山の地よりお祈り申し上げます。

 

ビストロ「ブノワ(BENOIT)」 北平敬