2019-01-01から1年間の記事一覧
待てというふに 散らしで止まる ものならば 何を桜に 思ひまさまし 「古今集より」よみ人しらず 「待ってくれ」と言うことで、散らないでいてくれる花であれば、誰がこれほどまでに桜に対して思いを募らせようか。夏から秋にかけて葉を茂らせ、越冬するため…
日本でもお馴染みの春食材の「グリーンピース」。ところが、缶詰の普及がこの食材への偏見を導き、好き嫌いの多い食材になってしまったことは否めません。しかし、鮮度の良いグリーンピースの美味しさは格別で、春にしか楽しむことができない旬の味わいです。…
先日、東京で「桜の開花宣言」が発表されました。桜前線に一喜一憂したときも束の間、今ではいつに「花見」を行うか思い悩む日々なのではないでしょうか。「春に三日の晴れなし」とはよく言ったもので、この時期の天気は、「花冷え」「花散らしの雨」「桜雨…
フランスの食文化を語るうえで欠かすことのできない食材、チーズ(フランス語ではフロマージュ)です。ミルクを濃縮したようなものなので、栄養価は抜群です。牛、羊に山羊とミルクの種類の変化に加え、フランスの気候風土が育んだ風味は千差万別。同郷のワイ…
2019年「己亥(つちのとい)」の幕開けは穏やかなものでした。漢字の語源を調べ、賢人からのメッセージを推し量り、推敲を重ねながら書いている「干支の話」。いつもであれば、「早く書き終えなければ松の内が終わる」と焦る日々が、書き慣れたのか?今年は早…
「二十四番花新風(にじゅうしばんかしんふう)」。古代中国の賢人は、後世に四季折々の目安として「二十四節気(にじゅうしせっき)」を遺しました。1年を24に区分し、それぞれの季節を「立春」や「春分」などと表現し、今でも暦の中に登場しています。それをさ…
夜もすがら 思ひやるかな 春雨に 野辺の若菜の いかに萌ゆらん 具平親王(ともひらしんのう) 世界規模での異常気象が昨今の話題である中で、「春に三日の晴れなし」とは今も昔もそう変わりがないようです。心地よい陽気に包まれたかと思いきや、一転しての「…
衣更着(きさらぎ)の 冴えつる風の よのまにも また薄こほる 池のおもかな 藤原家隆 懐かしき中学生の時に、旧暦2月は「如月(きさらぎ)」と学びました。しかし、同じ読みのまま別の漢字表記もあるようです。その一つが今回ご紹介した歌にある「衣更着」。よう…
めづらしや 垣ねにうゑし すはえぎの 立ち枝に咲ける 梅の初花 源仲正(なかまさ)詠 梅の樹は、主幹となる、太い本体となる幹から梢(こずえ)と呼ばれる細い枝を垂直に天を目指すかのように多く伸ばします。それも思いのほか多く。そのため、剪定をしなければ…
「木」へんに「冬」を添えると、「柊(ひいらぎ)」。一年中、緑濃く美しい葉が生い茂る常緑小高樹。ギザギザの葉と、その先端にあるちくりとするほどの棘の様な歯牙が、あまりにも特徴的でしょうか。そのため、防犯目的で垣根に植栽している方も多いと聞きま…
まだ夜が明けぬ中、本州最西端の地に人が集まり出す。日中の陽射しによって温められた地表が気温を上げるも、陽のかげりとともに下降の一途をたどり、闇が深くなる頃には身震いするほどの寒さに包まれる。夜が明ける直前が一番冷え込むことになるが、この地…
新年を迎えることを「新春」「初春」や「迎春」と表現します。暦の上では、旧年に冬至を迎え、年を越す。2019年1月6日が「小寒」で、「寒の入り」。1月20日に「大寒」を迎え、この終わりが2月3日。この日は、季節を分ける日なので「節分」と呼ばれ、次の日か…
三味線プレイヤー 「史佳 Fumiyoshi」 津軽三味線を瞬間芸術という領域に昇華させる独自の世界観を持つ、初代高橋竹山流津軽三味線正統継承者。ふるさと新潟に拠点を置き、三味線プレイヤーとして国内外で演奏活動・講演活動を行っています。音の響きを大切…
2019年は、亥(いのしし)年です。お釈迦様への新年の挨拶に赴いた動物たちの順番が十二支となった、とはある一説のお話。己をよく知る牛は足が遅いことを理解しているために前日早いうちから出発し、一番先に門先に到着するも、その背に乗っていた賢いネズミ…
寒中見舞い申し上げます。 初春のご挨拶が遅くなり申し訳ありません。旧年中は並々ならぬご愛顧を賜り、誠にありがとうございました。本年は皆様のご期待にお応えできるよう、さらに口上を磨き、「観梅の心、観桜の目」を座右の銘とし日々研鑽に励みます。20…