kitahira blog

徒然なるままに、Benoitへの思いのたけを書き記そうかと思います。

2020-01-01から1年間の記事一覧

夏は夜 月のころはさらなり「八月尽特別プラン」のご案内です。

雑節「半夏生」が、田植えの終える目安となっていたことは、季節の話の中でご紹介させていただきました。この稲作一大事業を終えた後は、家主が皆の苦労を労(ねぎら)うために、宴(うたげ)を開いたのだといいます。「早苗(さなえ)振る舞い」と言っていたもの…

翠の叢に咲く「忘れ草」のご紹介です。

陸路であり海路であり「道」の誕生は、人と物が行き交うことを容易にしました。積極的な交易は、人と物の移動にとどまらず、美味しい実りをもたらすものや、観賞用の草木にまで及びます。この人々の移動は、文化や芸術を伝播(でんぱ)させてゆくことにもなり…

≪七月尽ディナー特別プラン≫と≪四連休は泡のワイン!≫のご案内です。

昨今の新型コロナウイルス災禍は、いまだ収束の兆しは見えず、我々は移動の制限を余儀なくされました。何をどうしたら良いのか全く分からない混沌とした世界の中で、このやり場のない鬱憤(うっぷん)をどうしたものか。疲労やストレスの蓄積は、免疫力を下げ…

無事息災であることを祈念いたします。

おぼつかな をちかたびとや いかならん をやみだにせぬ 五月雨のころ 弁乳母(べんのめのと) 遠方人(をちかたびと)の実情がよく分からなく心配である。無事息災であろうか。「小止む」とは、「しばらくの間」という意。小止(おや)むことのない五月雨の頃だ…

「惜夏特別プラン」と「平日限定≪7月個室プラン≫」のご案内です。

日頃より並々ならぬご愛顧を賜っている上に、自分よりご案内している長文レポートに目を通していただけている皆様の労に報いるため、前回ご案内しました≪初夏特別プラン≫の名称を、≪惜夏特別プラン≫へと季節に合わせて名前を変更させていただきます。 内容が…

五月雨の中で、ひっそり咲き誇るこの花は?

五月雨に ひとり日をふる ながめこそ なかなか伴(とも)の ある心ちすれ 寂然(じゃくねん) 五月雨(長雨)が降り続くので、一人物思いに耽(ふけ)る日々。これがまたなんでも話を聞いてくれる従者と共にいるようで、一人でも退屈しないもだ。長雨もそう悪くはな…

「五月雨」は、なぜ「さみだれ」と読むのでしょうか?

関東「梅雨入り」を迎えました。雨が降り続いたかと思うと、一時の「梅雨の中休み」もあります。この梅雨前線の気まぐれに一喜一憂する日々を過ごされているのではないでしょうか。この梅雨時期の雨のことを、古人は「五月雨」と名付けました。そして、この…

6・7月の「特別プラン」と「お勧め料理ダイジェスト版」のご案内です。

日頃より並々ならぬご愛顧を賜っている上に、自分よりご案内している長文レポートに目を通していただけている皆様の労に報いるため、≪初夏特別プラン≫を延長させていただくことにいたしました。 期間は、メールを受け取っていただいた日より、2020年7月末ま…

Benoit特選ワインをテイクアウトしませんか?

昨今の新型コロナウイルス災禍は、飲食店の弱さをまざまざと見せつけられました。人生を豊かにするうえでもなくてはならないものですが、平穏無事な状況下でしか成り立たないということ。 4月に約3週間に及ぶ営業自粛で、Benoitの時は止まりました。この緊急…

Benoitの「6月営業時間」と「特別プラン」のご案内です。

ぬしなくて 荒れにし屋戸の 庭のおもに ひとり菫の 花さきにけり 藤原公重(きんしげ) 「菫(すみれ)」は、日本では北海道から沖縄県まで津々浦々で目にすることができ、紫色の小さな花を咲かせます。あまりにも控えめな姿のため、園芸品種として育種されてい…

Benoit特選食材「サクラマス」のご紹介です。

「東京から1か月半遅れで、札幌の桜が笑いました」と、メールをいただきました。地理的条件から、多少の前後はあるものの、「桜前線」は南からやってきます。急ぎ足で過ぎ去った「桜の笑顔」を、北海道で見ることができるのです。2020年5月10日に稚内で桜の…

「サクラマス」と「サケ」に想うこと。

「サクラマス」 知っているようで知らない魚なのではないでしょうか?鱒(ます)という大きな分類の中に、鮭(さけ)があるのかと思っておりました。飲食を生業としながら、この認識の甘さに大いに反省させられることになります。さらに、調べれば調べるほどに、…

Benoitの料理をお家で楽しみませんか?

小山田(をやまだ)の 水のながれを しるべにて せき入るるなへに 鳴くかはづかな 藤原定家 山あいの小さな田んぼ、棚田のような光景なのでしょうか。田起こしをし、苗代の早苗(さなえ)の成長を見届けながら、田へ水を引き込む。小川から流れを止めているのは…

「桃の花」に想うことをつらつらと。

「桃花源記(とうかげんき)」 古代中国の王朝である晋から、南北朝時代の宋にかけての時代(5世紀あたり)に活躍した詩人、陶潜(とうせん)が書き記した物語です。武陵(今の湖南省)の一漁夫が俗世間から離れた平和な別天地を訪れたという話。今でいう理想郷を語…

宮崎県綾町の「日向夏」のご紹介です。

「旬の食材には、今我々が欲している栄養価が満ち満ちています。」 とは、自分の口癖のようなもの。春野菜には、ほろ苦さがつきもので、これは冬の間に眠っていた体を目覚めさせるためだと。対して秋野菜は、これから迎える冬ごもりへ向け、栄養価の高いもの…

「タラのブランダード」のご紹介です。

Benoitが再開いたしました。そこで、今まで投稿に花々が続いていたので、久しぶりに料理のお話を復活させようかと思います。そして、この料理は、お家でぜひお試しいただきたいのです。 今回は、「タラのブランダード」というお料理です。横文字の名前だけに…

「ときわぎ」に想うことをつらつらと。

「ときわぎ」 聞き慣れないこの言葉ですが、今でいう常緑樹のことを指し示します。漢字で表記すると、「常盤木」。しかし、大和言葉だからこそ「ときわぎ」と書きたいものです。常緑樹は、ツンツンとしたイメージですが、この言葉からは何とも言えない柔らか…

「Benoit営業再開」のご案内です。

花にそめし 心をやがて うつすとは いはでもふかし 山吹の色 進子(しんし)内親王 桜(サクラ)の名称は、田の神を意味する「サ」と、その神が舞い降りる居座る場「クラ(座)」から成り立つといいます。桜の開花は、稲作の最初の工程である「田起こし」の目安と…

「熊本県天草への旅心地」をお家でお楽しみください。≪後編≫

熊本県天草諸島(以下「天草」と記載)から、Benoitは旬の柑橘を購入していました、そして購入する予定でした。この地域の類稀なる環境は、得も言われぬほど美味なる柑橘が、季節を追うように多くの種類がたわわに実ります。12月から始まる「早生みかん」を先…

「熊本県天草への旅心地」をお家でお楽しみください。≪前編≫

熊本県天草諸島(以下「天草」と記載)から、Benoitは旬の柑橘を購入していました、そして購入する予定でした。この地域の類稀なる環境は、得も言われぬほど美味なる柑橘が、季節を追うように多くの種類がたわわに実ります。12月から始まる「早生みかん」を先…

「熊本県天草の柑橘」今まさに旬なリ。

ご実家が、農業を生業としている方からメールをいただき、「昨日(4月19日)はお米の種まきでした」と教えていただきました。お父様が苗代(なわしろ/なえしろ)をこしらえて、種籾(たねもみ)を蒔いたようです。きっと、苗の芽吹きを待ちながら、田起こし、畔づ…

完熟キンカン「たまたま」がたまたま教えてくれたこと。

フランスのレストランはどのような組織になっているかということを少しばかり書いてみようと思います。耳慣れた言葉の中に「ソムリエ」や「パティシエ」があり、特にソムリエはそれだけが独り歩きをしている感すらあります。もともとはワインを専門にするサ…

2020年「座れば牡丹」に想うこと

「立てば芍薬(しゃくやく) 座れば牡丹(ぼたん) 歩く姿は百合(ゆり)の花」 この時期になると、八重桜の美しさについつい心奪われ、忘れがちなのがボタンの花です。日本人は桜に、中国では牡丹に想いを馳せるよう。「百花の王」と称され、唐代の詩人である王叡…

2020年4月Benoit「臨時休業」のご報告です。

昨今の感染者数の増加に、いまだ収束の兆しが見えておりません。そこで、今週はランチのみの営業を予定しておりましたが、未曾有の「新型コロナウイルス」感染拡大防止のため、以下の予定で営業自粛をさせていただきますことを、ご報告させていただきます。 …

Benoit特選チーズ「エポワス」のご案内です。

これは、Benoitで新年1月4日と5日の両日にご用意いたしました、フランスでの新年恒例の焼き菓子「ガレット・デ・ロワ」です。下の画像はオーブンに入る前の「ガレット・デ・ロワ」… ではありません。今回ご紹介する逸品はフランスウォッシュタイプの代表格と…

2020年 ウイルス災禍克服へ「西行の想いと釈尊の教え」 に思うこと

憂き世には とどめおかじと 春風の 散らすは花を 惜しむなりけり 西行 人生は苦そのもの「苦諦(くたい)」である、と釈尊は弟子に語りました。「諦」は「あきらめる」ではなく、仏教の観点からは、「真理を見極めること」を意味します。厭世の想いから「人生…

2020年4月Benoit東京「営業自粛」のご案内です。

未曾有の「新型コロナウイルス災禍」に対し、日本政府より「緊急事態宣言」が発せられました。そして、東京都より「緊急事態措置」が施行されることになります。これらの行動指針を鑑み、Benoitの営業日および時間の変更を実施させていただきます。 すでに、…

なぜ?我々日人はここまで桜に心惹かれるのか? なぜ?サクラと呼ぶのか? そして「花より団子」は、どうして生まれたのか? 少しばかり紐解いてみました。

世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし 在原業平(ありわらのなりひら) 世の中に、まったく桜がなくなれば、いつ花開くのか待ち焦がれたり、風が花を散らさないかと気を揉んだり、散れば散ったで惜しんだりと、心を煩(わずら)わせることも…

2020年4月Benoit「週末の営業自粛」のご案内です。

世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし 在原業平(ありわらのなりひら) 世の中に、まったく桜がなくなれば、いつ花開くのか待ち焦がれたり、風が花を散らさないかと気を揉んだり、散れば散ったで惜しんだりと、心を煩(わずら)わせることも…

Benoit「三月尽特別プランと特選料理」のご案内です。

三寒四温とはよくいったものですが、今年の寒暖差の大きさは、尋常ならざる気がいたします。数日の間隔で寒暖が交互にというよりも、真冬と晩春が交互に訪れているようです。3月14日は、都内はまさに「ホワイトデー」の様相でした。積もることはありませんで…